ホンダのインサイトに興味があるけれど、「失敗作」「売れなかった」という評判が気になっていませんか。
世間の評判だけで判断して候補から外すのは、非常にもったいないです。
この記事では、インサイトが「失敗作」と呼ばれた本当の理由から、世代ごとの魅力、ライバル車との違い、そして後悔しないための中古車選びの注意点(弱点・維持費)まで、専門用語を使わずに徹底解説します。

デザインは好きなのに、買ってから故障したり維持費が高かったりしないか不安…

大丈夫です。その不人気さこそ、良い車を賢く手に入れるチャンスになります。
- インサイトが「失敗作」と言われる理由と本当の魅力
- 世代ごとの特徴とライバル「プリウス」との明確な違い
- 後悔しないための中古車選びの注意点(弱点・維持費)
- 今が狙い目のコストパフォーマンス最強モデル
ホンダインサイトの歴史と世代別の魅力
ホンダ インサイトは、単に「売れなかった車」という言葉では片付けられない、ホンダの挑戦と個性が凝縮された一台です。
各世代が独自のコンセプトと魅力を持ち、特に中古車市場ではその真価が再評価されています。
大切なのは、世間の評判に流されず、自分自身の価値観に合う一台を見つけることです。
ここでは、インサイトが歩んできた歴史を振り返りながら、世代ごとの特徴と魅力を比較します。
世代 | 発売期間 | ボディタイプ | ハイブリッドシステム | 特徴 |
---|---|---|---|---|
初代 (ZE1) | 1999年-2006年 | 3ドアクーペ | IMA | 日本初の市販ハイブリッド車、アルミボディによる超軽量設計 |
2代目 (ZE2) | 2009年-2014年 | 5ドアハッチバック | IMA | プリウスに対抗した戦略的な低価格、5ナンバーサイズ |
3代目 (ZE4) | 2018年-2022年 | 4ドアセダン | e:HEV | 上質な内外装、2モーター式による力強く滑らかな走り |
ご覧のように、インサイトは世代ごとに大きくその姿を変えてきました。
それぞれのモデルが持つ背景や性能を理解することで、あなたにとって最高のインサイトがきっと見つかります。
インサイトは失敗作?売れなかった理由
インサイトに「失敗作」というレッテルが貼られることがありますが、それは販売台数という一面的な評価に過ぎません。
販売が伸び悩んだ背景には、各世代で強力なライバル「トヨタ プリウス」が存在したことが挙げられます。
プリウスが「燃費の良さ」という分かりやすい価値で市場を席巻する中、インサイトは燃費に加えて「走りの楽しさ」や「先進性」といったホンダらしい価値を追求しました。
そのコンセプトが、必ずしも時代の大きな潮流と合致しなかったのです。
しかし、そのこだわりこそが、今になって中古車としての個性や魅力を際立たせています。

「失敗作」って聞くと、やっぱり買って後悔しないか不安になります…

販売台数=車の価値ではありません。むしろ、そのおかげで良い車が安く手に入るんです。
販売台数が少なかったからこそ、中古車市場では性能の高さに対して価格が割安になる傾向があります。
つまり、インサイトは賢い選択をすれば、満足度の高い一台になる可能性を秘めているのです。
初代(ZE1) – 伝説の始まり
初代インサイトは、日本初の市販ハイブリッド乗用車として1999年に登場した、歴史に名を刻むモデルです。
ホンダの技術的な挑戦が随所に見て取れます。
最大の特徴は、徹底した軽量化です。
ボディの大部分にアルミを使用することで、車体重量はわずか820kgしかありません。
リアタイヤを覆うスカートや流線型のフォルムは、空気抵抗をとことん突き詰めた結果のデザインです。
これらの技術により、10・15モード燃費で35.0km/Lという驚異的な数値を達成しました。
生産台数が少なく、現在では希少なコレクターズアイテムとしての側面も持ちますが、ホンダのハイブリッド技術の原点を体感できる伝説の一台です。
2代目(ZE2) – プリウスへの挑戦
2009年に登場した2代目インサイトは、ハイブリッドカーの代名詞となっていたプリウスに対抗するため、戦略的な低価格を実現したモデルです。
多くの人にとって、ハイブリッドカーを身近な存在にしました。
シンプルな構造の1モーター式ハイブリッドシステム「IMA」を採用することで、車両本体価格189万円からという、当時のハイブリッドカーとしては画期的な価格設定を実現させました。
5ナンバーサイズのため日本の道路事情でも扱いやすく、中古車市場では最も手頃な価格で流通しています。
初めてのハイブリッドカーとして、または手軽な足として車を探している方にとって、魅力的な選択肢となる一台です。
3代目(ZE4) – 上質なセダンへの変貌
3代目インサイトは、これまでのモデルとは一線を画し、シビックのプラットフォームをベースとした上質なセダンへと大きな変貌を遂げました。
その完成度の高さは、不人気に終わったのが不思議なほどです。
特筆すべきは、2モーター式のハイブリッドシステム「e:HEV」がもたらす走りです。
日常のほとんどの領域をモーターで走行するため、電気自動車のように静かで力強い加速を味わえます。
質感の高い内装と流麗なエクステリアデザインも相まって、ワンランク上のドライビング体験を提供します。
新車販売が振るわなかったため、中古車市場ではその性能に対して割安な価格で手に入ります。

このデザインと走りで、なぜ人気が出なかったんでしょうか?

セダン市場全体の縮小と、兄貴分であるアコードと価格帯が近かったのが要因です。
走行性能、デザイン、経済性のすべてを高いレベルで求めるなら、3代目インサイトは今最もおすすめできる「隠れた名車」と言えるでしょう。
気になる燃費は?世代ごとの実力を比較
インサイトを選ぶ上で、世代ごとの燃費性能は重要な比較ポイントになります。
カタログ上の数値だけでなく、実際の走行に近い実燃費も考慮して判断することが大切です。
世代 | カタログ燃費 (WLTCモード) | 実燃費の目安 | 動力性能 |
---|---|---|---|
初代 (ZE1) | – (35.0km/L ※10・15モード) | 25.0km/L~ | 必要十分 |
2代目 (ZE2) | – (26.0km/L ※JC08モード) | 18.0km/L~ | やや非力 |
3代目 (ZE4) | 25.6km/L~28.4km/L | 22.0km/L~ | 力強い |
初代の燃費は驚異的ですが、現代の交通事情では動力性能に物足りなさを感じるかもしれません。
3代目は、力強い走りを実現しながらも実燃費で20km/Lを超える、非常にバランスの取れた性能を誇ります。
ライバル「プリウス」との違いは?
インサイトを語る上で、最大のライバルであるトヨタ「プリウス」の存在は無視できません。
両者は同じハイブリッドカーという土俵にありながら、その開発思想は異なります。
比較項目 | ホンダ インサイト | トヨタ プリウス |
---|---|---|
コンセプト | 走りの楽しさ、操る喜び | 燃費性能の追求、環境性能 |
走り | キビキビとしたスポーティーな走り(特に3代目) | 良くも悪くも穏やかで万人向け |
デザイン | スタイリッシュで挑戦的 | 個性的だが、やや未来的すぎる印象 |
運転感覚 | ドライバーが主役の運転席 | 機能的で誰でも扱いやすい設計 |
どちらが良い悪いという話ではなく、車に何を求めるかの違いです。
燃費性能を最優先し、誰もが認める定番を選ぶならプリウスが良い選択です。
一方で、燃費だけでなく運転する楽しさや、他とは違う個性を求めるのであれば、インサイトがその期待に応えてくれます。
中古インサイト購入の注意点と維持費
中古のインサイトを手に入れることは、賢い選択肢の一つですが、購入後に後悔しないためには、事前に知っておくべきポイントがいくつか存在します。
特に重要なのは、ハイブリッドシステムの状態を含めた個体のコンディションをしっかり見極めることです。
年式や走行距離だけで判断すると、思わぬ出費につながる可能性があります。
ここでは、中古車選びで失敗しないために、世代ごとの弱点や維持費について解説します。
比較項目 | 2代目インサイト(ZE2) | 3代目インサイト(ZE4) |
---|---|---|
注意すべき弱点 | IMAバッテリー、CVTジャダー、エアコン | 電子パーキングブレーキ、その他電装系 |
バッテリー交換費用(目安) | 約20万円~(リビルド品) | –(交換事例が少ない) |
年間維持費(目安) | 約21.6万円 | 約22.4万円 |
おすすめ度 | 手頃な価格でハイブリッドを体験したい人向け | 走りと質感、コスパを重視する人向け |
これらの現実的な問題点をあらかじめ理解しておくことが、満足度の高いインサイト選びには不可欠です。
各項目を詳しく見ていきましょう。
中古車価格の相場と狙い目のモデル
2025年現在、中古のインサイトは世代によって価格帯が大きく異なります。
手頃な価格帯で探すなら2代目、少し予算を上乗せしてでも質の高い車を求めるなら3代目が主な選択肢となります。
2代目(ZE2)は、生産終了から時間が経っていることもあり、多くが総額30万円から80万円程度の予算で手に入ります。
対して3代目(ZE4)は、新車価格が高めだったものの不人気だった影響で、総額150万円から250万円前後で流通しており、その性能を考えると大変お買い得な状況です。

コスパが良いのはどのモデル?

性能と価格のバランスを考えると3代目が断然おすすめです
結論として、上質な走りと優れた燃費性能を持ちながら、中古車市場では割安に放置されている3代目インサイトが、今最も狙い目のモデルと言えます。
注意すべき弱点と故障しやすい箇所
中古車選びで失敗しないためには、そのモデルが抱える定番の弱点をあらかじめ知っておくことが大切です。
インサイトも世代によって注意すべきポイントが異なります。
特に中古市場での流通量が多い2代目(ZE2)は、 IMAバッテリーの劣化や発進時のCVTジャダー、エアコンコンプレッサーの不調などがよく知られた弱点です。
3代目(ZE4)は比較的新しく、大きな弱点はありませんが、電子パーキングブレーキ関連の警告灯点灯など、電装系の細かいトラブルが報告されています。
世代 | 主な弱点 | チェックポイント |
---|---|---|
2代目(ZE2) | IMAバッテリー劣化、CVTジャダー、エアコン不調 | バッテリー警告灯、発進時の振動、冷暖房の効き |
3代目(ZE4) | 電子パーキングブレーキ、その他電装系 | メーター内の警告灯、各電子装備の動作確認 |

素人でも弱点は見抜けるの?

試乗時に発進時の振動や異音がないか意識すれば大丈夫です
これらの弱点を理解した上で、試乗時にしっかりと確認すること、そして手厚い保証を用意している販売店を選ぶことが、賢い中古車選びの鍵となります。
バッテリーの寿命と交換費用はいくら?
ハイブリッドカーの購入を考える上で、誰もが気になるのが駆動用バッテリーの問題です。
インサイトのバッテリー寿命と交換費用は、世代によって大きく異なります。
2代目(ZE2)のIMAバッテリーは、走行距離15万km〜20万kmあたりが寿命の一つの目安です。
交換費用は、安価なリビルド品(再生品)を使えば約20万円から可能ですが、ディーラーで新品に交換すると40万円以上かかることもあります。
一方、3代目(ZE4)のe:HEV用バッテリーは耐久性が向上しており、現時点では寿命による交換事例はほとんど報告されていません。

バッテリー交換は必須と考えるべき?

走行距離が多い車両は交換の可能性も視野に入れておきましょう
中古車を選ぶ際は、保証でハイブリッドバッテリーがカバーされているかを確認することが重要です。
2代目(ZE2)の場合は、バッテリーの交換履歴が整備記録簿で確認できる車両を選ぶと、より安心して乗り始められます。
年間の維持費は?税金や車検代を解説
インサイトを所有した場合、年間でどれくらいの維持費がかかるのか、事前にシミュレーションしておくことは大切です。
ここでは税金や車検代、保険料などを含めた年間のコストを計算してみます。
税金は排気量で決まるため、1.3Lの2代目(ZE2)も1.5Lの3代目(ZE4)も自動車税は同区分です。
燃費性能は3代目の方が優れていますが、年間の維持費で考えると、両者に大きな開きはありません。
項目 | 2代目(ZE2) 1.3L | 3代目(ZE4) 1.5L |
---|---|---|
自動車税 | 34,500円 | 34,500円 |
重量税(1年あたり)※ | 12,300円 | 12,300円 |
自賠責保険料(1年あたり) | 約10,000円 | 約10,000円 |
車検基本料(1年あたり) | 約25,000円 | 約30,000円 |
任意保険料(年間) | 約60,000円 | 約70,000円 |
燃料代(年間1万km走行) | 約75,000円 | 約68,000円 |
年間維持費合計(目安) | 約216,800円 | 約224,800円 |
※エコカー減税は中古車の年式により適用外の場合あり。
表は標準税額で計算しています。

思ったより維持費がかかるんですね

税金は同クラスのガソリン車と同等ですが、燃料代で差がつきます
ハイブリッドカーだからといって維持費が特別安いわけではありません。
しかし、燃料代の安さは日々のランニングコストを確実に抑えてくれます。
このシミュレーションを参考に、購入後の資金計画を立てておきましょう。
2代目のCVTジャダーは大丈夫?
2代目インサイト(ZE2)の中古車を検討する上で、避けて通れないのが「CVTジャダー」の問題です。
CVTジャダーとは、主に発進時にアクセルを踏んだ際、車体がガクガク、ブルブルと不快に振動する現象を指します。
この原因は、トランスミッション内部にある発進用の湿式多板クラッチの摩耗です。
対策として最も有効なのは、ホンダ純正のCVTフルード(HMMF)を定期的に交換すること。
この交換作業はディーラーやカー用品店で1万円前後から行えます。
これを怠ると、最悪の場合クラッチの分解修理が必要になり、10万円以上の出費につながる可能性があります。

ジャダーが出ている車は避けるべき?

フルード交換で改善するケースが多いですが、試乗での確認は必須です
購入を検討する際は、必ず試乗して発進がスムーズかどうかを確認しましょう。
そして、整備記録簿でCVTフルードの交換履歴がきちんと残っている個体を選ぶことが、この問題を回避する最も確実な方法です。
後悔しないための中古車選びのコツ
これまで解説してきた注意点を踏まえ、最後に後悔しないインサイト選びのための実践的なコツをまとめます。
価格の安さや見た目のきれいさだけで判断せず、車の本質的なコンディションを見抜くことが重要です。
以下のチェックリストを参考に、信頼できる一台を見つけてください。
チェック項目 | 確認するポイント |
---|---|
整備記録簿の有無 | バッテリーやCVTフルードの交換履歴を確認する最重要書類 |
試乗での確認 | 発進時の振動(ジャダー)、エアコンの効き、異音・異臭 |
内外装の状態 | 年式相応か、過度な劣化や修復歴の有無 |
ハイブリッドシステムの保証 | 購入店の保証内容、特にバッテリー保証の期間と範囲 |

結局、一番大事なことは何ですか?

信頼できる販売店で、整備履歴が明確な一台を選ぶことです
安価な車両には、それなりの理由が隠れていることが多いものです。
価格だけで判断せず、車の状態や販売店の信頼性を総合的に見極めることが、満足度の高いインサイトを手に入れるための確実な道筋となります。
よくある質問(FAQ)
- Q「インサイト」という車名の意味は何ですか?ホンダはどのような動機で名付けたのでしょうか?
- A
インサイト(Insight)とは、英語で「洞察」や「物事の本質を見抜く力」を意味します。
ホンダは、時代の潜在ニーズを深く洞察し、未来のスタンダードとなる車を価値提供したいという想いを込めて名付けました。
- Q後部座席やトランクの広さは十分ですか?将来家族が増えても使えますか?
- A
2代目(ZE2)はコンパクトな設計ですが、日常的な利用であれば後部座席も十分な広さがあります。
3代目(ZE4)は車格が大きくなり、大人が座っても快適に過ごせる空間を確保しています。
トランクもハイブリッドカーとしては広く、ベビーカーなどの大きな荷物も積載可能です。
- Q乗り心地が硬いという評判を聞きますが、本当でしょうか?
- A
特に2代目(ZE2)は、燃費向上のためのタイヤや引き締まった足回りの影響で、路面の凹凸を拾いやすいと感じる方もいます。
一方、3代目(ZE4)はセダンとして上質な乗り心地に大きく進化させました。
こればかりは個人の感覚による違いが大きいため、試乗でご自身の感覚を確かめることが重要です。
- Q雪道や坂道での走行性能は心もとないですか?
- A
3代目(ZE4)のハイブリッドシステム「e:HEV」は、モーター主体で走行するため低速から力強く、坂道もスムーズに登ります。
2代目(ZE2)はモーターが補助的な役割なので、急な坂道ではエンジン音が気になる場面もあります。
いずれのモデルも4WDの設定はありません。
- Q初代や2代目は古いですが、修理用の部品はまだ手に入るのでしょうか?
- A
ご安心ください。
エンジンや足回りといった走行に関わる基本的な部品は、ホンダの供給体制が整っているため当面は心配いりません。
ただし、内装のパネルなど専用部品は生産終了品もあります。
その場合はリビルド品や中古部品を探すといった活用方法で対応するのが現実的です。
- Q不人気車だと聞きますが、リセールバリューは期待しないほうがいいですか?
- A
正直なところ、同年代のライバル車と比較するとリセールバリューは低い傾向にあります。
これは、中古車を安く購入できるという大きなメリットの裏返しです。
短期の乗り換えには不向きですが、長く乗り続ける前提であれば、購入時の安さがそのデメリットを十分に補います。
まとめ
ホンダ インサイトは、「失敗作」「売れなかった」という世間の評判とは裏腹に、ホンダらしい挑戦と個性が凝縮された一台です。
特に、上質な走りと優れた燃費性能を両立した3代目インサイトは、その実力に対して中古車価格が割安になっており、今がまさに狙い目の「隠れた名車」です。
この記事を読めば、インサイト選びで後悔しないための以下のポイントがわかります。
- 世間の評判だけでは測れない各世代の本当の魅力
- 後悔しないために必ず確認すべき世代ごとの弱点と維持費
- ライバル「プリウス」にはない、インサイトならではの運転する楽しさ
- 性能と価格のバランスが最も優れた、今買うべき狙い目のモデル
この記事で解説したチェックポイントを武器に、まずは中古車サイトをのぞいて、あなたの価値観に合う一台を探すことから始めてみましょう。
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