ウォーターサーバーを選ぶ上で、多くの方が最も気になるのが衛生面ではないでしょうか。
この記事では、ウォーターサーバーの衛生に関する様々な疑問や不安を解消するため、安心して使えるサーバーの選び方から具体的な機種比較、ご家庭でできるメンテナンス方法、さらには最新の衛生機能まで、専門家の視点で徹底的に解説します。

ウォーターサーバーを置きたいけど、小さな子どもに飲ませるお水だから衛生面が一番心配。機種ごとの自動クリーン機能の違いもよく分からなくて…

ご安心ください!この記事を読めば、衛生面で納得できる一台がきっと見つかりますよ。
- ウォーターサーバーの衛生面が気になる具体的な理由と安心のための対策
- 自動殺菌機能やメンテナンス体制で比較する、衛生的なサーバーの選び方
- 赤ちゃんや小さなお子様にも安心して使えるウォーターサーバーの比較ポイント
- 日常でできる簡単なお手入れとメーカーによる専門メンテナンスの重要性
ウォーターサーバーの衛生面が気になる理由とは
ウォーターサーバーの衛生面で多くの方が心配される点には、水道水との性質の違いや、サーバー本体の構造に由来する特徴が主に挙げられます。
これらの理由から、サーバーが持つ衛生機能や日々のメンテナンスが大切になるのです。
水道水と異なり塩素が含まれていない
日本の水道水は、水道法に基づき塩素による消毒が義務付けられています。
これにより、各家庭の蛇口でも一定の残留塩素濃度が保たれ、細菌の繁殖が抑えられています。
ウォーターサーバーで使われる天然水やRO水(逆浸透膜でろ過した水)は、採水地での厳格な品質管理や高度なろ過・加熱処理により安全性が確保されているため、通常、水道水のような塩素消毒は行われません。

塩素が入っていないのは、なんだか心配だわ…

塩素がない分、水の風味は良くなりますが、水自体に持続的な殺菌効果はないため、サーバーの衛生機能が重要になりますよ。
この「塩素が含まれていない」という点が、塩素消毒に慣れた私たちにとって、ウォーターサーバーの衛生面で気になるポイントの一つとなるのです。
給水口が外気にさらされるリスク
ウォーターサーバーのボトルに密封された状態の水は衛生的ですが、注意が必要なのはサーバー本体、特に給水口(コック)です。
給水口は常に外気に触れており、私たちの手やコップ、空気中のホコリなどが接触することで雑菌が付着しやすく、麻布大学生命・環境科学部の調査では、ウォーターサーバー140検体のうち30%から水道水基準を超える一般細菌が検出されたという報告があります(健康な人には影響ないレベル)。

給水口って、そんなに汚れやすいの?

そうなんです。だからこそ、日頃のお手入れがとても大切になるんですよ。
給水口に付着した雑菌は、わずかな水分を栄養に繁殖し、サーバー内部へ侵入する可能性もあるため、水の最終出口である給水口の清潔さが極めて重要です。
衛生面の不安を解消するための選び方
ウォーターサーバーの衛生面に関する不安を解消するためには、サーバー自体が持つ機能と、提供されるメンテナンスサービスの両面から選ぶことが重要です。
どのような点に注目して選べば、より安心してウォーターサーバーを利用できるのか、詳しく見ていきましょう。
自動殺菌機能があるサーバーを選ぶ
ウォーターサーバー内部を清潔に保ち、水の鮮度を維持するためには、自動殺菌機能の搭載が不可欠です。
塩素を含まない水は雑菌が繁殖しやすいため、サーバー自身が能動的に殺菌を行う仕組みが求められます。
主な自動殺菌機能には、熱水をサーバー内に循環させて殺菌する「熱水循環方式」や、紫外線を照射して細菌を不活化する「UV殺菌方式」があります。
フレシャス dewoやコスモウォーター smartプラスNext、アルピナウォーター エコサーバーなどが採用する熱水循環方式は、サーバー内部を高温で殺菌するもので、多くの機種では使用しない夜間などに作動時間を設定できます。
一方、フレシャス SIPHON+などに搭載されるUV殺菌方式は、殺菌中もサーバーが通常通り使用できる利点があり、熱水が届きにくい給水口付近の殺菌も期待できます。
機能の種類 | 仕組み・特徴 | メリット | デメリット | 代表的な機種例 |
---|---|---|---|---|
熱水循環方式 | サーバー内の温水を定期的に冷水タンクや配管へ循環させ、高温(通常70℃以上)で殺菌 | 広範囲の殺菌、水の滞留防止 | 作動中は冷水・温水ともに使用不可の場合が多い | フレシャス dewo、コスモウォーター smartプラスNext、アルピナウォーター エコサーバー |
UV殺菌方式 | 殺菌効果のある紫外線(UVランプやUV-LED)を冷水タンク内や給水口付近に照射し、細菌やウイルスを不活化 | 殺菌中も通常使用可能、給水口付近まで効果期待 | ランプの寿命や交換の可能性、照射範囲の限界 | フレシャス SIPHON+、一部cado×PREMIUM WATERの機種 |

自動殺菌機能って、どれを選べば安心なの?

ご自身の使い方や衛生面へのこだわりで、熱水循環かUV殺菌かを選びましょう
これらの自動殺菌機能はサーバーの電源がオンになっていることが前提で作動するため、節電目的などで電源を切ると機能が停止し、雑菌繁殖のリスクが高まる点に注意が必要です。
また、エアレス構造のウォーターパックや、高性能なエアフィルターの搭載も、サーバー内部の衛生維持に貢献します。
ご自身のライフスタイルや、どの程度の衛生レベルを求めるかを考慮して、最適な機能を持つサーバーを選びましょう。
定期メンテナンスの有無を確認する
ウォーターサーバーを長期的に衛生的に使用するためには、メーカーによる定期的なプロのメンテナンスサービスの有無も重要な選択基準です。
利用者自身では清掃が難しいサーバー内部の洗浄や、フィルターなどの消耗部品の交換が含まれます。
メンテナンスの提供形態はメーカーによって異なり、クリクラやアクアクララのように、年に1回程度のサーバー本体の洗浄や交換が月額料金に含まれている場合があります。
プレミアムウォーターは、要望に応じて有償で専門スタッフによる訪問クリーニングサービスを提供しています。
フレシャスやコスモウォーターのように、高機能な自動クリーンシステムを搭載し、メーカーによる定期的な訪問メンテナンスは原則不要としつつ、一定期間使用後に有償または無償でサーバー本体を交換するサービスを提供しているメーカーもあります。
メンテナンス提供形態 | 内容例 | 費用形態 | 代表的なメーカー例(※) |
---|---|---|---|
定期メンテナンスがプランに含まれる | 年1回または2年に1回程度のサーバー本体洗浄や交換 | 月々のサポート料金などに含まれる | クリクラ、アクアクララ |
有償のメンテナンスサービスを提供 | 利用者からの要望に応じた専門スタッフによる訪問クリーニングサービス | 別途有償 | プレミアムウォーター |
「メンテナンスフリー」を掲げ、サーバー交換で対応 | 高機能自動クリーンシステム搭載。一定期間使用後に有償または無償でサーバー本体を交換 | 原則メーカー定期メンテナンスなし、交換時に費用発生の場合あり | フレシャス(有償交換)、コスモウォーター(無償交換の条件あり) |
※メーカーやプランにより条件は異なります。

メンテナンスフリーって聞くと楽そうだけど、本当に大丈夫?

「メンテナンスフリー」でも日常清掃は必要、メーカーのサポート内容をしっかり確認しましょう
「メンテナンスフリー」という言葉は、メーカーによる定期的な専門作業が不要という意味合いが強く、給水口や水受け皿といった外気に触れる部分の清掃は利用者自身が行う必要があります。
メンテナンス費用も月額料金に組み込まれているか、別途発生するかなど様々なので、トータルコストを考慮することが大切です。
専門業者による徹底的な清掃を望むか、日々の自動クリーン機能と自己メンテナンスを信頼し、必要に応じてサーバー交換を選択するかは、衛生に対する考え方や手間、コストへの許容度によって判断しましょう。
おすすめの衛生的なウォーターサーバー比較
ウォーターサーバーを選ぶ上で、衛生機能の比較は後悔しないために非常に重要です。
ここでは、特に衛生機能に優れたウォーターサーバーとして名前が挙がることの多い3機種「フレシャス dewo」「コスモウォーター smartプラスNext」「アルピナウォーター エコサーバー」について、それぞれの衛生機能、メンテナンス体制、そして利用者からの評判などを比較してみましょう。
項目 | フレシャス dewo | コスモウォーター smartプラスNext | アルピナウォーター エコサーバー |
---|---|---|---|
主な自動衛生機能 | フレッシュ機能(熱水循環による定期的な内部クリーン)、オートピュアキープシステム | Wクリーン機能(クリーンサイクル:熱水循環、クリーンエア:取り込み空気の浄化) | 自動クリーニング機能(設定間隔での熱水循環による内部殺菌) |
内部構造・空気対策 | エアレス構造(天然水が入ったウォーターパックが収縮し、外気が入りにくい構造) | ワンウェイボトル方式、クリーンエアシステム専用フィルター搭載 | RO水使用(不純物が少なくスケール付着しにくい)、空気取込口にフィルター設置 |
メーカー推奨メンテナンス | メーカーによる定期訪問メンテナンスなし。契約から2年以上利用で有償(5,500円)にてサーバー本体交換可 | メーカーによる定期訪問メンテナンスなし。契約から2年以上利用で無償にてサーバー本体交換可 | 4年に1回、無償でメンテナンス済みのサーバー本体と交換 |
水の種類 | 天然水 | 天然水 | RO水(ピュアウォーター) |
利用者の衛生面の声(要約) | 自動クリーンとパック式で衛生的。メーカー定期メンテ不在に不安の声も。一部で初回パックのビニール臭指摘あり | Wクリーン機能で衛生的評価。メーカー定期メンテ不在に不安の声も。稀に水の臭い指摘、水受け皿が洗いにくいとの声も | 自動クリーニングと定期無料交換で安心。RO水のため味がスッキリ、臭いがないとの評価。一部で埃くさい味の指摘も |
これらの比較から、各機種がどのような衛生対策を施し、どのような方に適しているのかが見えてきますね。
フレシャス dewo(デュオ)の特徴
フレシャス dewoは、その洗練されたデザインと使いやすさで人気のウォーターサーバーであり、衛生面においても独自の工夫が凝らされています。
主な衛生機能として、30日に1回程度作動する熱水循環式の「フレッシュ機能」と、ウォーターパックが収縮することで外気の侵入を最小限に抑える「エアレス構造」が採用されています。
項目 | 内容 |
---|---|
主な衛生機能 | フレッシュ機能(熱水循環)、エアレス構造 (ウォーターパック) |
サーバー交換 | 契約から2年以上利用で有償(税込5,500円)で本体交換可 |
利用者による手入れ | 給水口、水受け皿、本体表面、パックホルダー部などの定期清掃 |
水の種類 | 天然水 |
タンク容量 | 冷水1.5L、温水1.5L |

フレシャス dewoのデザインは良いけど、メーカーの定期メンテナンスがないのは少し気になるかな?

2年使えば有償でサーバー交換もできるので、一つの選択肢になりますよ。
デザイン性と、エアレス構造や自動クリーンによる衛生管理を両立させたい方にとって、フレシャス dewoは魅力的な選択肢となるでしょう。
コスモウォーター smartプラスNextの衛生機能
コスモウォーター smartプラスNextは、「Wクリーン機能」と呼ばれる独自の衛生システムが最大の特長です。
このWクリーン機能は、48時間ごとに自動でサーバー内部に熱水を循環させる「クリーンサイクルシステム」と、ボトルからサーバー内部に取り込まれる空気をクリーンにする特許技術「クリーンエアシステム」の2つで構成されています。
項目 | 内容 |
---|---|
主な衛生機能 | Wクリーン機能(クリーンサイクル:熱水循環、クリーンエア:空気清浄) |
サーバー交換 | 契約から2年以上利用で無償にてサーバー本体交換可(※条件確認を推奨) |
利用者による手入れ | 給水口、水受け皿、本体表面などの日常清掃 |
水の種類 | 天然水 |
タンク容量 | 冷水1.6L、温水1.25L |

Wクリーン機能は心強いけど、水受け皿が洗いにくいって本当?

一部でそのような声もありますが、それを補って余りある衛生機能と無料交換制度が魅力ですね。
内部の自動清掃と取り込み空気の浄化を両立し、さらに長期利用後の無料サーバー交換制度も備えているため、衛生面とコストパフォーマンスを重視する方におすすめできる機種です。
アルピナウォーター エコサーバーの利点
アルピナウォーターはRO水(ピュアウォーター)を提供しており、エコサーバーはその高機能モデルです。
RO水とは、逆浸透膜でろ過し、不純物をほぼ完全に取り除いた水のことです。
エコサーバーは、設定した間隔(例:週に1回)でサーバー内部に自動で温水を循環させ熱殺菌を行う「自動クリーニング機能」を備えており、さらに4年に1回の無料サーバー交換サービスも提供しています。
項目 | 内容 |
---|---|
主な衛生機能 | 自動クリーニング機能(熱水循環)、RO水の特性(スケール付着低減) |
サーバー交換 | 4年に1回、無償でメンテナンス済みのサーバー本体と交換 |
利用者による手入れ | 外装、水受け皿、ウォーターガード、注水口などの定期清掃 |
水の種類 | RO水(ピュアウォーター) |
フィルター | 空気取込口フィルター、水注入時の雑菌混入防止フィルター(内蔵) |

RO水って味がスッキリしすぎない?でも4年に1回の無料交換はすごく安心感があるね!

お水の好みはありますが、衛生面とメンテナンスの手厚さでは群を抜いていますね。
RO水の特性による内部の汚れにくさと、手厚い定期交換制度により、長期的に安心して衛生的な水を利用したいと考える方にとって、アルピナウォーター エコサーバーは非常に有力な選択肢となります。
ウォーターサーバーのメンテナンス方法
ウォーターサーバーを衛生的に使い続けるためには、日常的なお手入れと、メーカーによる定期的なメンテナンス(またはそれに代わるサーバー交換など)の両方が重要です。
これらの取り組みによって、いつでも安心して美味しい水を利用できます。
この2つのメンテナンスを理解し、実践することで、ウォーターサーバーを常に清潔な状態に保ち、安心して美味しい水を楽しむことが可能になります。
自分でできる簡単なお手入れ
ウォーターサーバーの機種に関わらず、利用者が日常的に行うべき清掃は、サーバーの自動クリーン機能ではカバーしきれない部分の衛生を保つために不可欠です。
特に外気に触れやすい箇所は、こまめな清掃を心がけることで、雑菌の付着や繁殖を大幅に抑制できます。
日常的なお手入れとして、以下の箇所と頻度、方法を参考にしてください。
清掃箇所 | 推奨頻度 | 清掃方法 |
---|---|---|
給水口(コック) | 毎日~週に1回 | 食品用アルコール除菌剤を染み込ませた清潔な布や綿棒で拭く |
水受け皿(ドリップトレイ) | 週に1回以上 | 取り外して食器用中性洗剤で洗い、よくすすいで乾燥 |
ボトル差込口・周辺 | ボトル交換時 | 清潔な布で水分や汚れを拭き取り、アルコール除菌剤で消毒 |
サーバー本体の外面 | 週に1回~月に1回程度 | 水で濡らして固く絞った布で拭く。汚れがひどい場合は薄めた中性洗剤を使用 |
サーバーの背面 | 月に1回~半年に1回程度 | 掃除機でホコリを吸い取るか、やわらかいブラシで清掃(電源プラグを抜いて実施) |

毎日のお手入れって、具体的にどこをどうすればいいのかな?

給水口や水受け皿など、汚れやすいポイントを押さえた清掃が大切ですよ。
お手入れ時には、サーバーの電源は基本的に入れたままにしましょう(自動クリーン機能のため)。
ただし、背面の清掃時は安全のため電源プラグを抜いてください。
サーバー内部の分解や清掃は故障の原因となるため、絶対に行わないでください。
温水コック周辺の清掃時は、火傷に十分注意を払います。
これら日常的なお手入れを習慣にすることで、ウォーターサーバーの衛生状態を良好に保てます。
メーカーによる定期メンテナンスの重要性
日常のセルフメンテナンスに加えて、メーカーによる定期的な専門メンテナンスは、ウォーターサーバーを長期間にわたり衛生的かつ安全に使用するために非常に重要です。
利用者自身では手の届かないサーバー内部の清浄化や部品の状態確認は、専門家の知見と技術が不可欠になります。
セルフメンテナンスでは対応が難しい範囲として、サーバー内部の分解洗浄・消毒、フィルターやパッキンといった消耗部品の点検・交換、電気系統の安全性チェックなどが挙げられます。
一部のメーカーでは、定期メンテナンスの一環として、ウォーターサーバー本体を専門的に洗浄・整備されたものや新品と交換するサービスを提供しています。
例えば、クリクラは1年に1回、アクアクララは2年に1回程度のサーバー本体交換がプランに含まれる場合があります。
アルピナウォーターのエコサーバーでは、4年に1回の無料サーバー交換が標準です。
メンテナンス関連の考慮点 | 詳細 |
---|---|
「メンテナンスフリー」の実態 | メーカーによる定期的な専門作業が不要という意味合いが強い。給水口などの外部清掃は利用者による実施が必要 |
「メンテナンスフリー」機種の対応 | 数年ごとの有償または無償でのサーバー交換サービスを提供し、実質的なリフレッシュ機会を設けているメーカーもある |
メンテナンスの形態 | 訪問による内部清掃・部品交換から、サーバー本体の丸ごと交換まで様々 |
メンテナンス費用 | 月額料金に含まれる場合、オプションサービスとして都度支払いとなる場合、サーバー交換費用として発生する場合など、メーカーやプランにより異なる |

「メンテナンスフリー」ってよく聞くけど、本当に何もしなくていいの?

「メンテナンスフリー」でも日常清掃は必要です。メーカーメンテナンスは内部の専門的なケアで、より高い安心感につながります。
メーカーによる定期メンテナンスやそれに準ずるサーバー交換サービスは、見えない部分の衛生を確保し、ウォーターサーバーの性能を長期的に維持するために大切な役割を果たします。
ウォーターサーバーを契約する前には、メンテナンスの内容、頻度、そして関連する費用についてしっかりと確認しましょう。
衛生面に優れたウォーターサーバーの特徴
ウォーターサーバーの衛生性を高めるためには、様々な技術や工夫が凝らされています。
これらの技術は、水の安全性を保ち、利用者が安心して飲用できるようにするために不可欠です。
技術タイプ | 主な目的 | 作用機序 | 期待される効果 | 注意点・限界 |
---|---|---|---|---|
UV殺菌 (紫外線殺菌) | 水中の細菌・ウイルスを不活化 | 紫外線(主にUV-C)を照射し、微生物のDNA/RNAを破壊して増殖能力を奪う | 冷水タンク内や給水口付近など、熱を加えにくい場所の継続的な殺菌。幅広い微生物に有効 | 直接照射が必要。影になる部分や濁った水では効果減。ランプの劣化・交換が必要な場合あり。NSF P231認証などで効果が保証される場合がある |
熱水循環 | サーバー内部(タンク・配管)の殺菌・消毒 | 高温の熱水(例:70℃以上)を循環させ、細菌を死滅させる | タンク全体や配管内部の広範囲な殺菌。バイオフィルム形成抑制。水の滞留防止 | 作動中はサーバー使用不可の場合が多い。定期的な作動が必要。消費電力。 |
HEPAフィルター | 空気取込口からの微粒子・細菌の侵入防止 | 高密度の繊維フィルターで、空気中の0.3μmの粒子を99.97%以上捕捉 | サーバー内に取り込む空気を浄化し、タンク内の水の汚染を防ぐ | 定期的な清掃または交換が必要。フィルターが目詰まりすると効果減。 |
エアレス構造 | 外気の侵入による汚染防止 | 水パックが収縮するなどして、サーバー内に外気が入り込むのを最小限に抑える | 水と空気の接触を減らし、空気中の細菌やホコリによる汚染リスクを低減 | パックの素材や構造に依存。完全な密閉ではない場合もある。 |
銀イオン抗菌 | 部材表面や水中での細菌増殖抑制 | 銀イオンが細菌の細胞膜や酵素に作用し、活動を阻害する | 持続的な抗菌効果。タンクや配管素材への応用 | 効果は銀イオンの濃度や形態に依存。高濃度ではアレルギー等の可能性も指摘されることがあるが、適切濃度では人体に優しいとされる |
オゾン殺菌 | 強力な酸化作用による殺菌・脱臭 | オゾンガスまたはオゾン水を接触させ、細菌の細胞膜を破壊・酸化分解する | 短時間で強力な殺菌効果。残留性が低く、分解後は酸素に戻る | オゾン発生装置が必要。濃度管理が重要。一部素材への影響の可能性。ウォーターサーバーでの採用事例は限定的か |
ここでは、特に代表的な「UV殺菌機能」と「エアフィルター」の役割と効果について詳しく見ていきましょう。
UV殺菌機能の効果
UV殺菌機能は、ウォーターサーバー内部、特に冷水タンクや給水口周辺の衛生を保つために採用される先進技術の一つです。
この機能は、特定の波長の紫外線(主にUV-C)を照射することで、水中や表面に存在する細菌やウイルスの遺伝情報(DNAやRNA)を破壊し、それらが活動・増殖できなくするものです。
UVランプから照射される紫外線は、化学薬品を使用せずに水を殺菌できるため、水の味や成分に影響を与えにくいという利点があり、熱を加えることが難しい冷水タンクの衛生維持や、外気に触れやすい給水口のピンポイント殺菌に適しています。
その効果は高く、例えばNSFインターナショナルのP231規格は、微生物学的浄水装置に対してバクテリア除去率99.9999%を保証するものですが、UV殺菌システムもこの認証を取得することが可能です。
メリット | デメリット・注意点 |
---|---|
薬品を使用しないため、水質への影響が少ない | UV光が直接照射されない影の部分や、水が濁っている場合には効果が低下する可能性 |
冷水系や給水口など、熱を加えにくい部分の殺菌に適している | バイオフィルムの内部には紫外線が届きにくい場合あり |
多くの場合、殺菌作動中もサーバーの通常利用が可能 | UVランプには寿命があり、定期的な交換が必要になる場合がある(具体的な寿命や交換頻度は非公開が多い) |
広範囲の細菌やウイルスに対して効果が期待できる | 全てのウォーターサーバーに搭載されているわけではなく、比較的高級な機種の機能であることが多い |

UV殺菌って、本当にずっと効果が続くものなの?

UV殺菌は継続的な微生物制御に有効ですが、ランプの寿命や設計も重要ですよ。
UV殺菌は、熱水循環とは異なり、継続的または頻繁な微生物制御を可能にする技術です。
その効果を最大限に引き出すためには、ランプの配置や清掃・交換といったメンテナンスも重要になります。
エアフィルターの役割
ウォーターサーバー、特にボトル交換式のタイプでは、水が消費されるにつれてボトル内に空気が入ります。
エアフィルターは、この取り込まれる空気からホコリ、チリ、花粉、さらには細菌やカビの胞子といった微細な汚染物質を除去し、タンク内の水を清潔に保つための重要な部品です。
エアフィルターは、サーバー内部へ清浄な空気を供給することで、水の二次汚染を防ぎます。
高性能なHEPAフィルターの場合、「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもつ」とJIS規格で定義されており、空気中の微細な汚染物質を効果的に除去できます。
フィルターの種類 | 主な役割・特徴 | 備考 |
---|---|---|
一般エアフィルター | ある程度のホコリや異物の侵入防止 | 多くのサーバーに搭載、一部抗菌加工あり |
HEPAフィルター | 0.3μmの粒子を99.97%以上捕捉し、微細なホコリ、花粉、カビの胞子、細菌などを除去 | クリーンルームなどでも使用、クリクラなどで採用例あり |
活性炭フィルター | 主に水中の塩素や臭気、有機物を吸着除去。空気清浄機能として臭気成分の吸着に用いられることも | 他のフィルターと組み合わせて使用される可能性あり |
中空糸膜フィルター | 主に液体ろ過で水中の細菌や微粒子を除去。空気ろ過への直接的な応用は一般的ではないが、微細な孔で粒子を捕捉する原理は共通 |

フィルターの交換って、どれくらいの頻度で必要なのかな?

フィルターの種類や使用状況で異なりますが、定期的な清掃や交換で効果を維持できます。
エアフィルターの品質はサーバー内部への汚染物質の侵入防止効果に直結し、定期的な清掃や交換が不可欠です。
フィルターが目詰まりすると浄化能力が低下するため、メーカーの指示に従ったメンテナンスが重要です。
ウォーターサーバーの水は本当に安全か?
ウォーターサーバーで提供される水は、適切に管理・利用されていれば基本的に安全です。
水の種類やメーカーによって製造プロセスは異なりますが、いずれも食品衛生法などの基準に基づいた品質管理が行われています。
天然水は特定の水源から採水され、ろ過、沈殿、加熱殺菌などの処理が施され、RO水は原水を逆浸透膜でろ過し不純物やミネラルをほぼ完全に除去します。
例えば、サントリーでは約140項目もの検査を実施し、フレシャスは食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」の認証を工場で取得しています。
安全性を支える要素 | 詳細 |
---|---|
水の品質と製造過程 | 天然水・RO水ともに食品衛生法等に基づき処理。例:フレシャスはFSSC22000認証工場で製造 |
水質基準 | 食品衛生法に基づく「ミネラルウォーター類」の成分規格・製造基準に準拠。PFOS及びPFOAは50 ng/L以下など |
工場の衛生管理 | 採水からボトリングまで厳格な品質管理体制。例:サントリーは約140項目の検査実施 |
第三者機関による認証 | NSFインターナショナルやJDSA(一般社団法人日本宅配水&サーバー協会)の認証・ガイドライン |

赤ちゃんや子供にも、本当に安心して使っていいお水なの?

はい、サーバーの衛生機能と適切なお手入れをすれば、赤ちゃんにも安心です。
ウォーターサーバーの水の安全性は、水源管理、製造工程、サーバー機能、そして利用者の適切なメンテナンスによって確保されます。
各種認証マークは、品質への取り組みを判断する目安となります。
雑菌が繁殖した場合の健康リスク
ウォーターサーバーのメンテナンスを怠ったり、不適切な使用を続けたりすると、サーバー内部や給水口周辺で雑菌やカビが繁殖する可能性があります。
このような汚染された水を飲用した場合、健康への影響が懸念されます。
考えられる健康リスクには、サルモネラ菌や大腸菌などが原因となる食中毒(主な症状は腹痛、下痢、嘔吐など)や、水系感染症、カビによるアレルギー反応、急性の胃腸炎などがあります。
過去の東京都の調査では、一部サーバーから基準値を超える一般細菌が検出されましたが、健康な人には影響がないレベルとされています。
項目 | 詳細 |
---|---|
考えられる健康リスク | 食中毒(腹痛、下痢、嘔吐など)、感染症、アレルギー反応、胃腸炎 |
雑菌繁殖のメカニズム | バイオフィルム形成、塩素が含まれない水の特性、外部からの汚染物質混入、清掃不足、サーバー電源オフ、水の長期保存 |
特に注意が必要な方々 | 乳幼児、高齢者、妊婦、免疫機能が低下している方。乳児のミルク作りには70℃以上のお湯が推奨されるが、使用する水自体の衛生が前提 |
公的機関の調査・注意喚起 | 東京都生活文化局(2013年)の調査で一部サーバー水から基準超の一般細菌検出(健康影響なしレベル)。国民生活センターや消費者庁は契約トラブルに関する注意喚起が多い傾向 |

もし雑菌が繁殖したら、どんな症状が出ることがあるの?

腹痛や下痢などの胃腸症状が考えられます。特に抵抗力の弱い方は注意が必要です。
ウォーターサーバーで深刻な健康被害事例は多く報告されていませんが、雑菌繁殖による軽微な体調不良や味・臭いの変化は考えられます。
特に抵抗力の弱い方が利用する場合は、サーバーの衛生管理に最大限の注意を払う必要があります。
よくある質問(FAQ)
- Q自動殺菌機能が付いているウォーターサーバーなら、自分での掃除はほとんど不要ですか?
- A
自動殺菌機能はサーバー内部を清潔に保つのに大変役立ちますが、給水口や水受け皿など、外気に触れやすい部分はご自身での定期的なお手入れが求められます。
これらの箇所は自動では清掃されませんので、安全にご利用いただくためにはこまめな掃除が欠かせないのです。
- Q小さい子供がいます。ウォーターサーバーを選ぶ際、衛生面で特に重視すべき点は何でしょうか?
- A
お子様のためには、チャイルドロック機能に加えて、サーバー内部の自動洗浄機能が充実しているか、そして給水口やその周辺の掃除がしやすい構造であるかを確認することが大切になります。
メーカーによる定期的なメンテナンスサービスが付帯していると、より安心してご利用いただけます。
- Q「メンテナンスフリー」と表示されているウォーターサーバーは、本当に何も手入れをしなくても良いのですか?
- A
「メンテナンスフリー」という言葉は、多くの場合、メーカーによる大掛かりな内部部品の交換や専門的な清掃が基本的に不要であることを指し示します。
しかしながら、給水口や水受け皿など、日常的に汚れやすい部分につきましては、利用者自身でのお手入れが推奨されるのが一般的です。
ご契約前に、具体的にどこまでの手入れが不要で、どのようなお手入れが必要になるのかをしっかり確認しましょう。
- Q天然水とRO水、衛生面を考えるとどちらのウォーターサーバーがおすすめですか?
- A
天然水もRO水も、製造過程で厳しく品質が管理されていますので、水自体の安全性に大きな違いはありません。
RO水は不純物をほとんど除去しているため、サーバー内部でミネラル成分が固まりにくいという利点があります。
どちらを選ぶにしても、サーバー本体の清掃機能やメンテナンス体制を比較検討して選ぶのが賢明です。
- Q電気代を節約したいのですが、夜間など使わない時にウォーターサーバーの電源を切っても衛生的に問題ありませんか?
- A
ウォーターサーバーの電源を切りますと、水の温度管理ができなくなり、雑菌が繁殖しやすい状況を生む可能性があります。
加えて、機種によっては大切な自動クリーン機能も停止してしまうため、衛生面を考慮すると電源は常に入れておくことをお勧めします。
節電機能が搭載されたモデルを選択するのも良い判断です。
- Qウォーターサーバーの給水口にヌメリやカビのようなものを見つけてしまったら、どうすれば良いですか?
- A
万が一そのようなものを見つけたら、すぐにご使用を中止し、お持ちの取扱説明書に従って給水口周りを丁寧に掃除してください。
食品に使用できるアルコールスプレーなどで除菌することも有効な手段となります。
それでもご不安な場合や内部の状態が気になる時は、メーカーに連絡して点検や専門のメンテナンスを依頼するのが最も安全な対応です。
まとめ
ウォーターサーバーの衛生面について、その不安の原因から具体的な対策、機種の選び方、そして日々のお手入れ方法に至るまで詳しくご紹介しました。
安心してウォーターサーバーをご利用いただくためには、各機種が持つ衛生機能(自動殺菌やフィルター性能など)とメーカーのサポート体制をしっかりと比較検討することが何よりも大切になります。
- サーバー内部を清潔に保つ自動殺菌機能(熱水循環・UV殺菌など)の比較
- 外からの汚染を防ぐエアフィルターの有無や性能の確認
- メーカーによる定期メンテナンスやサーバー交換サービスの有無と内容
- 給水口や水受け皿など、ご自身で行う日常清掃の重要性
この記事でご紹介したポイントを参考に、ご家庭に最適な一台を見つけ、赤ちゃんを含めたご家族みんなが毎日安心して美味しいお水を楽しめる環境を整えてください。
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