ウォーターサーバー硬度比較｜軟水・硬水の選び方とおすすめも解説

ウォーターサーバーを選ぶ上で「水の硬度」は、味や健康、日々の料理の仕上がりまで左右する非常に重要な比較ポイントです。

この記事では、水の硬度とは何か、軟水と硬水の違いといった基本から、さまざまなウォーターサーバーの硬度比較、そしてあなたやご家族（特に赤ちゃん）に最適なウォーターサーバーを見つけるための選び方まで、詳しく解説していきます。

• 水の硬度とは？軟水と硬水の基本的な違い
• 人気ウォーターサーバーの硬度比較と選び方のポイント
• 赤ちゃんのミルクや毎日の料理に適した水の硬度
• 硬水や軟水が健康や美容に与える影響と注意点

ウォーターサーバーの水の硬度とは？

ウォーターサーバーを選ぶ際、デザインや料金も気になりますが、お水の「硬度」こそが、味わいや体への影響、さらにはお料理の仕上がりまで左右する重要なポイントです。

まずは、この「硬度」という言葉の基本からご説明しますね。

このセクションでは、ウォーターサーバー選びの第一歩として、水の硬度とは何か、そして硬水と軟水にはどのような違いがあるのかを詳しく見ていきましょう。

水の硬度の定義と測定方法

水の「硬度」とは、お水1リットル中に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を、炭酸カルシウムの量に換算して示した数値（mg/L）のことです。

この数値によって、お水が「軟水」や「硬水」に分類されるのです。

私たちがウォーターサーバーを選ぶ際、硬度を自分で測るわけではありません。

メーカーが公表している製品情報に記載された「〇〇mg/L」という具体的な数値を確認することが、実質的な硬度の確認方法となります。

例えば、日本の水道水の硬度は全国平均で約50mg/Lであり、そのほとんどが軟水に分類されます。

分類	WHO基準 (mg/L)	日本の一般的な基準 (mg/L)	その他参考基準 (mg/L)
軟水 (Soft Water)	0～120未満	0～100未満	0～60未満
中硬水 (Medium-Hard Water)	－	100～300未満	60～120未満
硬水 (Hard Water)	120以上	300以上	120～180未満
非常な硬水 (Very Hard Water)	－	－	180以上

*出典: WHO飲料水水質ガイドライン等。

日本の基準は目安で、情報源により差異あり*

このように、硬度の分類基準は複数存在するため、単に「軟水」「硬水」という言葉だけでなく、具体的な数値を把握することが大切です。

そうすることで、異なる製品間でも客観的に水の性質を比べられます。

硬水と軟水の違い

硬水と軟水の最大の違いは、お水に含まれるミネラルの量ですが、それ以外にも味わいや普段の生活での使い勝手に様々な特徴が見られます。

例えば、硬水はカルシウムやマグネシウムといったミネラルを多く含むためしっかりとした飲みごたえがあり、軟水はミネラル量が少ないためクセがなくまろやかな口当たりが特徴です。

日本の水道水の多く（硬度約50mg/L前後）が軟水であるため、私たち日本人は軟水の味わいに慣れ親しんでいると言えます。

特徴	硬水 (Hard Water)	軟水 (Soft Water)
ミネラル量	多い (カルシウム、マグネシウム)	少ない
味わい	コク、苦味、重め	まろやか、さっぱり、クセがない
石鹸の泡立ち	悪い	良い
和食・お茶	風味を損なうことあり	適している
洋食	肉料理、パスタ等に適	全般的に使用可
肌・髪への影響	ゴワつき、突っ張り感が出やすい	しっとり、さっぱり
胃腸への負担	慣れないとお腹がゆるくなることも	負担が少ない
水アカの発生	しやすい	しにくい

硬度が高いほど、硬水の特徴が顕著になる傾向があります

これらの違いを理解しておくと、ご自身のライフスタイルや目的に合わせて、より適したウォーターサーバーの水を選ぶことができます。

特に、お料理への影響やご家族の健康を考える上で、この知識はとても役立ちます。

水の硬度別ウォーターサーバーの特徴

水の硬度によって、ウォーターサーバーから得られる体験は異なります。

硬水（日本市場では主に中硬水）と軟水、それぞれのウォーターサーバーが持つ特徴や利点を理解することが、自分に合った水を選ぶ上でとても大切になります。

これらの違いを知ることで、あなたの生活スタイルや好みに最適なウォーターサーバーを見つける手助けとなるでしょう。

硬水の特徴と利点

「硬水」とは、水中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多い水を指しますが、日本のウォーターサーバー市場で提供されるものの多くは、WHOの基準では硬水の下限程度、日本の一般的な分類では「中硬水」にあたる硬度の水が中心です。

硬水（中硬水）のウォーターサーバーを選ぶ主な利点として、日常生活でカルシウムやマグネシウムといったミネラルを手軽に補給できる点が挙げられます。

例えば、運動でミネラルを失いやすい方や、日頃の食生活でミネラル不足を感じている方にとって、水分補給と同時に栄養補給ができるのは嬉しいポイントです。

また、硬水に含まれるマグネシウムには、お通じを促す効果が期待されることもあります。

日本のウォーターサーバーで提供される硬水は、ヨーロッパ産ミネラルウォーターのような極めて硬度の高いものとは異なり、比較的飲みやすい硬度のものがほとんどです。

それでも、普段軟水に慣れている方が飲むとお腹がゆるくなることもありますので、ご自身の体質に合わせて少量から試してみることをおすすめします。

軟水の特徴と利点

「軟水」は、ミネラルの含有量が少ない水のことです。

日本の水道水の大部分が軟水であるため、多くの日本人にとって口当たりが良く、馴染み深い水であることが最大の特徴と言えるでしょう。

軟水のウォーターサーバーは、クセがなくまろやかな味わいで、そのまま飲むのはもちろん、ご飯をふっくらと炊き上げたり、お茶やコーヒーの繊細な風味を引き出したりするのに適しています。

日本の家庭料理との相性が抜群で、素材の味を活かしたい場合に重宝します。

軟水は胃腸への負担が少なく、消化器官が未発達な赤ちゃんや小さなお子さん、ご高齢の方まで、家族みんなが安心して利用できる点が大きなメリットです。

特に赤ちゃんのミルクの調乳には、ミネラルの過剰摂取を避けるために軟水の使用が推奨されています。

また、肌や髪にも優しく、ウォーターサーバーの選択肢も豊富なので、多くの方にとって失敗の少ない、安心感のある選択となるでしょう。

人気ウォーターサーバーで水の硬度を比較

実際にウォーターサーバーを選ぶ際には、各メーカーがどのような硬度の水を提供しているのかを把握し、自身のニーズに合った硬度の水を比較検討することがとても大切です。

水の種類や採水地によって硬度は異なり、それが味わいや使い勝手に影響します。

ここでは、日本の主要なウォーターサーバーメーカーが提供する水の硬度情報を一覧でご紹介し、さらに硬度別にどのような選択肢があるのかを見ていきましょう。

主要メーカーの硬度一覧

日本のウォーターサーバー市場では、多くのメーカーが天然水やRO水（逆浸透膜でろ過した水）を提供しており、その硬度は採水地や処理方法によって大きく異なります。

同じメーカーであっても、複数の採水地の水を選べるケースがあり、それぞれ硬度が異なるため、詳細な確認が欠かせません。

例えば、プレミアムウォーターは硬度25mg/Lの富士吉田の天然水から硬度83mg/Lの金城の天然水まで、フレシャスも硬度20mg/Lの木曽から硬度83-85mg/Lの朝霧高原までと、幅広い選択肢があります。

メーカー	水の名称・ブランド	主な採水地	硬度 (mg/L)	水の種類
コスモウォーター	天然水コスモウォーター	静岡	53	天然水
		京都	30	天然水
		大分	62	天然水
プレミアムウォーター	富士吉田の天然水	富士吉田	25	天然水
	北アルプスの天然水	北アルプス	29	天然水
	金城の天然水	金城	83	天然水
	南阿蘇の天然水	南阿蘇	36	天然水
	朝来の天然水	朝来	45	天然水
フレシャス	フレシャス富士	富士山	21-24 ※1	天然水
	フレシャス朝霧高原	朝霧高原	83-85 ※2	天然水
	フレシャス木曽	木曽	20	天然水
ウォーターワン	ウォーターワン富士山	富士山	25	天然水
	ウォーターワン南阿蘇	南阿蘇	36	天然水
	ウォーターワン島根	島根	90	天然水
	ウォーターワン沖縄	沖縄	<10	天然水
サントリー天然水ウォーターサーバー	南アルプスの天然水	南アルプス	約30	天然水
信濃湧水	信濃湧水	北アルプス爺ヶ岳	16	天然水
うるのん	富士の天然水さらり	富士宮	29	天然水
アクアクララ	ウォーターボトル	－ (RO水)	29.7	RO水
クリクラ	クリクラボトル	－ (RO水)	30	RO水
オーケンウォーター	京都丹波の銘水	京都丹波	30-31 ※3	天然水
	富士山の銘水	富士山麓静岡	50-68 ※4	天然水
	大分天領の銘水	大分日田	36-62 ※5	天然水

※1 8:21mg/L, 14:22mg/L, 15:24mg/L (出典元による数値の差異)

※2 8:85mg/L, 14:83mg/L (出典元による数値の差異)

※3 8:31mg/L, 13:30mg/L (出典元による数値の差異)

※4 8:50mg/L, 13:68mg/L (出典元による数値の差異)

※5 8:36mg/L, 13:61mg/L (コスモウォーター大分採水地として), 15:62mg/L (出典元による数値の差異)

(出典: 記事の方針記載の各社公表情報、および参考資料 4, 8, 12, 13, 14, 15に基づく)

この一覧から、多くのメーカーが複数の採水地を持ち、軟水から中硬水まで幅広い硬度の選択肢を提供していることが分かります。

アクアクララやクリクラのようなRO水メーカーは、ミネラル調整により約30mg/Lという安定した低い硬度の水を提供します。

注目すべきは、日本のウォーターサーバーで提供される水の硬度上限がおおむね90mg/L程度である点です。

ヨーロッパのミネラルウォーター（例：エビアン約304mg/L）のような高硬度の水は、現在の日本のウォーターサーバーラインナップにはほとんど見当たりません。

硬度別おすすめウォーターサーバー

上記の硬度一覧を基に、ここでは水の硬度別にウォーターサーバーを分類し、それぞれの特徴とおすすめの利用シーンをご紹介します。

分類は日本の一般的な基準（軟水：100mg/L未満、中硬水：100～300mg/L未満）を参考にしつつ、より細かく超軟水、軟水、中硬水（日本のウォーターサーバーにおける上限に近い範囲）に分けて解説いたします。

それぞれの硬度帯において、代表的な製品名と具体的な硬度(mg/L)、そしてどのような使い方に適しているかをまとめました。

硬度カテゴリー & 目安	おすすめの利用シーン	代表的なウォーターサーバー例 (ブランド & 水の名称)	硬度 (mg/L)
超軟水 (Very Soft) <30mg/L	赤ちゃんのミルク、繊細な和食・お茶、非常にマイルドな味が好みの方	信濃湧水 (信濃湧水)	16
		フレシャス木曽 (フレシャス)	20
		フレシャス富士 (フレシャス)	21-24
		プレミアムウォーター富士吉田 (プレミアムウォーター)	25
		ウォーターワン沖縄 (ウォーターワン)	<10
軟水 (Soft) 30−60mg/L	日常的な飲用、一般的な料理、家族みんなで	コスモウォーター京都 (コスモウォーター)	30
		サントリー南アルプスの天然水 (サントリー天然水ウォーターサーバー)	約30
		プレミアムウォーター南阿蘇 (プレミアムウォーター)	36
		アクアクララ (ウォーターボトル) (RO)	29.7
中硬水 (Medium-Hard) 60−100mg/L	ミネラル補給を意識したい、しっかりした味わいが好み、便秘気味の方	コスモウォーター大分 (コスモウォーター)	62
		プレミアムウォーター金城 (プレミアムウォーター)	83
		フレシャス朝霧高原 (フレシャス)	83-85
		ウォーターワン島根 (ウォーターワン)	90
		オーケンウォーター富士山の銘水 (オーケンウォーター)	68 (静岡採水)

これらの分類やおすすめは、あくまで一般的な目安です。

水の味わいの好みや体質には個人差があるため、最適な硬度は人それぞれ異なります。

気になるウォーターサーバーがある場合は、可能であれば試飲などを通じて、ご自身に合うかどうかを確認することが最も確実な方法と言えます。

水の硬度が体に与える影響

水の硬度は、味わいだけでなく私たちの体に様々な影響を与える可能性があります。

健康を意識して水を選ぶ方にとっては、水のミネラルバランスが体にどう作用するのかを理解することがとても大切です。

硬水と軟水、それぞれが私たちの健康にどのような影響をもたらすのか、以下の表で主なポイントを比べてみましょう。

影響項目	硬水の影響	軟水の影響
ミネラル補給	カルシウム・マグネシウム補給に期待	ほとんど期待できない
消化器系への影響	慣れないと下痢の可能性、便秘改善に期待できる場合も	胃腸に優しい
腎臓への負担	過剰摂取や体質により注意が必要な場合あり	負担が少ない
心血管系	ミネラルによる好影響の可能性が示唆される	特に悪影響なし
赤ちゃん・お年寄り	推奨されない	適している
肌・髪	ゴワつきやすい傾向	やさしい
老廃物排出	特に言及なし	促進を期待できる

このように、硬度によって体への作用は異なります。

ご自身の体質やライフスタイルに合わせて選ぶことが、健やかな毎日につながります。

硬水の健康効果

硬水とは、水1リットルあたりに含まれるカルシウムやマグネシウムといったミネラル分が多い水のことです。

ミネラルを豊富に含む点が、軟水との大きな違いとなります。

硬水には、骨や歯の形成に欠かせないカルシウムや、体内の多様な酵素反応に関わるマグネシウムが豊富に含まれております。

例えば、マグネシウムは腸内で水分を集めて便を柔らかくする働きがあり、お通じの改善を期待する方もいらっしゃいます。

硬水の主な健康への影響	詳細
ミネラル補給	カルシウム・マグネシウムを効率的に摂取可能
便秘改善への期待	マグネシウムが腸の働きを助ける可能性
心血管系への良い影響の可能性	特定のミネラル摂取による間接的な予防効果が研究されている
胃腸への負担	飲み慣れない場合や体質によって、お腹がゆるくなる場合がある
腎臓への影響・結石リスク（注意点）	通常の飲用では問題ないとされますが、腎機能が低下している方や結石ができやすい体質の方は医師への相談が望ましい

硬水はミネラル補給の面でメリットがありますが、胃腸への刺激を感じる方もいるため、自身の体質を考慮し、少量から試してみるのが良いでしょう。

軟水の健康効果

軟水とは、水1リットルあたりに含まれるカルシウムやマグネシウムの量が少ない水のことです。

ミネラル含有量が穏やかなため、口あたりがまろやかで飲みやすいのが特徴といえます。

軟水はミネラル成分が少ないことから、胃腸や腎臓といった内臓への刺激が少なく、消化器官がまだ十分に発達していない赤ちゃんや、身体機能が変化しやすいご高齢の方まで、安心して飲むことが可能です。

実際に、赤ちゃんの粉ミルクを調乳する際には、ミネラルの過剰摂取を避けるために硬度60mg/L以下の軟水の使用が勧められています。

軟水の主な健康への影響	詳細
身体へのやさしさ	胃腸や腎臓への負担が少なく、吸収されやすい
赤ちゃん・お年寄りに最適	消化器官に優しく、安心して飲用可能
老廃物の排出促進期待	体内へのスムーズな吸収により、巡りを良くする効果が期待される
美肌・美髪効果（間接的）	石鹸カスが残りにくく、肌や髪にしっとりとした洗い上がりをもたらす
ミネラル補給には不向き	ミネラル含有量が少ないため、積極的な補給は期待できない

軟水は身体への負担が少なく吸収もスムーズなため、赤ちゃんからご高齢の方まで安心して日常的に飲用でき、日々の健康維持に適したお水です。

ウォーターサーバーを水の硬度で選ぶ時のポイント

ウォーターサーバーを選ぶ際に、お水の種類やサーバーのデザインも大切ですが、「水の硬度」は日々の飲み心地や使い方に大きく影響する重要なポイントです。

ご自身のライフスタイルや家族構成、健康への配慮、そしてコストや利便性といった様々な角度から検討することで、本当に納得できる一台が見つかります。

最適なウォーターサーバー選びは、硬度の特性を理解することから始まります。

自分に合った硬度の選び方

自分や家族にとって最適な水の硬度を選ぶためには、まずライフスタイルや主な利用目的をはっきりさせることが大切です。

毎日の飲用が中心なのか、お料理にも積極的に活用したいのか、あるいは赤ちゃんのミルク作りが主な目的かによって、適した硬度は変わってきます。

具体的には、家族構成（特に乳幼児や高齢者の有無）、健康状態や美容への関心度、普段飲んでいるお水の味の好み、和食と洋食どちらを多く作るか、お茶やコーヒーを淹れる頻度などを考慮すると良いでしょう。

ライフスタイル・目的	推奨される硬度帯と理由
赤ちゃん・小さなお子さん・高齢者がいる家庭	軟水（特に硬度60mg/L以下）: 胃腸に優しく、ミネラルの過剰摂取の心配が少ない
健康志向（ミネラル摂取を意識）	中硬水: カルシウムやマグネシウムを手軽に補給。ただし、飲み慣れていない場合は少量から試すことが推奨される
味の好み（まろやかですっきりした味わい）	軟水: 日本人が慣れ親しんだクセのない口当たり
味の好み（しっかりした飲みごたえ、ミネラル感）	中硬水: 軟水にはない独特の風味やコク
主な用途（和食全般、お米、出汁、お茶）	軟水: 素材本来の繊細な風味や旨味を引き立てる
主な用途（パスタ、肉の煮込み料理など）	中硬水: アクが出やすくなる効果や、パスタにコシが出るなど、一部の洋食に適する場合がある
主な用途（スキンケア、ヘアケア）	軟水: 石鹸の泡立ちが良く、ミネラル成分による肌や髪への刺激が少ない

もし、どの硬度が自分に合うか迷う場合は、まず日本の水道水にも多く、幅広い用途に対応できる軟水から試してみることをお勧めします。

コストと利便性の比較

ウォーターサーバーを長く快適に使い続けるためには、水の硬度だけでなく、月々の費用と日々の使い勝手のバランスを考えることが欠かせません。

初期費用が安くても、毎月の水代が高かったり、ボトルの交換が手間だったりすると、満足度は下がってしまいます。

月額費用は、お水の料金そのものに加えて、サーバーのレンタル料、水の配送料、そして意外と見落としがちなメンテナンス費用や電気代まで含めた総額で比較検討することが重要になります。

比較ポイント	確認しておきたい詳細
月額費用	お水の料金（1本あたりの価格、ボトルの容量）、サーバーレンタル料（無料か有料か、機種による差）、配送料（基本無料でも一部地域で追加料金の有無）、メンテナンス料、電気代（省エネ機能の有無など）
契約条件	最低利用期間（通常2～3年程度が多いですが、プランにより異なります）、期間内解約時の解約金（契約プランや解約時期によって変動）
ボトルの種類と交換	軽量なパック式か、従来型のガロンボトルか。使用済みボトルを回収するタイプか、家庭ごみとして処分できる使い捨てタイプか。重いボトルを持ち上げるのが大変な方向けのサーバー下置きタイプもあるか
注文・配送	毎月の最低注文数（ノルマ）の有無。水が余った場合に配送を一時的に休止（スキップ）できるか、その際の条件（手数料の有無、連続スキップ可能な回数など）
サーバーのデザイン・機能	設置スペースに合うサイズか、お部屋のインテリアに馴染むデザインか。チャイルドロック機能、省エネモード、お湯の再加熱機能、常温水機能など、必要な機能が備わっているか

お水の価格が安いという点だけに注目するのではなく、サーバーレンタル料や将来発生するかもしれない解約金も含めた「総所有コスト」を把握することが大切です。

契約期間の長さと月額料金のバランス、そして毎日の使いやすさを総合的に比較検討し、ご自身のライフスタイルに最も適した一台を選びましょう。

硬水と軟水、どちらが良いのか？

「結局、硬水と軟水、どちらが良いの？」という疑問は、ウォーターサーバーを選ぶ際に多くの方が抱く基本的な問いです。

しかし、この問いに対して「こちらが良い」と一概に断言することはできません。

なぜなら、最適な水の硬度は、飲む方の味覚の好み、水をどのような目的で利用するのか（飲用、料理、赤ちゃんのミルク作りなど）、そして現在の健康状態によって大きく左右されるためです。

日本の水道水の大半は軟水であり、多くの方が軟水のまろやかな口当たりに慣れ親しんでいるという背景もあります。

特徴	硬水（主に中硬水）	軟水
メリット	カルシウムやマグネシウムといったミネラル補給、特定の洋食に適する場合がある、しっかりとした飲みごたえ	口当たりがまろやかで飲みやすい、和食全般やご飯、お茶に適する、肌や髪に優しい、赤ちゃんや高齢者にも安心
デメリット・注意点	飲み慣れていないとお腹がゆるくなる可能性、石鹸の泡立ちが悪くなる、和食やお茶の繊細な風味を損なう場合がある	ミネラル補給という点ではあまり期待できない

軟水は日常的な水分補給や料理など幅広い用途に適しており、家族みんなで安心して使いやすいバランスの取れた選択肢と言えます。

一方で、ミネラル摂取を意識したい方や、軟水では物足りないと感じる特定の味覚をお持ちの方にとっては、中硬水が魅力的に映るかもしれません。

ご自身のライフスタイルや何を最も重視するかを考え、納得のいく選択をすることが肝心です。

赤ちゃんに適した水の硬度は？

赤ちゃんのミルク作りや離乳食に使うお水を選ぶ際、最も優先すべきことは赤ちゃんの繊細な体に負担をかけない安全性です。

大人が美味しいと感じる水でも、赤ちゃんにとっては適さない場合があります。

専門家も推奨しているように、赤ちゃんのミルクの調乳には、ミネラル含有量が極めて少なく、未発達な消化器官や腎臓への負担が小さい硬度60mg/L以下の軟水、またはRO水（純水）が良いとされています。

市販されている粉ミルクの多くは、日本の水道水（軟水）で溶かすことを前提に栄養成分が調整されているため、硬度の高い水で調乳するとミネラルのバランスが崩れ、赤ちゃんの体に負担をかけてしまう可能性があります。

赤ちゃんに軟水が推奨される理由	詳細
内臓への負担が少ない	ミネラル含有量が少ないため、赤ちゃんの未発達な腎臓や消化器官への負担を軽減
ミルクの栄養バランスを保つ	粉ミルクは軟水での調乳を前提に栄養設計されているため、ミネラルの過剰摂取を防ぎ、最適な栄養バランスを維持
消化吸収しやすい	刺激が少なく、赤ちゃんの体にスムーズに吸収されやすい
アレルギーのリスク低減（間接的）	不純物が少ない水は、アレルギー体質の赤ちゃんにとって安心材料の一つになり得る

ウォーターサーバーには、70℃以上のお湯が出る機種も多く、これは世界保健機関（WHO）が推奨するミルク調乳時の殺菌に適した温度です。

これにより、安全かつ手軽にミルクの準備ができる点も、育児中のご家庭にとっては大きなメリットとなります。

調乳後は、必ず人肌まで冷ましてから与えるようにしましょう。

よくある質問（FAQ）

まとめ

ウォーターサーバー選びで後悔しないために知っておきたい水の硬度について、基本知識から各メーカーの比較、そしてあなたやご家族、特に赤ちゃんに最適な水を選ぶポイントまで、徹底解説しました。

日々の水がもっと美味しく、安心なものになります。

• 水の硬度の基礎知識と、それが味や健康、料理、特に赤ちゃんに与える影響
• 軟水と中硬水（日本のウォーターサーバーで一般的な範囲）それぞれの特徴と、家庭状況に合わせた選び方
• 人気ウォーターサーバーの具体的な硬度比較と、超軟水から中硬水までの最適な利用シーン
• 硬度選びに迷った際の指針、特に軟水が推奨される理由と安心感

本記事を参考に、ご自身のライフスタイルや家族構成、健康、そしてお水の好みをしっかり見つめ直し、納得のいくウォーターサーバーを選びましょう。

あなたとご家族に最適な一杯が、きっと見つかります。