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浄水型ウォーターサーバーフィルター徹底解説|性能・除去物質・交換コストなど

ウォーターサーバー

浄水型ウォーターサーバー選びでは、フィルター性能の理解が最も重要です。

水道水をろ過して安全でおいしい水を作るフィルターの種類や性能、交換の必要性について、基本的な知識から詳しく解説します。

フィルターの種類が多くて、どれが本当に安全なのか分からない…PFASとかも気になるし

フィルターの仕組みや除去できる物質、JISやJWPAといった基準を知れば、安心して選べますよ

  1. 浄水型ウォーターサーバーにおけるフィルターの基本
    1. 安全な水のためのフィルターの重要性
    2. フィルターが除去する主な水道水の不純物
    3. フィルター性能を評価する際のチェックポイント
    4. フィルター交換が必要な理由と適切な頻度
    5. 後悔しないフィルター選びのための基礎知識
  2. 主要フィルター技術と浄水基準の解説
    1. 一般的なフィルター素材 活性炭の特徴と役割
    2. 一般的なフィルター素材 中空糸膜(UF膜)の特徴と役割
    3. 高性能フィルター素材 RO膜(逆浸透膜)の特徴と役割
    4. その他の注目フィルター技術 ナノトラップフィルターなど
    5. 複数のろ材を組み合わせた多段階ろ過システム
    6. 知っておきたい日本の浄水基準 JIS S 3201
    7. 業界基準 浄水器協会(JWPA)自主規格とは
    8. 近年注目されるPFAS除去とJWPA基準の関連性
    9. 「除去物質数」の多さだけで選ばない注意点
  3. 利用シーン別・最適なフィルターの選び方
    1. 除去したい物質(PFAS・塩素・鉛など)からの選択
    2. 家庭での水の使用量とフィルター処理能力の適合性
    3. フィルター交換の推奨頻度と実際の交換作業の手間
    4. 月額料金に含まれるフィルター費用と総コストの比較
    5. フィルターによる水の味の違い ミネラル保持か純水か
    6. フィルター交換忘れ防止 交換通知やサポート体制の確認
    7. フィルターメンテナンス方法 自分で交換か業者対応か
  4. よくある質問(FAQ)
  5. まとめ

浄水型ウォーターサーバーにおけるフィルターの基本

浄水型ウォーターサーバーを選ぶ上で、フィルター性能の理解が最も重要です。

この章では、水道水を安全で美味しくするためのフィルターの重要性、水道水に含まれフィルターによって除去される主な不純物性能を評価する際のチェックポイントフィルター交換が必要な理由と適切な頻度、そして後悔しないフィルター選びのための基礎知識について、順を追って解説していきます。

フィルターの基本を押さえることで、ご自身のニーズにぴったり合ったウォーターサーバーを選べるようになります。

安全な水のためのフィルターの重要性

浄水型ウォーターサーバーに内蔵されているフィルターは、ご家庭の水道水をろ過し、安全で美味しい飲料水を作り出すための心臓部と言える部品です。

ボトル交換型のウォーターサーバーとは異なり、蛇口から供給される水の品質は、搭載されているフィルターの性能に100%依存します。

重たい水ボトルの交換や保管場所が不要になる点は大きなメリットですが、フィルターが浄水能力をしっかりと発揮しなければ、その利便性も安全性も十分に活かすことができません。

フィルターの性能が低いと、どうなるのですか?

水道水に含まれる塩素や微細な不純物を十分に取り除けず、水の味や安全性が損なわれる可能性があります

だからこそ、フィルターがどのような役割を果たし、なぜ重要なのかを正しく理解することが、最適な浄水型ウォーターサーバーを選ぶための第一歩となるのです。

フィルターが除去する主な水道水の不純物

フィルターは、目には見えない水道水の中に含まれている可能性のある、様々な不純物を除去する役割を担っています。

除去が期待される主な不純物としては、水道水の消毒に使われる遊離残留塩素(カルキ臭の原因となります)、水道管のサビなどの濁り、消毒の過程で生成される可能性のある総トリハロメタン(健康への影響が懸念される物質)、古い鉛管から溶け出す恐れのある溶解性鉛、農薬の一種であるCAT、水源の状況によって発生する2-MIB(カビ臭)などが挙げられます。

さらに近年では、環境中に広く存在し分解されにくいとされるPFAS(有機フッ素化合物)の除去性能も、フィルター選びの重要な要素として注目されています。

これらの物質をどの程度除去できるかはフィルターの種類や性能によって異なりますので、ご自身が気になる不純物に対応したフィルターを選ぶことが、安全で美味しい水を毎日飲むためには欠かせません。

フィルター性能を評価する際のチェックポイント

浄水型ウォーターサーバーのフィルター性能を正しく評価するためには、いくつかの重要なチェックポイントを理解しておく必要があります。

まず確認したいのは「除去対象物質」の種類と数です。

どのような不純物を取り除けるのかが明記されていますが、同時にそれが「どの基準(JIS規格やJWPA自主規格など公的な基準)に基づいて試験・認証されているか」を確認することが非常に重要です。

次に、そのフィルターがどれくらいの量の水を浄化できる能力があるかを示す「総ろ過水量」と、フィルター交換が必要になるまでの期間の目安「交換時期の目安(寿命)」も、使い勝手やランニングコストに関わる大切な指標となります。

除去できる物質の数が多ければ多いほど、高性能と考えて良いのでしょうか?

必ずしもそうとは限りません。数だけでなく、ご自身が特に気になる物質(塩素、鉛、PFASなど)が、信頼できる基準に基づいて除去されているかを確認することがより重要です

除去性能の基準、ろ過能力、フィルター寿命、そしてフィルター自体の価格や交換費用を含めたトータルコスト。

これらのポイントを総合的に比較検討することで、ご自身のライフスタイルや求める水質に本当に合った性能のフィルターを見極めることができます。

フィルター交換が必要な理由と適切な頻度

浄水型ウォーターサーバーのフィルターは消耗品であり、安全で美味しい水を維持するためには定期的な交換が不可欠です。

フィルターを使い続けると、ろ過する過程で除去した水道水中の塩素や微粒子、その他の不純物がフィルター内部に徐々に蓄積していきます。

これにより、フィルターの微細な孔が塞がれたり、吸着能力が飽和状態になったりして、浄水能力(ろ過性能)が低下してしまいます。

性能が低下したフィルターをそのまま使用し続けると、不純物を十分に除去できなくなるだけでなく、水の味が悪くなったり、嫌な臭いが発生したり、さらにはフィルターが目詰まりを起こして水の出が悪くなるなどのトラブルにつながる可能性もあります。

多くの浄水型ウォーターサーバーでは、6ヶ月程度でのフィルター交換が推奨されていますが、これはあくまで目安であり、フィルターの種類や総ろ過水量、ご家庭での水の使用量によって適切な交換頻度は異なります。

メーカーが推奨する交換時期や交換サイン(ランプ点灯など)に従って、忘れずにフィルターカートリッジを交換することが、常に衛生的で美味しい水を安心して利用するために非常に重要です。

後悔しないフィルター選びのための基礎知識

これまで解説してきたポイントを踏まえ、浄水型ウォーターサーバーのフィルター選びで後悔しないためには、ご自身の優先順位を明確にすることが何よりも重要です。

まず、「除去したい物質」は何でしょうか。

単に水道水のカルキ臭が気になるのか、それとも鉛やトリハロメタン、あるいは近年関心が高まっているPFAS(有機フッ素化合物)のような特定の化学物質の除去を重視するのかによって、選ぶべきフィルターの種類や性能が変わってきます。

次に、「1日にどれくらいの浄水を使用するか」を想定しましょう。

これはフィルターの「総ろ過水量」「交換頻度」と密接に関係し、ランニングコストにも影響します。

さらに、「フィルター交換の手間やコスト」はどの程度まで許容できるか、そして「水の味の好み」(ミネラル分を残した自然な味わいが良いか、限りなく純水に近いスッキリした味が良いか)も考慮すべき点です。

考えることが多くて、何を一番重視すればいいか迷ってしまいます…

まずは「安全性」、特にご自身が気になる物質をしっかり除去できる性能があるかを最優先に考え、次に「月々のコスト」や「フィルター交換の手間」とのバランスを見ていくのがおすすめです

これらの点を事前に整理し、ご自身のライフスタイルや価値観に照らし合わせて優先順位をつけることで、数多くの浄水型ウォーターサーバーとそのフィルターの中から、本当に納得できる最適な一台を選ぶための大きな助けとなります。

主要フィルター技術と浄水基準の解説

浄水型ウォーターサーバーを選ぶ際に、フィルターの種類と性能を理解することが、安全で美味しい水を得るために最も重要です。

フィルターがどのような仕組みで水をきれいにし、どのくらいの性能を持っているかを知ることで、ご自身のニーズに合った最適な一台を見つける手助けになります。

これから、活性炭中空糸膜(UF膜)RO膜(逆浸透膜)といった主要なフィルター技術の仕組みと特徴、さらにナノトラップフィルターなどの新しい技術、複数のフィルターを組み合わせた多段階ろ過システムについて詳しく見ていきます。

加えて、浄水性能の信頼性を担保する日本の浄水基準(JIS S 3201)業界基準(JWPA自主規格)、近年注目されるPFAS除去との関連性、そして「除去物質数」の表示に関する注意点についても解説します。

これらの知識を身につけることで、各製品のフィルター性能を正しく比較検討できるようになるでしょう。

一般的なフィルター素材 活性炭の特徴と役割

活性炭フィルターは、ヤシ殻や石炭などを高温で処理して作られた炭素素材で、内部に無数の微細な孔を持つことが特徴です。

この広大な表面積に、水中の不純物を吸着させることで水を浄化します。

多くの浄水型ウォーターサーバーで採用されており、水道水に含まれる遊離残留塩素(カルキ臭の原因)やカビ臭(2-MIB)、トリハロメタン、農薬(CAT)といった有機化合物の除去に効果を発揮します。

例えば、ハミングウォーターの「flows」やウォータースタンドの「ネオセンスフィルター」など、多くの製品で主要なろ材の一つとして利用されています。

ただし、活性炭単体ではミネラル分や塩類、重金属(特殊処理されていない場合)、微細な細菌やウイルスを除去することは難しい側面もあります。

そのため、他のフィルター素材と組み合わせて使用されることが一般的です。

活性炭だけだとミネラルはどうなるの?

活性炭は基本的にミネラル分は除去せず、水の美味しさに関わる部分は残してくれます

活性炭フィルターは、味や臭いを改善する上で重要な役割を担いますが、吸着能力には限界があるため、製品ごとに定められた期間でのフィルター交換が必要です。

一般的なフィルター素材 中空糸膜(UF膜)の特徴と役割

中空糸膜(ちゅうくうしまく)フィルターは、ポリエチレンなどの素材で作られた、ストロー状の極細繊維を束ねた構造をしています。

繊維の壁面には目に見えないほどの微細な孔(一般的に0.01~0.1マイクロメートル)が無数に開いており、この孔より大きな粒子を物理的に捕捉することで水をろ過します。

UF膜(Ultrafiltration Membrane)とも呼ばれます。

このフィルターは、水道水中の濁りの原因となる微粒子や、水道管から出る可能性のある赤錆、一般細菌、カビ、クリプトスポリジウムのような原虫類などを除去する能力に優れています。

その高いろ過性能から、医療分野の人工透析などでも応用される技術です。

ハミングウォーターの「flows」やクリクラ Feel Freeの「putio」などで、活性炭フィルターと組み合わせて採用されています。

一方で、水に溶け込んでいるミネラル分や塩素、化学物質、ウイルスなどを単独で取り除くことはできません。

細菌も除去できるのは安心だけど、ウイルスはどうなの?

中空糸膜の孔より小さいウイルスは除去が難しいため、他の技術との組み合わせが重要になります

中空糸膜フィルターは、水の安全性を高める上で効果的な役割を果たしますが、除去できる物質には限りがある点を理解しておくことが大切です。

高性能フィルター素材 RO膜(逆浸透膜)の特徴と役割

RO膜(Reverse Osmosis Membrane)は、逆浸透膜とも呼ばれ、水分子は通しますが、水に溶け込んでいる不純物まで含めて、水分子以外のほとんどすべての物質を通さない極めて高性能なフィルターです。

約0.0001マイクロメートルという超微細な孔を持つ半透膜に圧力をかけることで、純粋な水分子だけを取り出します。

RO膜は、現在実用化されている浄水技術の中で最も高い除去性能を持ちます。

塩素や有機化合物はもちろん、一般細菌やウイルス、鉛・水銀・カドミウムといった重金属類、硝酸性窒素、さらには放射性物質(ヨウ素、セシウムなど)まで、溶解性イオンを含めて除去することが可能です。

海水から真水を作る淡水化プラントでも利用されている技術です。

ピュレストやOCEANといったウォーターサーバーの特定モデルや、一部のウォータースタンドの機種で採用されています。

ただし、除去性能が高い反面、水に含まれるミネラル分まで除去してしまうため、純水(ピュアウォーター)に近い水になります。

また、ろ過プロセスで除去した不純物を含む濃縮水(棄水)が発生し、ろ過スピードが比較的遅いという特徴もあります。

ミネラルまで無くなっちゃうのは少し気になるな…

RO膜の水は非常にクリアな味ですが、ミネラル感を求める方には他のフィルターが向いていることもあります

RO膜フィルターは、最高レベルの安全性を求める場合に最適な選択肢ですが、ミネラル除去や設置条件(機種による)を考慮する必要があります。

その他の注目フィルター技術 ナノトラップフィルターなど

活性炭、中空糸膜、RO膜以外にも、特定の浄水性能を持つ注目すべきフィルター技術が存在します。

その代表例がナノトラップフィルターです。

ウォータースタンド(Coway社製)の一部のモデル(例: 「Icon」「PureLife」)で採用されているこのフィルターは、ナノアルミナ繊維などを使用し、静電気力(ゼータ電位)を利用して水中の微細な浮遊物質、粒子性の重金属、バクテリア、そしてウイルスなどを吸着除去する点が特徴です。

物理的な孔の大きさだけでなく、電気的な力で捕捉するため、比較的小さな汚染物質にも効果を発揮します。

重要な点として、この技術は水中のミネラル分は除去せずに保持するため、水の自然な味わいを損ないにくいメリットがあります。

他にも、比較的大粒のゴミやサビを取り除き、後段のフィルターを保護する目的で使われる不織布フィルターや、特定の溶解イオン(鉛など)を選択的に吸着するイオン交換樹脂、細菌や濁りを物理的に捉えるセラミックフィルターなど、多様な素材が用途に応じて利用されています。

静電気でウイルスを吸着するって、なんかすごい!

電気的な力で除去するユニークな仕組みで、ミネラルを残しつつ安全性を高める技術です

これらのフィルター技術は、単独で使われることよりも、後述する多段階ろ過システムの一部として組み込まれることで、それぞれの長所を活かし、総合的な浄水能力を高める役割を担っています。

複数のろ材を組み合わせた多段階ろ過システム

現在市場に出回っている多くの浄水型ウォーターサーバーでは、単一のフィルター素材だけでなく、複数の異なる種類のフィルター(ろ材)を段階的に組み合わせた多段階ろ過システムを採用しています。

このシステムの最大の利点は、各フィルターが得意とする除去対象物質が異なるため、組み合わせることでより広範囲の不純物に対応し、総合的な浄水能力を高められる点です。

例えば、最初に不織布フィルターで大きなゴミやサビを除去し、次に活性炭フィルターで塩素や臭い、有機化合物を吸着、さらに中空糸膜フィルターで細菌や濁りを取り除く、といった組み合わせが一般的です。

これにより、一つのフィルターだけでは除去しきれない様々な種類の汚染物質を効果的に減らすことができます。

また、前段のフィルターが比較的大きな粒子を捕捉することで、後段にあるより目の細かい高性能フィルター(中空糸膜やRO膜など)の目詰まりを防ぎ、フィルター全体の寿命を延ばす効果も期待できます。

エブリィフレシャスの5層構造フィルターや、ウォータースタンドのナノトラップシステム(3段階フィルター)、クリクラ Feel Freeの「putio」(3層フィルター)などが、この多段階ろ過システムの例です。

フィルターがたくさん入っている方が安心なのかな?

各フィルターの役割分担で、より確実に多くの種類の不純物を除去できるのが多段階ろ過の強みです

多段階ろ過システムは、現代の浄水技術においてスタンダードなアプローチであり、安全で美味しい水を提供するための重要な要素となっています。

知っておきたい日本の浄水基準 JIS S 3201

浄水型ウォーターサーバーや浄水器の性能を確認する上で重要なのが、日本の公的な試験規格です。

その代表的なものがJIS S 3201(家庭用浄水器試験方法)です。

これは、家庭で使用される浄水器について、特定の除去対象物質に対する試験方法と、除去性能の基準(多くの場合、除去率80%以上)を定めた日本産業規格(JIS)です。

この規格に基づいて試験を行い、基準を満たしていることを表示することで、消費者は製品の基本的な浄水性能を客観的に判断できます。

JIS S 3201で定められている除去対象物質には、遊離残留塩素(カルキ)、濁り、総トリハロメタン(クロロホルムなど4物質)、溶解性鉛、CAT(農薬の一種)、2-MIB(カビ臭)、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンなどが含まれます。

対象となる物質数は、規格の改定に伴って変化しており、過去には12物質や13物質でしたが、現在よく参照される「JIS S 3201:2019」では、より多くの物質が対象となっています(しばしば「JIS規格17物質除去」などと表現されます)。

JISマークが付いていれば、ひとまず安心と考えていい?

JIS S 3201適合は、基本的な有害物質の除去性能が保証されている証と考えて良いでしょう

製品を選ぶ際には、JIS S 3201で規定されたどの物質を除去できるのか、その除去能力を確認することが、安全な水を選ぶための第一歩となります。

業界基準 浄水器協会(JWPA)自主規格とは

JIS S 3201に加えて、浄水器の性能を示すもう一つの重要な基準が、一般社団法人浄水器協会(JWPA)が独自に定めた自主規格基準(JWPAS Bなど)です。

この自主規格は、JIS S 3201の対象となっていないものの、消費者の関心が高い物質や、日本の水質に関連する可能性のある物質について、浄水器の除去性能を評価するための試験方法や基準を定めたものです。

JIS規格を補完する役割を果たしています。

JWPA自主規格の対象となっている主な物質には、鉄(微粒子状および溶解性)、アルミニウム(中性)、マンガン、フェノール類、ジェオスミン(カビ臭の一種)、ベンゼン、四塩化炭素といった化学物質などがあります。

そして特に近年、このJWPA自主規格が注目されている理由の一つが、PFAS(有機フッ素化合物)のうち、PFOS(ピーフォス)およびPFOA(ピーフォア)を対象物質に含めている点です。

JISだけじゃなく、JWPAもチェックした方が良いってこと?

特にPFASなど、JIS規格外で気になる物質がある場合は、JWPA自主規格への適合も重要な判断材料になります

メーカーが製品の除去性能として「JWPA規格適合」や「浄水器協会自主規格基準に基づき試験」などと表示している場合、JIS規格だけではカバーしきれない物質への対応力を示していると言えます。

近年注目されるPFAS除去とJWPA基準の関連性

近年、新聞やニュースでPFAS(ピーファス:有機フッ素化合物の総称)による環境汚染や健康への影響に関する報道が増え、水道水に含まれる可能性のあるPFASに対する消費者の不安が高まっています。

これに伴い、浄水型ウォーターサーバーや浄水器によるPFAS除去への関心が急速に高まりました。

重要なのは、PFASは現在のところ日本の水道水質基準(水道法に基づく)の必須項目ではなく、JIS S 3201の除去対象物質にも含まれていないという点です。

そこで、浄水器業界では、消費者のニーズに応えるため、浄水器協会(JWPA)が定めた自主規格(JWPAS B.210 試験方法に関する規格)に準拠した試験を行い、PFAS(主にPFOSとPFOA)の除去性能を確認・表示しています。

多くのウォーターサーバーメーカー(例: エブリィフレシャス、ウォータースタンド、Locca、クリクラ、ハミングウォーターなど)が、PFAS除去能力をアピールする際には、このJWPA自主規格に基づいた試験結果であることを明記するのが一般的です。

例えば、「JWPAの定める試験方法にて、PFOS及びPFOA除去率80%以上を確認」といった表示が見られます。

このことは、公的な規制が追い付いていない新たな汚染物質に対して、業界団体が自主的に基準を設けて技術的な信頼性を担保している状況を示しています。

PFAS除去って書いてあれば、どれでも大丈夫?

「PFAS除去」だけでなく、JWPA基準での試験結果が明記されているかを確認することが大切です

PFAS除去に関心がある場合は、製品説明でJWPA自主規格への言及があるか、具体的な除去率や試験条件(総ろ過水量など)が示されているかを確認することが、信頼できる製品を選ぶ上で非常に重要です。

「除去物質数」の多さだけで選ばない注意点

浄水型ウォーターサーバーの広告や製品説明で、「除去物質〇〇項目!」といったアピールを目にすることがよくあります。

一見すると、この数字が大きいほど高性能で安心できるように感じますが、単純な除去物質の「数」だけで製品の良し悪しを判断するのは注意が必要です。

メーカーが表示する除去物質リストは、多くの場合、JIS S 3201で定められた物質、JWPA自主規格で定められた物質、そして場合によってはメーカーが独自に行った試験で除去を確認した物質などを合算した総数で示されています。

そのため、リストの中には、日本の水道水では通常ほとんど検出されないような物質や、健康への影響が比較的小さいとされる物質が含まれている可能性もあります。

本当に重要なのは、除去物質の総数よりも、ご自身が除去したいと考えている主要な有害物質(例えば、塩素、トリハロメタン、鉛、そしてPFASなど)が、信頼できる基準(JIS S 3201やJWPA自主規格)に基づいて確実に除去されているかどうかです。

例えば、JISとJWPAの基準で主要な21物質を除去できる製品と、基準が不明瞭な物質を多数含めて46物質除去を謳う製品では、前者のほうが実質的な安全性は高い可能性も考えられます。

じゃあ、除去物質数はどう見ればいいの?

総数に惑わされず、JISやJWPAの基準で認証された主要な物質がリストに含まれているかを重視しましょう

宣伝されている除去物質の「数」は参考情報の一つとしつつ、必ずその内訳、特にJIS S 3201やJWPA自主規格の対象となっている物質が含まれているか、そしてPFASなど特定の懸念物質への対応状況を確認することが、賢明なフィルター選びにつながります。

利用シーン別・最適なフィルターの選び方

浄水型ウォーターサーバーを選ぶ際、自身の懸念やニーズを明確にすることが、最適なフィルター選びの出発点です。

除去したい物質の種類、家庭での水の使用量とフィルターの処理能力のバランス、フィルター交換の推奨頻度と実際の交換作業の手間、月額料金に含まれるフィルター費用と総コスト、フィルターによる水の味の違いフィルター交換忘れを防ぐサポート体制、そしてフィルターのメンテナンス方法といった具体的な視点から、あなたに合ったフィルターを見つけるためのポイントを解説していきます。

これらの要素を総合的に比較検討することで、ご自身のライフスタイルに最適な浄水型ウォーターサーバーのフィルターを見つけられます。

除去したい物質(PFAS・塩素・鉛など)からの選択

水道水に含まれる可能性のある物質のうち、何を除去したいかによって選ぶべきフィルターは異なります。

例えば、近年特に懸念されているPFAS(有機フッ素化合物)の除去を最優先事項とするなら、浄水器協会(JWPA)の自主規格(JWPAS B.210)に基づいた試験で性能が確認されている製品を選ぶことが重要です。

エブリィフレシャスやウォータースタンド、LoccaなどがPFAS除去への対応を明記しています。

塩素のカルキ臭やカビ臭、鉛やトリハロメタンといった一般的な懸念物質については、多くの機種がJIS規格(JIS S 3201)に適合したフィルターを搭載しています。

やっぱりPFASが一番気になるけど、どのメーカーが良いのかな?

PFAS除去なら、JWPA基準適合を明記しているメーカーを選びましょう!

まずはご自身や家族が最も気になる物質は何かを特定し、それに対応する除去性能を持つフィルターを備えたウォーターサーバーを絞り込むことが大切になります。

家庭での水の使用量とフィルター処理能力の適合性

総ろ過水量とは、フィルターが一定の浄水性能を維持できる期間内に処理できる水の総量を指します。

この総ろ過水量と推奨交換頻度から、1日あたりに使える浄水の目安量がわかります。

例えば、4人家族で飲用や料理に毎日合計10L程度の水を使う場合、総ろ過水量が720Lで交換頻度6ヶ月のフィルター(例:クリクラ putio、1日あたり約4L相当)では、処理能力がやや不足する可能性が出てきます。

一方で、ウォータースタンド Icon(総ろ過水量1,800L/交換頻度6ヶ月)なら、1日あたり約10Lの浄水を利用できる計算です。

※ ハミングウォーター、エブリィフレシャスは総ろ過水量が非明記または複数情報ありのため目安

うちは3人家族だけど、料理にも結構水を使うから、どれくらい必要か見当がつかない…

家族構成と飲用・料理などの用途から1日の使用量を想定し、余裕を持った処理能力のフィルターを選びましょう

家庭での水の使用実態を把握して、フィルターの総ろ過水量や1日あたりの処理能力がご自身のライフスタイルに合っているかを確認することが重要となります。

フィルター交換の推奨頻度と実際の交換作業の手間

フィルターの性能を維持するためには、メーカーが推奨する頻度での交換が必要です。

多くの機種では6ヶ月ごとの交換が一般的ですが、Locca Smartのように12ヶ月、エブリィフレシャスのように7.5ヶ月と、モデルによって交換サイクルは異なります。

実際の交換作業については、現在主流の水道水補充型サーバーの多くが、利用者自身で簡単に行えるように設計されています。

多くの場合、古いフィルターカートリッジを軽く回して取り外し、新しいものを差し込んで回すだけで、工具不要で数分程度で完了します。

フィルター交換って、自分でできるか不安だな…

ほとんどの機種は特別な工具も不要で、ご自身で簡単に交換できますよ

推奨される交換頻度を守ってフィルターの浄水性能を保つことが基本ですが、交換作業の手間も考慮に入れて、ご自身にとって負担の少ないモデルを選ぶようにしましょう。

月額料金に含まれるフィルター費用と総コストの比較

浄水型ウォーターサーバーの多くは、月額レンタル料金の中に交換用フィルターの費用が含まれています。

例えば、Locca littaは月額2,580円(税込)、エブリィフレシャス tallは月額3,300円(税込)で、それぞれ定期的に交換用フィルターが送られてきます。

これにより、毎月のコストが把握しやすい利点があります。

ただし、クリクラのようにレンタル料とは別に「あんしんサポートパック(月額460円・税込)」への加入が必須で、その中にフィルター代やメンテナンス費用が含まれるケースもあります。

月額料金以外に、初期費用(事務手数料など)や毎月の電気代も考慮する必要があります。

※電気代は機種や使用状況により変動します。

最新の料金は各メーカーの公式サイトでご確認ください

月額料金以外にも、結局いくらかかるんだろう?

月額料金にフィルター代が含まれるか、初期費用や電気代も考慮して総コストで比較しましょう

表示されている月額料金だけでなく、初期費用、毎月の電気代、料金に含まれるサービス内容(フィルターの種類や交換頻度、サポート体制など)を総合的に確認し、トータルコストで判断することが重要です。

フィルターによる水の味の違い ミネラル保持か純水か

フィルターの種類によって、ろ過後の水の味は変わります。

活性炭や中空糸膜フィルター(例:ハミングウォーター、クリクラ putio)は、水道水に含まれる塩素や濁りなどを除去しつつ、水本来のミネラル分はそのまま残します

このため、ろ過された水は「まろやか」「自然な味わい」「クリア」といった印象になることが多いようです。

一方で、RO膜(逆浸透膜)フィルター(例:ピュレストのROモデル、ウォータースタンドの一部ROモデル)は、水分子以外の不純物を徹底的に除去するため、ミネラル分も取り除かれます。

これにより、限りなく純粋に近い水が得られますが、人によっては「味がしない」「平坦な味」と感じることもあります。

フィルターで味が変わるって聞くけど、どっちが良いんだろう?

自然な味わいが好きならミネラル保持型、純粋さを求めるならRO膜がおすすめです

水の味の好みは人それぞれです。

ミネラル分が残る自然な味わいを好むか、徹底的に不純物が除去された純粋な水を好むかによって、選ぶべきフィルタータイプが変わってきます。

可能であればショールームなどで試飲してみるのも良い選択方法です。

フィルター交換忘れ防止 交換通知やサポート体制の確認

フィルターは適切な時期に交換しないと、浄水能力が低下したり、衛生面での問題が生じたりする可能性があります。

交換忘れを防ぐために、多くのメーカーがサポート体制を用意しています。

最も一般的なのは、交換時期が近づくと新しいフィルターカートリッジが自動的に配送されるサービスです(例:エブリィフレシャス、ハミングウォーター、Locca、クリクラなど)。

これにより、利用者は交換時期を意識しなくても、手元に新しいフィルターがある状態を保てます。

また、ウォータースタンドやピュレストの一部機種のように、サーバー本体に交換時期を知らせるランプや表示機能が搭載されているものもあります。

忙しいと交換時期を忘れちゃいそう…

フィルターの定期配送や、本体のお知らせ機能があるメーカーを選ぶと安心ですよ

ついうっかり交換時期を過ぎてしまうことを防ぐためにも、フィルターの自動配送サービスや交換時期の通知機能など、ご自身のライフスタイルに合ったサポート体制が整っているかを確認しましょう。

フィルターメンテナンス方法 自分で交換か業者対応か

浄水型ウォーターサーバーのフィルターメンテナンスは、主に「利用者自身で行うセルフメンテナンス」と「専門業者による訪問メンテナンス」の2種類に分けられます。

現在主流となっている水道水補充型のサーバー(例:エブリィフレシャス、ハミングウォーター、Loccaなど)では、利用者自身がフィルターを交換する方式がほとんどです。

前述の通り、交換作業は非常に簡単に行えるように設計されています。

一方、クリクラの「あんしんサポートパック」のように、年に1度、専門スタッフが訪問してサーバー本体ごと交換してくれるサービスもあります。

この場合、利用者はフィルター交換の手間が一切かかりません。

また、水道直結型サーバーの一部では、定期的な業者によるメンテナンスが必要となる場合があります。

自分で交換するのと、業者さんに来てもらうの、どっちが良いの?

手軽さ重視なら自分で交換タイプ、安心感や手間削減を優先するなら業者対応のサービスを選びましょう

フィルター交換をご自身で行うことに抵抗がないか、あるいは専門業者に任せて安心感を得たいかによって、選ぶべきサービスやモデルは変わってきます。

ご自身の性格やライフスタイル、メンテナンスにかけられる手間などを考慮して選択しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q
フィルターの交換目安より早く、水の味が変わった気がします。交換した方が良いですか?
A

はい、推奨される交換時期の前であっても、水の味や臭いに変化を感じた場合は、フィルターの浄水能力が低下している可能性があります。

そのまま使い続けると衛生面でも心配です。

早めに新しいフィルターカートリッジに交換することをおすすめします。

Q
フィルターの交換費用は、月額料金の他に発生しますか?
A

多くの浄水型ウォーターサーバーでは、月額レンタル料金の中に、定期的に交換が必要なフィルターの価格が含まれています。

ただし、契約プランや機種によっては、追加でフィルターを購入する必要がある場合や、サポート費用が別途かかるケースもあります。

契約前に、フィルターの費用が月額料金に含まれているか、総コストをしっかり確認することが大切です。

Q
使い終わった浄水フィルターカートリッジは、どうやって処分すれば良いのですか?
A

使用済みのフィルターカートリッジの処分方法は、お住まいの自治体のルールによって異なります。

多くの場合はプラスチックごみや不燃ごみとして扱われるのが一般的です。

しかし、素材によっては分別が必要なこともあります。

メーカーによっては回収サービスを行っている場合もありますので、取扱説明書やお住まいの自治体の指示に従って正しく処分しましょう。

Q
フィルター交換のランプがまだ点灯していませんが、交換時期の目安は過ぎています。交換すべきでしょうか?
A

はい、交換ランプや交換サインが点灯していなくても、メーカーが推奨するフィルターの交換時期が過ぎている場合は、交換することをおすすめします。

フィルターの浄水能力は徐々に低下するため、交換目安を守ることが、常に安全でおいしい水を飲むための基本となります。

Q
フィルターのセルフメンテナンスで、特に注意すべき点はありますか?
A

フィルター交換作業を行う前には、必ず手を清潔に洗ってください。

フィルターの接続部分に水漏れがないか、交換後にしっかり確認することも重要です。

また、フィルター本体を洗剤などで洗浄することは、性能低下や破損の原因になるため避けるべきです。

取扱説明書に記載された交換方法を守り、衛生面に配慮して作業を行いましょう。

Q
「フィルター交換が不要」という浄水型ウォーターサーバーはありますか?
A

基本的に、浄水機能を持つウォーターサーバーは、安全な水質を維持するためにフィルター交換が必須です。

フィルターは消耗品であり、交換しないと浄水能力が低下し衛生面でも問題が生じます。

「交換不要」と謳われる場合、フィルター以外の方式(例:水道直結で内部洗浄機能があるなど)や、長寿命フィルターを指している可能性はあります。

しかし、必ず定期的なメンテナンスやフィルター交換は必要になります。

メリットだけでなくデメリットも理解することが重要です。

まとめ

この記事では、浄水型ウォーターサーバーのフィルターについて、種類、性能、基準、選び方を詳しく解説しました。

安全でおいしい水を手軽に利用するために、フィルターの性能(特に除去できる物質とその基準)を正しく理解することが最も重要です。

この記事で得た知識をもとに、ご自身の優先順位を再確認し、各メーカーの最新情報を比較検討して、毎日の暮らしに最適な浄水型ウォーターサーバーを見つけてください。

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