愛犬との暮らしで大切なトイレのしつけ。
「何度教えても失敗ばかり…」「うちの子はトイレを覚えられないのでは?」と、悩んでしまうこともありますよね。
この記事では、犬がトイレをできない原因を突き止め、子犬や成犬にも通用する正しいトイレトレーニングの方法と成功のコツを、具体的なステップで詳しく解説します。
この記事を読めば、粗相の原因と対策がわかり、愛犬がトイレをきちんと覚えるための道筋が見えてきます。
もう失敗に悩むことなく、犬との安心できる環境で快適な毎日を送れるようになりますよ。

トイレシートの上じゃなくて、いつもはみ出すのはどうして?叱らない方がいいのはわかるけど…

大丈夫ですよ!原因を探って根気強く、正しい方法で繰り返し教えることで、きっとトイレの場所を認識してくれます。
- 犬のトイレトレーニングが重要な理由と成功がもたらすメリット
- トイレを失敗してしまう主な原因と具体的な対策
- 初心者でも実践できるトイレトレーニングの具体的なステップと成功のコツ
- しつけがうまくいかない時の困りごと(留守番中の粗相、マーキングなど)への対処法と心構え
犬との快適な暮らしを実現するトイレのしつけ
愛犬との生活で、トイレのしつけは飼い主さんにとって最初の大きな課題であり、快適な共同生活の基盤となる非常に重要な要素です。
トイレトレーニングがうまくいけば、粗相によるストレスや後片付けの手間から解放され、愛犬との絆をより深めることができます。
このセクションでは、まずトイレトレーニングの重要性と、成功がもたらす飼い主と犬へのメリット、そしてトレーニングをいつから始めるべきか(子犬・成犬)について解説します。
正しい知識を身につけ、焦らず根気強く向き合うことで、必ず成功へと導くことができます。
トイレトレーニングの重要性
トイレトレーニングとは、犬が決まった場所で排泄するように教えることです。
これができていないと、部屋のあちこちで粗相をしてしまい、その都度掃除や臭い対策に追われることになります。
「またここで失敗しちゃった…」と、気持ちが落ち込むこともありますよね。
しかし、トイレのしつけは、単に部屋を清潔に保つだけでなく、犬との信頼関係を築き、お互いがストレスなく暮らすために不可欠なステップなのです。
しつけを通じて、飼い主さんがリーダーであることを示し、犬に安心感を与えることにも繋がります。

カーペットでの粗相、掃除が大変で…

大丈夫ですよ。正しい方法で根気強く続ければ、きっと覚えることができます。
トイレのしつけを諦めずに取り組むことは、犬と飼い主さん双方にとって、より良い関係性を築くための第一歩となります。
成功がもたらす飼い主と犬へのメリット
トイレトレーニングの成功は、飼い主さんと犬の双方に大きなメリットをもたらします。
飼い主さんにとっては、部屋の汚れや臭いの心配がなくなり、掃除の手間や精神的なストレスから解放されることが一番大きいでしょう。
粗相の後始末に時間や労力を奪われなくなるため、犬と遊んだり、スキンシップをとったりする時間に充てることができます。
犬にとっても、決まった場所で安心して排泄できることは、精神的な安定につながります。
失敗して飼い主さんに叱られないかという不安を感じる必要がなくなり、リラックスして過ごせるようになります。
「ここでトイレをすれば褒めるてもらえる」という成功体験は、犬の自信を育み、学習意欲を高めることにも繋がるでしょう。
トイレのしつけを通じて、飼い主さんとの間に確かな信頼関係が築かれ、より快適で幸せな毎日を送れるようになります。
子犬と成犬 いつから始めるべきか
トイレトレーニングは、いつから始めるのが効果的なのでしょうか。
子犬の場合、理想的なのは家に迎えたその日からです。
生後2〜3ヶ月頃の子犬は、好奇心旺盛で吸収が早い社会化期にあたります。
この時期に始めたしつけはスムーズに進みやすい傾向があります。
新しい環境に慣れさせながら、同時にトイレの場所を教えることで、早い段階で正しい排泄習慣を身につけることが期待できます。
一方、成犬から犬を迎え入れた場合や、これまでトイレのしつけがうまくいっていなかった場合でも、諦める必要は全くありません。
「もう大人だから覚えられないのでは?」と心配になるかもしれませんが、成犬でも根気強く、正しい方法で繰り返し教えることで、トイレを覚えることは十分に可能です。
子犬に比べて時間はかかるかもしれませんが、その犬のペースに合わせて、焦らずステップを踏んでいきましょう。
大切なのは、いつから始めるかよりも、根気を持って向き合うことです。
犬がトイレを覚えない主な原因と対策
- トイレ失敗によくある原因 特定
- 環境面のチェックポイント トイレの場所、トレー、シート
- 犬の気持ち ストレスや不安のサインの見極め
- やってはいけない間違った教え方とその影響
- 粗相後の正しい掃除方法と臭い消しのコツ
愛犬がなかなかトイレを覚えてくれない時、根本的な原因を見つけることが、しつけ成功への第一歩です。
なぜ愛犬がトイレを失敗してしまうのか、トイレ失敗によくある原因から、トイレの場所やトレー、シートといった環境面、犬の気持ち(ストレスや不安)、そして飼い主さんの教え方や粗相後の掃除方法まで、様々な角度から原因を探り、具体的な対策を見ていきます。
原因を特定し、一つずつ改善していくことで、必ずトイレの失敗は減らせます。
トイレ失敗によくある原因 特定
愛犬がトイレを失敗してしまう背景には、いくつかの典型的な原因が隠れていることが多いです。
例えば、トイレの場所が落ち着かない、トイレシートが汚れている、体調が優れない、飼い主さんの注意を引きたい、あるいはトイレトレーニングの方法自体が適切でないことなどが挙げられます。
まずは、愛犬の状況と照らし合わせながら、考えられる原因をリストアップしてみましょう。
チェック項目 | 詳細 |
---|---|
トイレ環境の問題 | 場所が落ち着かない、トレーが小さい、シートが汚れている |
健康上の問題 | 病気、加齢による機能低下、排泄機能の異常 |
精神的な問題 | ストレス、不安、寂しさ、興奮 |
しつけ・学習の問題 | トイレの場所を認識していない、間違った学習をしている |
飼い主さんの関心を引くため | 粗相をすると構ってもらえると学習している |
マーキング行動 | 縄張り意識、性的な成熟 |

うちの子、急に失敗するようになったんだけど…?

体調の変化や環境の変化、ストレスなどが原因かもしれません。まずは愛犬の様子を注意深く観察し、続くようなら獣医師さんに相談しましょう
複数の原因が複雑に絡み合っているケースも少なくありません。
そのため、多角的な視点で原因を探ることが解決への近道となります。
環境面のチェックポイント トイレの場所、トレー、シート
犬が安心して気持ちよく排泄できる快適なトイレ環境を整備することは、トイレトレーニングを成功させるための基本中の基本といえます。
特に、トイレの設置場所は人通りが少なく静かで落ち着けるか、トイレトレーの大きさは犬の体格に適しているか(一般的に体の1.5倍以上のスペースが理想)、トイレシートは常に清潔な状態が保たれているか、これら最低でも3つのポイントを重点的に確認し、改善する必要があります。
チェックポイント | 確認事項と改善策 |
---|---|
トイレの場所 | 人通りが多い場所、騒がしい場所、ドアの近く、寝床や食事場所のすぐ隣は避ける。静かで落ち着ける隅などが理想 |
トイレトレーの形状 | 体の大きさに合わせ、中で回転できるくらいの余裕があるサイズを選ぶ。子犬や老犬には段差の低いものがおすすめ。はみ出し防止には壁付きタイプも有効 |
トイレトレーの清潔 | こまめに掃除し、臭いが残らないようにする。犬はきれい好きなので、汚れたトレーを嫌う |
トイレシートの素材 | 吸収性、消臭性などを考慮して選ぶ。犬がシートをいたずらする場合はメッシュ付きトレーや、いたずら防止加工のシートを試す |
トイレシートの清潔 | 最低でも1日1回は交換する。汚れたらその都度交換するのが理想。濡れたシートの上での排泄を嫌がる犬も多い |
犬は非常にきれい好きな動物であり、少しでもトイレ環境に不快な点があると、そこで排泄することをためらったり、別の場所で粗相をしてしまったりする原因となります。
犬の気持ち ストレスや不安のサインの見極め
トイレの失敗は、単なるしつけの問題ではなく、犬が発している何らかのサインである可能性も考えられます。
特に、引っ越しや家族構成の変化といった環境の変化、留守番時間の増加、飼い主さんとのコミュニケーション不足などによって引き起こされるストレスや不安が、粗相の原因となっているケースは少なくありません。
例えば、体を小刻みに震わせる、食欲が落ちる、家具の後ろなどに隠れる、要求がないのに過剰に吠える、体の一部をしきりに舐め続けるといった行動は、犬がストレスを感じているサインと考えられます。
普段と比べて変わった様子が見られないか、日頃から愛犬の行動や仕草を注意深く観察することが重要です。
ストレス・不安のサイン例 | 考えられる原因 |
---|---|
体を震わせる、隠れる | 雷や花火などの大きな音、知らない人や犬への恐怖、環境の変化による不安 |
食欲不振、元気がない | 体調不良、精神的な落ち込み、寂しさ |
過剰に吠える、唸る | 要求、警戒、不安、興奮 |
体をしきりに舐める、噛む | 皮膚の異常、アレルギー、精神的なストレス、退屈 |
破壊行動、いたずら | 退屈、エネルギーの発散不足、分離不安 |
トイレ以外の場所での粗相(特に頻発) | 環境変化への不安、留守番への寂しさ、飼い主への不満、マーキング(精神的な要因が関わる場合もある) |
愛犬が示すサインに気づき、その気持ちに寄り添いながら、ストレスや不安の原因となっている要素を特定し、可能な限り取り除いてあげることが、トイレ問題の根本的な解決につながる場合もあります。
やってはいけない間違った教え方とその影響
トイレトレーニングにおいて、飼い主さんが良かれと思って行っている行動が、実は逆効果となり、しつけを困難にしているケースがあります。
特に、失敗に対して感情的に叱る、罰を与えるといった対応は、絶対に避けなければならない間違った教え方です。
具体的には、粗相した場所に犬の鼻をこすりつける、大きな声で怒鳴る、ケージやサークルに長時間閉じ込めるといった罰を与える行為は、犬に強い恐怖心や不安感を与え、「排泄すること自体が悪いことなのだ」と誤って学習させてしまう可能性があります。
その結果、飼い主さんの見ていないところで隠れて粗相をするようになったり、排泄を我慢して健康を害したり、最悪の場合、飼い主さんに対する信頼感を失ってしまうことにも繋がりかねません。
やってはいけない教え方 | 犬への影響 |
---|---|
粗相した後に叱る(特に時間が経ってから) | なぜ叱られているのか理解できず、混乱や不安を感じる。排泄行為自体を悪いことと学習する可能性がある |
大声で怒鳴る、叩くなどの体罰 | 恐怖心を与え、飼い主への信頼を失う。隠れて粗相するようになる、排泄を我慢するなどの問題行動につながる |
粗相した場所に鼻をこすりつける | 犬にとって屈辱的であり、恐怖や混乱を招くだけで効果はない。むしろ衛生面で問題がある |
トイレシーツやトレーで遊んでも放置する | トイレを遊び場所と認識してしまい、本来の目的で使わなくなる |
トイレの場所やシートを頻繁に変える | 犬が混乱し、トイレの場所を覚えにくくなる |
成功しても褒めない、または褒め方が足りない | 何が良い行動なのか理解できず、学習意欲が低下する |
一貫性のない対応(叱る時と叱らない時があるなど) | 犬が混乱し、ルールを理解しにくくなる |

うちの子、叱るとビクビクするだけで全然覚えない…

叱るしつけは逆効果になることが多いです。失敗は黙って片付け、成功した時に思いっきり褒める「陽性強化」を取り入れてみましょう
間違った教え方は、トイレトレーニングの進行を妨げるだけでなく、愛犬との大切な信頼関係をも損なう可能性があります。
正しい知識に基づいた、愛情と根気のあるアプローチが不可欠です。
粗相後の正しい掃除方法と臭い消しのコツ
万が一、愛犬がトイレ以外の場所で粗相をしてしまった場合、その後の掃除と臭い消しの方法が、同じ場所での失敗を繰り返させないために非常に重要となります。
犬は嗅覚が非常に優れており、わずかでも排泄物の臭いが残っていると、そこを再びトイレの場所だと認識してしまう可能性があるからです。
中途半端な掃除では、根本的な解決にはなりません。
粗相を発見したら、まずティッシュペーパーやペットシーツなどで、できる限り水分や固形物を丁寧に取り除きます。
カーペットなどの場合は、上から叩くようにして吸い取ると良いでしょう。
その後、ペット用に開発された消臭・除菌効果のあるスプレー(アンモニア臭に効果的な酵素系やバイオ系の製品がおすすめです)を、汚れた箇所とその周辺を含めて広範囲にたっぷりと吹きかけます。
スプレー後、製品の指示に従ってしばらく時間を置き、成分が浸透してから乾いた布やティッシュでしっかりと拭き取ります。
この際、元の汚れがあった範囲の少なくとも2倍程度の広さにスプレーすることが、臭いを確実に消すためのコツです。
掃除と消臭のステップ | ポイントと注意点 |
---|---|
1. 汚物の除去 | ティッシュやペーパータオルで、こすらずに吸い取るように除去する。固形物はつまんで取り除く |
2. 水拭き(必要に応じて) | 頑固な汚れの場合、水で薄めた中性洗剤などを使って拭く(素材への影響を確認してから)。ただし、アンモニア臭が残ることがあるので消臭剤は必須 |
3. 消臭・除菌スプレーの塗布 | ペット用の消臭・除菌スプレー(酵素系、バイオ系推奨)を汚れた箇所と周辺にたっぷりとスプレーする。人間用の消臭剤や洗剤は犬に有害な場合があるため避ける |
4. 時間を置く | スプレーの成分が臭いの元を分解するまで、製品の指示に従って時間を置く |
5. 拭き取り・乾燥 | 乾いた布やペーパータオルでしっかりと拭き取る。必要であれば、ドライヤーなどで乾燥させる |
粗相した場所の臭いを徹底的に消し去ることで、「ここはトイレではない」ということを犬に根気強く教え、正しいトイレの場所へと導くことができます。
適切な掃除と消臭は、トイレトレーニングの成功に欠かせない要素の一つです。
初心者向け 犬のトイレしつけ完全ステップ
- 事前準備 必要なトイレグッズ一覧(サークル、トレー、シートなど)
- 犬が安心できるトイレの場所選びのポイント
- 見逃さないで!トイレサインのタイミングと合図
- スムーズなトイレへの誘導方法と声かけ
- 効果絶大!成功体験を覚えさせる褒め方とおやつ(ご褒美)
- 絶対に「叱らない」しつけの重要性と失敗時の対応
- 覚えさせると便利なコマンド「ワンツー」「シーシー」の教え方
- トイレトレーニングにかかる期間の目安
愛犬のトイレしつけを成功させるためには、正しい手順を理解し、段階的に進めることが重要です。
まず必要なグッズを揃え、犬が安心できるトイレの場所を選定します。
次に、排泄のトイレサインを見逃さず、適切な声かけでトイレへスムーズに誘導しましょう。
そして、トイレが成功したら効果的な褒め方で成功体験を覚えさせることが大切です。
万が一失敗しても絶対に叱らずに対応し、覚えさせると便利なコマンドも活用してみてください。
最後に、トイレトレーニングにかかる期間の目安も知っておくと、焦らず取り組めます。
ご紹介するステップを一つずつ丁寧に実践することで、初心者の方でも確実に愛犬のトイレトレーニングを進めることができます。
事前準備 必要なトイレグッズ一覧(サークル、トレー、シートなど)
トイレトレーニングを始めるにあたり、まずは必要なグッズを揃えて、スムーズなスタートを切ることが大切です。
最初に基本的なアイテムを準備しておけば、後から慌てて買い足す手間も省け、効率的にしつけを進めることが可能です。
最低限、以下の7点は用意しておきましょう。
グッズ名 | 説明 |
---|---|
サークル・ケージ | 行動範囲を制限し、落ち着ける空間を作る。トイレトレーニング初期に有効 |
トイレトレー | 犬の体より一回り大きいサイズ。メッシュ付きはシートのいたずら防止に |
ペットシーツ | 吸収性の高いものを選び、こまめに交換する |
ご褒美用おやつ | 成功した時にすぐ与えられる、犬が好きな小さいおやつ |
消臭・掃除用品 | 粗相時の臭いを完全に消す、ペットに安全なスプレーやシート |
リード | トイレへの誘導時に使用することもある |
おもちゃ | トイレシートで遊び始めた時の気をそらすアイテム |

どんなものを準備すればいいのかな?

まずは基本となるこれらのグッズを揃えましょう!
これらのトイレグッズを事前にしっかりと準備することで、しつけの効率が格段に向上し、飼い主さんも落ち着いてトレーニングに臨めます。
犬が安心できるトイレの場所選びのポイント
犬にとってトイレは非常に無防備になる場所です。
そのため、犬が心から安心して排泄できる環境を整えてあげることが、トイレのしつけにおいて非常に重要になります。
寝床や食事スペースから離れた、静かで落ち着ける場所を選んであげてください。
具体的には、リビングの隅や廊下の奥など、人の出入りが少なく騒がしくないスペースが理想的です。
寝床からは最低でも1メートル以上は離して設置しましょう。
ポイント | 具体例 |
---|---|
寝床・食事場所から離す | 犬は清潔好き。生活空間とトイレを明確に分ける |
静かで落ち着ける場所 | 人通りが少なく、物音がしにくいリビングの隅などが適す |
飼い主さんの目が届きやすい | 失敗時やシート交換時にすぐ対応できる |
一度決めたら動かさない | 犬が混乱しないよう、場所を固定する |
犬がリラックスして排泄できる最適な場所を見つけることが、トイレトレーニングを成功させるための大切な第一歩となるのです。
見逃さないで!トイレサインのタイミングと合図
トイレサインとは、犬が「トイレに行きたい」と飼い主さんに示している行動や仕草のことです。
このサインを見逃さないことが、トイレトレーニングの成功率を上げる鍵となります。
一般的に、犬は特定のタイミングでトイレに行きたがります。
それは主に、寝起き、食後、水を飲んだ後、遊んだ後の4つのタイミングです。
トイレに行きたくなると、床の臭いを熱心に嗅ぎ回る、ソワソワと落ち着きなく歩き回る、その場でくるくると回転する、といった3つの特徴的な合図(サイン)を見せることが多くあります。

うちの子、どんな時にトイレに行きたがるんだろう?

日頃から愛犬の様子をよく観察すれば、きっと特徴的なサインに気づけますよ!
これらのトイレサインやタイミングをしっかりと見極めて、適切な声かけと共にトイレへ誘導することが、室内での粗相(失敗)を防ぐための非常に重要なコツです。
スムーズなトイレへの誘導方法と声かけ
愛犬のトイレサイン(合図)に気づいたら、慌てずに優しくトイレへ誘導することを心がけましょう。
これがスムーズなトイレトレーニングのコツです。
無理やりリードで引っ張ったり、急いで抱きかかえて連れて行ったりするのは避けてください。
犬が驚いたり、トイレに行くこと自体を嫌がったりする原因になりかねません。
「トイレ行こうか」「シーシーしようね」など、穏やかで優しい声かけをしながら、犬自身の足でトイレのある場所へ向かうように促しましょう。
なかなか動かない場合は、お気に入りのおもちゃやおやつを使って気を引き、トイレの方へ導くのも有効な方法です。

なかなかトイレに行ってくれない時はどうすればいい?

おやつやおもちゃで気を引きながら、優しく声をかけてみてください。
焦らず、穏やかな態度で誘導することを繰り返し行うことで、犬はトイレに行くことをポジティブに認識し、自ら進んでトイレへ向かうようになっていきます。
効果絶大!成功体験を覚えさせる褒め方とおやつ(ご褒美)
犬にトイレの場所を覚えてもらう上で、「決められたトイレで排泄すると、とても良いことがある」と学習させることが、何よりも効果絶大な方法です。
この成功体験こそが、トイレトレーニングを加速させる原動力となります。
愛犬がトイレトレーの上で上手に排泄できたら、排泄が終わった直後、できれば3秒以内に、「わぁ、すごいね!」「とっても上手!」など、普段より少し高めの楽しそうな声で、最大限に褒めることが重要です。
同時に、犬が特別に好きなおやつ(ご褒美)をほんの少し与えると、喜びがさらに増幅され、「トイレで排泄する=嬉しいことが起こる」という認識が強く結びつきます。

ちゃんとできたら、どうやって褒めたらいい?

タイミングを逃さず、大げさなくらい褒めて、喜びを体全体で伝えてあげてくださいね!
この褒めることとおやつ(ご褒美)によるポジティブな成功体験の積み重ねが、犬のトイレトレーニングをスムーズに進め、早期に成功へと導く確実なステップです。
絶対に「叱らない」しつけの重要性と失敗時の対応
犬のトイレトレーニングにおいて、飼い主さんが心に刻むべき最も重要なことは、失敗(粗相)しても絶対に叱らないことです。
もし犬がトイレ以外の場所で粗相をしてしまっているのを発見しても、感情的に大声を出したり、ましてや叩いたり、鼻を粗相した場所にこすりつけたりするような罰は、百害あって一利なしです。
そのような対応は、犬に「排泄すること自体が悪いことなんだ」と誤った学習をさせてしまい、結果として飼い主さんの見ていないところで隠れて粗相をするようになったり、飼い主さんへの信頼を失わせる大きな原因となります。
失敗した際の正しい対応は、叱らないで黙って静かに、そして迅速に片付けること。
その際、ペット用の消臭剤を使って臭いを徹底的に消すことが非常に重要です。
臭いが残っていると、同じ場所で繰り返してしまう可能性があります。
対応 | NG行動例 | 正しい対応例 |
---|---|---|
発見時 | 大声を出す、騒ぐ | 叱らない、黙って静かに対応する |
犬への接し方 | 叩く、鼻をこすりつける、罰を与える | 無視する(注目しない) |
後片付け | 水拭きだけ、人間の芳香剤を使う | 迅速に拭き取り、ペット用消臭剤で完全に臭いを消す |

粗相しちゃった…ついカッとなっちゃいそう…

深呼吸して、落ち着いて。叱らずに片付けることが大切ですよ。
どんなに失敗が続いても、叱らないで見守り続ける根気強い姿勢こそが、犬との良好な信頼関係を維持し、前向きなトイレのしつけを促す基盤となります。
覚えさせると便利なコマンド「ワンツー」「シーシー」の教え方
コマンドとは、特定の行動を犬に促すための合図となる言葉やジェスチャーのことです。
「ワンツー」や「シーシー」といったトイレのコマンドを覚えさせると、散歩中や外出先など、特定のタイミングでスムーズに排泄を促せるようになるため、非常に便利です。
このコマンドを教える方法はシンプルです。
まず、「ワンツー」「シーシー」「トイレ」など、家族間で統一した短く覚えやすい言葉を一つ決めます。
そして、犬がトイレで排泄を始めたタイミングで、その決めたコマンドを毎回優しく、穏やかな声でかけ続けます。
これを根気強く繰り返し行うことで、犬は「この言葉が聞こえると排泄するんだ」とそのコマンドと排泄行為を結びつけて学習し、覚えるようになります。
教える際のポイント | 説明 |
---|---|
言葉を統一する | 家族全員が同じコマンドを使うことが重要 |
タイミングが重要 | 排泄を「始めた時」にかけるのが効果的 |
優しい声でかける | プレッシャーを与えず、リラックスした状態で排泄できるようにする |
根気よく繰り返す | 一度で覚えるわけではないので、繰り返しが成功の鍵 |

コマンドって本当に覚えてくれるのかな?

大丈夫です!根気強く続ければ、きっと覚えてくれますよ。
すぐに結果が出なくても焦らず、繰り返しトレーニングを行うことで、コマンドひとつで上手に排泄してくれるようになり、飼い主さんの負担も軽減されます。
トイレトレーニングにかかる期間の目安
犬のトイレトレーニングが完了するまでにかかる期間は、一概には言えません。
犬種、子犬か成犬かといった年齢、元々の性格や学習能力、そして飼い主さんのしつけの方法や環境など、様々な要因によって大きく左右されるからです。
あくまで一般的な目安ですが、早い子であれば数週間でトイレを覚えることもありますが、数ヶ月かかるケースも決して珍しくはありません。
中には、半年以上、あるいは1年近くかかる犬もいます。
ここで最も大切なのは、他の犬と自分の愛犬を比較して焦ったり、「うちの子はできないのでは」と落ち込んだりしないことです。

うちの子はいつになったら覚えるんだろう…?なかなか進まなくて不安になってきた…

焦る必要は全くありませんよ。愛犬の個性とペースに合わせて、じっくりと取り組みましょう。
トイレトレーニングは、まさに根気と愛情が試されるしつけです。
時間がかかったとしても、飼い主さんが諦めずに根気強く、一貫性を持って向き合い続ければ、必ず成功する日がやってきます。
その日を信じて、愛犬とのペースを大切に進めていきましょう。
根気強く続けて成功へ!トイレしつけの心構え
- 留守番中の粗相対策 サークルやケージの活用法
- トイレシートでの遊びや いたずらへの対処
- トイレからはみ出す場合の具体的な直し方
- 困ったマーキング行動への対応策
- どうしてもできない時に頼れる相談先
- 成功の鍵 根気と繰り返し続けるマインドセット
トイレのしつけで最も大切なのは、諦めずに続ける強い気持ちです。
ここでは、多くの飼い主さんが直面する留守番中の粗相、トイレシートでのいたずら、トイレからのはみ出し、マーキング行動といった困りごとへの具体的な対処法や、どうしても上手くいかない時の相談先、そして成功のための心構えについて解説します。
愛犬との快適な生活のために、一つずつ課題を乗り越えていきましょう。
留守番中の粗相対策 サークルやケージの活用法
飼い主さんがいない間の粗相(そそう)は、犬の不安や寂しさが原因であることが多いです。
対策として、サークルやケージを安心できる空間にすることが効果的です。
出かける30分前には中に入れ、おやつやおもちゃを与えて慣れさせると良いでしょう。

留守番中にケージに入れるのは、かわいそうな気がする…

狭い場所が苦手でなければ、むしろ自分だけの安心空間になりますよ
留守番前には必ずトイレに誘導し、排泄させてから出かける習慣をつけることも、失敗を防ぐための重要なポイントとなります。
トイレシートでの遊びや いたずらへの対処
トイレシートを噛んだり破いたりするいたずらは、子犬によく見られる行動です。
退屈しのぎや好奇心から行うことが多いですが、誤飲の危険もあるため、早めの対策が大切です。
約7割の子犬が何らかの形でシートへのいたずらを経験するとも言われています。
いたずら防止対策 | 具体的な方法 |
---|---|
メッシュ付きトイレトレーの使用 | シートを物理的にカバーして、直接触れなくする |
噛むおもちゃを与える | シート以外の噛んでも良い対象に興味を向けさせる |
シートの固定 | トレーのクリップや別売りの固定具でしっかり留める |
無視する | いたずらしても構わない姿勢を見せる(誤飲には注意) |
いたずらを見つけても騒がず、黙って片付け、代わりのおもちゃを与えるなど、根気強く対応することが求められます。
トイレからはみ出す場合の具体的な直し方
トイレのはみ出しは、トレーのサイズが合っていない、またはトイレの場所を正確に認識できていない可能性があります。
まず、犬がトレーの上で最低1回はくるっと回れるくらいの大きさがあるか確認しましょう。
現在のトレーが小さい場合は、一回り大きいサイズへの変更を検討します。
トイレトレーの周りにもペットシーツを広めに敷き、成功体験を積み重ねながら徐々に範囲を狭めていく方法も有効な直し方です。
困ったマーキング行動への対応策
マーキングとは、主にオス犬が縄張りを示すために行う、少量の尿をかける行動を指します。
未去勢のオス犬に多く見られますが、メス犬や去勢済みのオス犬でも、ストレスや不安、他の犬の存在などが原因で行うことがあります。
室内でのマーキングは約3割の未去勢オス犬で見られるという報告もあります。

去勢すればマーキングは絶対になくなる?

完全になくなるとは限りませんが、多くの場合で軽減・改善が期待できます
マーキングされた場所は、臭いが残らないように専用の消臭剤で徹底的に掃除することが重要です。
去勢手術や、ストレスの原因を取り除く環境改善も検討することが望ましいです。
どうしてもできない時に頼れる相談先
色々試してもトイレのしつけがうまくいかず、「できない」と悩んでしまうこともあります。
一人で抱え込まず、専門家の力を借りることも大切です。
例えば、動物病院では病気の可能性を、ドッグトレーナーは具体的なトレーニング方法を相談できます。
相談先 | 相談できる内容 | 費用の目安(初回相談) |
---|---|---|
動物病院 | 病気や身体的な問題が原因でないかの診断、健康相談 | 3,000円~10,000円 |
ドッグトレーナー | 個別のしつけ相談、出張・オンラインレッスン、問題行動改善 | 5,000円~15,000円 |
しつけ教室 | グループレッスン、他の犬との社会化、基本的なしつけ | 3,000円~8,000円 |
専門家は多くのケースを見てきているため、あなたの愛犬に合った解決策を見つけてくれるはずです。
成功の鍵 根気と繰り返し続けるマインドセット
トイレしつけの成功に最も必要なのは、テクニック以上に飼い主さんの心構え(マインドセット)です。
犬は一度で完璧に覚えるわけではありません。
平均して数週間から数ヶ月はかかると言われています。
焦らず、根気強く、毎日繰り返し教えることが重要になります。

なかなか成功しなくて、心が折れそう…

大丈夫ですよ。小さな成功を見つけて、たくさん褒めてあげましょう。その積み重ねが大切です
失敗しても決して叱らず、「次はできるよ」という気持ちで、愛情を持って向き合い続けることで、必ず愛犬は応えてくれます。
よくある質問(FAQ)
- Q子犬のトイレトレーニングは、具体的にいつから始めるのが最適ですか?
- A
子犬を新しいお家に迎えたその日から、トイレトレーニングを始めるのが理想的です。
特に生後3ヶ月くらいまでの社会化期は吸収が早いので、この時期に教えることでスムーズに進むことが多いです。
焦らず、子犬のペースに合わせて根気強く教えてあげましょう。
- Q成犬からでもトイレのしつけはできますか?なかなか覚えてくれません…
- A
はい、成犬からでもトイレのしつけは十分に可能です。
子犬に比べて時間はかかることもありますが、正しい方法で繰り返し教えることで、犬はきちんと覚えます。
大切なのは、失敗しても決して叱らないこと、そしてトイレで成功した際には大げさなくらい褒めることです。
根気強く続けることが成功のコツになります。
- Qいつも同じカーペットの上で粗相をしてしまうのですが、原因は何でしょうか?
- A
同じ場所で繰り返し粗相をしてしまう場合、その場所に排泄物の臭いが残っている可能性が高いと考えられます。
犬は嗅覚が非常に優れているため、わずかな臭いでもそこをトイレの場所だと認識してしまうのです。
ペット用の消臭剤を使用し、粗相した場所の臭いを完全に消すための掃除を徹底することが大切です。
- Qトイレトレーを選ぶ際のコツはありますか?おすすめのグッズがあれば知りたいです。
- A
トイレトレーは、愛犬が中でくるっと回転できるくらいの余裕がある、少し大きめのサイズを選ぶのが基本のコツです。
体がすっぽり収まるサイズが良いでしょう。
もし愛犬がペットシーツを噛んだりして遊んでしまう場合は、メッシュカバーが付いているタイプのトレーがおすすめです。
適切なグッズ選びも、トイレトレーニング成功への大切なステップとなります。
- Qトイレのコマンド(合図)を覚えさせる効果的な方法はありますか?
- A
「ワンツー」や「シーシー」といったトイレのコマンドを教えるには、タイミングが重要です。
愛犬がトイレで排泄を始めた瞬間に、決めたコマンドを優しい声で繰り返し聞かせましょう。
そして、排泄が成功したらすぐにたくさん褒めてご褒美をあげることで、「コマンド=排泄=嬉しいこと」と犬が認識し、効果的に覚えるようになります。
- Q留守番させると必ずと言っていいほど粗相をします。サークルやケージは使うべきですか?
- A
留守番中の粗相には、犬の不安や寂しさが原因であることも多いです。
対策として、サークルやケージを「安心できる自分の場所」だと犬に認識させる方法が有効です。
中にお気に入りのおもちゃやおやつを入れて慣れさせ、留守番の時も落ち着ける環境を作りましょう。
出かける前にトイレへ誘導することも、失敗を防ぐための重要なポイントです。
まとめ
この記事では、犬のトイレしつけがうまくいかない原因の特定から、初心者でも実践できる具体的なトレーニングの方法、成功のコツ、そして絶対に「叱らない」ことの重要性までを詳しく解説しました。
子犬から成犬まで、どんな状況でも諦めずに取り組める内容です。
この記事のポイントは以下の通りです。
- トイレ失敗の主な原因(環境、ストレス、教え方など)と具体的な対策
- 初心者でも実践できる、正しいトイレトレーニングのステップと成功のコツ
- 絶対に守るべき「叱らない」「根気強く褒める」しつけの心構え
- 留守番中の粗相やマーキングなど、よくある悩みへの具体的な対処法
愛犬がトイレを覚えるには時間と根気が必要ですが、この記事で紹介した方法とコツを参考に、今日から実践してみましょう。
正しい知識と愛情を持って向き合えば、必ず成功に繋がります。
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