愛車の売却を考えたとき、正しい知識がないまま交渉に臨むと、気づかないうちに数十万円も損をしてしまうケースは少なくありません。
この記事では、ご自身の車の最新相場を調べる具体的な方法から、査定額が決まる基準、下取りより高く売るためのコツまで網羅的に解説します。
愛車の本当の価値を知るには、複数の買取店の価格を比較することが最も重要です。

ディーラーの下取り額が思ったより安いけど、本当の相場はいくらなんだろう?

この記事を読めば、客観的な相場観を養い、自信を持って愛車を最高額で売却できますよ
- 自分の車の最新相場がわかる具体的な調べ方
- 走行距離やメーカー別の査定価格の目安
- 査定額が大きく変わる7つの重要基準
- ディーラー下取りより数十万円高く売るコツ
あなたの車の査定相場!調べ方と基準
愛車の価値を正しく知ることは、満足のいく売却への第一歩です。
ディーラーの提示額だけで判断するのではなく、いくつかの方法で相場を調べることが大切になります。
なぜなら、1社だけの査定額は、あなたの車の本当の市場価値を反映しているとは限らないからです。
ここでは、ご自身の車の適正な相場を知るための具体的な方法と、価格が決まる基準を解説します。
相場の調べ方 | 手軽さ | 正確性 | 特徴 |
---|---|---|---|
一括査定サイト | ◯ | ◎ | 複数の買取店が競うため高値が出やすい |
ディーラーのシミュレーション | ◎ | △ | 新車購入時の下取り価格の目安になる |
中古車情報サイト | ◯ | △ | 販売価格から買取価格を推測できる |
買取店のサイト・アプリ | ◎ | ◯ | 大まかな相場をすぐに知ることができる |
ご自身の目的に合った方法を選び、まずは愛車の価値がどのくらいなのかを把握することから始めましょう。
車の査定相場を調べる4つの方法
ご自身の車の査定相場を知るには、主に4つの方法があります。
それぞれにメリットと注意点があるため、特徴を理解して使い分けるのがおすすめです。
最も正確な相場を知り、高値での売却を狙うなら、一度の入力で複数の買取店から見積もりが取れる一括査定サイトの利用が最善の方法です。
ガリバーのような大手買取店も参加しており、業者間の競争によって価格が上がりやすくなります。

いろいろ方法があるけど、どれが一番いいの?

正確な価格を知りたいなら一括査定、手軽に目安を知りたいならメーカーのシミュレーションがおすすめです
その他、新車購入を検討しているならディーラーのシミュレーション、大まかな価格を手っ取り早く知りたい場合は買取店のアプリなどが便利です。
自分の状況に合わせて最適な方法を選びましょう。
個人情報なしで相場を知るには?
「しつこい営業電話は避けたいけれど、愛車の値段は知りたい」という気持ち、よく分かります。
そのような場合は、個人情報の入力なしで大まかな相場を把握できるシミュレーターを利用するのが良いでしょう。
例えば、トヨタやホンダといったメーカーの公式サイトでは、車種・年式・グレードなどを選択するだけで、下取り参考価格を数秒で確認できるサービスがあります。
これにより、売却の第一歩として、おおよその価格帯を把握することが可能です。
サイトの種類 | 確認できること | 注意点 |
---|---|---|
メーカー公式サイト | 新車購入を前提とした下取り参考価格 | 買取相場より低めの価格が出やすい |
中古車情報サイト | 同じ条件の車の販売価格 | 販売価格には利益や経費が含まれる |
買取店の簡易査定 | 車種や年式から算出した概算の買取価格 | あくまで目安で、実際の査定額とは異なる |
これらの方法で分かるのは、あくまで目安の価格です。
より正確な金額を知るためには、最終的に専門家による実車の査定が必要になる点は覚えておきましょう。
下取りと買取の査定相場の違い
車を売却する方法には、新しい車を買う販売店に売る「下取り」と、中古車買取専門店に売る「買取」の2種類があります。
この2つは似ているようで、実は査定額に大きな差が出ることが少なくありません。
下取りとは、新車などの購入を条件に、今乗っている車をそのディーラーに引き取ってもらうこと。
一方、買取は、中古車買取専門店へシンプルに車を売却することです。
結論から言うと、一般的に「買取」のほうが高値がつく傾向にあります。
買取専門店は独自の販売ルートを国内外に持っているため、買い取った車を最も高く売れる市場へ流せます。
そのため、下取りに比べて10万円から20万円以上も高く売れるケースも珍しくありません。

ディーラーの下取り額が思ったより安かったんだけど、そんなものかな?

買取専門店の査定も受けて比較してみましょう。買取の方が高値になることが多いですよ
下取りは売却と購入の手続きが一度で済む手軽さがありますが、少しでも高く売りたいと考えるなら、買取専門店での査定は必須といえます。
相場が決まる!7つの査定基準とは
プロの査定士は、どこを見て車の価格を決めているのでしょうか。
査定額を左右する重要なポイントは、主に7つあります。
これらの基準を知ることで、自分の車がなぜその価格になるのかを理解できます。
査定額に特に大きな影響を与えるのが、事故などで車の骨格部分を修理・交換した「修復歴」の有無です。
修復歴があると判断された場合、安全性への懸念から査定額は大幅に下がります。
査定基準 | 価格への影響 |
---|---|
1. 車種・グレード | リセールバリューの高い人気車種や上級グレードは高評価 |
2. 年式 | 新しいほど高く、一般的に3年落ち、5年落ちで一段階下がる |
3. 走行距離 | 年間1万kmが目安。少ないほど車の消耗が少ないと見なされる |
4. ボディカラー | 定番の白・黒・パールホワイトは人気が高く、プラス査定になりやすい |
5. 内外装の状態 | きれいに保たれているか。傷・へこみ・シートの汚れ・臭いは減点対象 |
6. 修復歴の有無 | 骨格部分の修理・交換。査定額が大きく下がる最大の要因 |
7. オプション装備 | 純正ナビ、サンルーフ、本革シート、先進安全装備はプラス評価 |
これらの基準を総合的に評価し、中古車市場の需要と供給のバランスを加味して、最終的な買取価格が決定されます。
走行距離で見る査定相場の下落率
車の価値を判断する上で、年式と並んで重視されるのが走行距離です。
走行距離は、エンジンや足回りといった部品の消耗度合いを示す分かりやすい指標だからです。
年間の平均的な走行距離は8,000kmから1万kmとされており、これより大幅に多いと「過走行」と見なされることがあります。
一般的に、走行距離が5万km、そして10万kmという節目を超えると、査定額が大きく下がる傾向にあります。
新車価格からの下落率で考えると、5万kmで約40%~60%、10万kmを超えると70%以上の価値が下がるのが一つの目安です。

走行距離6万キロだと、やっぱり値段は下がるよね…?

年式相応の走行距離であれば大きなマイナスにはなりません。むしろ定期的なメンテナンス履歴があればプラスに働くこともありますよ
ただし、これはあくまで目安です。
最近の車は性能が向上しており、10万kmを超えても問題なく走行できる車はたくさんあります。
走行距離だけで判断せず、車の全体的な状態が大切になることを覚えておきましょう。
【人気車種別】メーカー別査定相場表
ご自身の車の相場観をつかむために、市場で人気のある車種が実際にどのくらいの価格で取引されているのかを見てみましょう。
自分の車と同じメーカー・車種の相場を知ることで、査定交渉の際の目安になります。
トヨタの「アルファード」やホンダの「N-BOX」といったリセールバリューの高い車種は、数年経っても高い価格を維持する傾向があります。
以下に代表的な車種の買取相場目安をまとめました。
メーカー | 車種 | 年式/走行距離 | 買取相場目安 |
---|---|---|---|
トヨタ | プリウス | 5年落ち/5万km | 120万円~150万円 |
トヨタ | アルファード | 3年落ち/3万km | 380万円~450万円 |
ホンダ | N-BOX | 3年落ち/3万km | 130万円~160万円 |
ホンダ | フィット | 5年落ち/5万km | 60万円~90万円 |
日産 | セレナ | 5年落ち/5万km | 130万円~170万円 |
スズキ | ハスラー | 3年落ち/3万km | 100万円~130万円 |
この表はあくまでも2024年時点での目安であり、実際の買取価格はグレード、色、車の状態、そして売却するタイミングによって変動します。
正確な価格を知るためには、一括査定などを利用して複数の業者から見積もりを取るのが最良の方法です。
車の査定相場以上で売るためのコツ
車の価値は、売却するちょっとした工夫で大きく変わります。
相場を把握した上で、これから紹介する実践的なテクニックを知っているかどうかが、数十万円の差を生むこともあります。
大切なのは、複数のコツを組み合わせて、総合的に価値を高める意識を持つことです。
アプローチ | 主なポイント |
---|---|
時期・タイミング | 1月~3月の需要期、9月の決算期、モデルチェンジ前 |
アピールポイント | 純正オプション、整備記録簿、禁煙車であること |
交渉術 | 複数社の査定額を比較材料にする |
特殊なケース | 10年落ちでも価値が残る車種を知る |
事前準備 | 傷やへこみは無理に修理しない |
これらのコツを実践することで、ディーラーの下取り額や一般的な相場を超える価格での売却が現実的になります。
少しの手間が、愛車の価値を最大限に引き出すことにつながるのです。
相場より高く売れる時期とタイミング
中古車市場の需要には波があり、高く売れる時期を見極めることが重要です。
年間で最も高値がつきやすいのは、新生活の準備が始まる1月〜3月のタイミングといえます。
この時期は、就職や転勤などで車を求める人が増え、中古車販売店は在庫を確保するために買取を強化します。
その結果、通常の時期に比べて査定額が5%〜10%ほど高くなることも珍しくありません。
同様に、販売店の半期決算にあたる9月も狙い目です。
時期 | なぜ高く売れやすいのか |
---|---|
1月~3月 | 新生活に向けて中古車の需要が年間で最も高まる |
9月 | 中古車販売店の半期決算期で、販売目標達成のために在庫確保に動く |
モデルチェンジ前 | 新型モデルが登場すると旧型モデルの相場が下がるため、その前に売却する |

モデルチェンジの情報ってどうやって知るの?

自動車メーカーの公式サイトや、MOTA、レスポンスといった自動車専門ニュースサイトで発表されることが多いですよ。
車の需要が高まる時期や、お乗りの車の価値が下がる直前を狙うことで、より有利な条件での売却が可能です。
プラス査定!評価が上がるポイント
査定では、減点方式だけでなく加点方式の評価も行われます。
査定士にしっかりアピールすることで、査定額の上乗せが期待できます。
中でも、工場出荷時にしか取り付けられないメーカーオプションは大きなアピールポイントです。
例えば、サンルーフや本革シート、先進安全装備といったメーカーオプションは中古車市場でも人気が高く、装備されているだけで5万円から10万円以上のプラス査定につながる場合があります。
ほかにも、定期的なメンテナンスの証明となる整備記録簿や、人気のボディカラーも評価を高める要素です。
評価が上がる項目 | 評価されやすい理由 |
---|---|
純正メーカーオプション | サンルーフ、本革シート、純正ナビ、先進安全装備など後付けできない装備 |
人気のボディカラー | パールホワイト系、ブラック系などの定番色 |
整備記録簿(メンテナンスノート) | 定期的に点検・整備が行われていたことの信頼できる証明 |
禁煙車・ペット同乗歴なし | 内装の状態が良く、不快なにおいがないため次の買い手が見つかりやすい |
ワンオーナーカー | 1人のオーナーが所有していた車は、丁寧に扱われていたと判断されやすい |
査定当日までに、これらのプラスポイントを整理し、アピールできるよう準備しておきましょう。
忘れずに伝えることが、査定額アップの鍵となります。
相場を知った上での価格交渉術
ご自身で調べた査定相場は、買取店との価格交渉を有利に進めるための強力な材料となります。
交渉を成功させる上で最も効果的なのは、複数の買取店から取得した査定額を比較材料として使うことです。
1社だけの査定額では、その価格が本当に市場価値を反映しているのか判断できません。
しかし、「A社では150万円、B社では155万円という査定額でした」と伝えるだけで、査定士はあなたの本気度を察知し、競争意識からより高い金額を提示する可能性が高まります。
この一言で、最初の提示額から数万円の上乗せを引き出せるケースも少なくありません。

希望額を聞かれたら、どう答えればいい?

「一番高い金額を提示してくださったお店に売却を考えています」と伝え、具体的な希望額は交渉の最後の切り札として温存するのが有効です。
感情的にならず、客観的なデータに基づいて冷静に交渉することが、納得のいく価格を引き出すための秘訣です。
10年落ち・10万キロ超えの査定相場
「10年落ち」や「走行距離10万キロ超え」の車は、一般的に価値が低いと見なされがちです。
しかし、車種や状態によっては十分に値段がつくため、諦めるのはまだ早いです。
特にトヨタのランドクルーザーやハイエースのような車種は、その耐久性と信頼性から海外で絶大な人気を誇ります。
そのため、国内では値段がつきにくいような古い年式や過走行の車でも、数十万円の査定額がつくケースがあります。
国内でも、維持費の安さから軽自動車は根強い需要があります。
車種カテゴリ | 価値が残りやすい代表的な車種 |
---|---|
SUV | トヨタ ランドクルーザー、スズキ ジムニー |
商用バン・ワンボックス | トヨタ ハイエース、トヨタ アルファード |
軽自動車 | ホンダ N-BOX、スズキ スペーシア |
スポーツカー | トヨタ GR86、マツダ ロードスター |
年式や走行距離という数字だけで判断せずに、一度査定に出してみることをおすすめします。
海外への販路を持つ買取店などでは、予想以上の評価を得られる可能性があります。
傷やへこみは修理した方が得?
愛車に傷やへこみがあると、査定前に修理した方が良いのか迷うところです。
しかし、結論としてほとんどの場合、修理せずそのままの状態で査定に出す方が金銭的な負担は少ないです。
その理由は、修理費用が査定額のアップ分を上回ってしまうからです。
例えば、バンパーの擦り傷を板金塗装工場で3万円かけてきれいに直しても、査定額の上昇は1万円〜2万円程度にとどまることがほとんどです。
買取業者は自社の提携工場などで安価に修理できるため、査定時の減額幅は個人が修理に出す費用よりも小さく済みます。

洗車くらいはしておいた方がいいよね?

はい、もちろんです。きれいに洗車し、車内を清掃しておくと査定士の印象が良くなり、車を大切に扱っていたというアピールになります。
修理にお金と時間をかけるよりも、その分を買取価格の交渉材料として考えた方が合理的です。
きれいに清掃した上で、ありのままの状態で査定に臨みましょう。
よくある質問(FAQ)
- Q車検は残っている期間が長いほうが、査定価格は高くなりますか?
- A
はい、車検の残り期間が長いほど査定ではプラス評価になります。
しかし、車検を通すためにかかる費用ほど査定価格が上がることは少ないため、売却のためにわざわざ車検を通すのはおすすめしません。
車検が切れる直前であれば、切れる前に売却する方が少しでも高く売るコツと言えます。
- Q事故で修理した車(修復歴あり)でも買取してもらえますか?
- A
はい、修復歴のある車でも売却することは可能です。
ただし、車の骨格部分を修理している場合、査定価格は大幅に下がります。
ディーラーでの下取りでは値段がつかないケースもありますが、修復歴車を専門に扱う買取店や海外に販路を持つ業者であれば、買取してもらえる可能性があります。
諦めずに複数の業者へ見積もりを依頼しましょう。
- Qオンライン査定やシミュレーションで出た価格は正確ですか?
- A
オンライン査定やメーカーサイトのシミュレーションで提示される価格は、あくまで「目安」と考えるのが良いでしょう。
これらの調べ方では、内外装の傷やエンジンの状態といった個別のコンディションが反映されないため、実車査定の価格と差が出ることがほとんどです。
正確な売却価格を知るには、買取店による無料の訪問査定を受ける必要があります。
- Q車の売却に必要な書類は何を準備すればよいですか?
- A
普通自動車の売却では、基本的に以下の書類が必要です。
軽自動車の場合は印鑑登録証明書と実印が不要になるなど、一部異なりますので注意してください。
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書
- リサイクル券
- 印鑑登録証明書(発行から1ヶ月以内のもの)
- 実印
- 譲渡証明書・委任状(買取店が用意します)
- Q一括査定を申し込むと電話がたくさんかかってくるのが不安です。
- A
一括査定サイトからの営業電話を避けたいお気持ち、よく分かります。
サイトによっては、申し込みフォームで連絡希望時間帯を指定できる場合があります。
また、「まずはメールでの連絡を希望します」と備考欄に記載しておくのも一つの方法です。
いくつかの買取店とやりとりをして、信頼できそうな業者に絞ってから電話での相談に進めると、やりとりがスムーズになります。
- Q5年落ちや10年落ちの車は、どのくらい価格が下がるものですか?
- A
車の価値は年式によって大きく変動します。
一般的な目安として、5年落ちで新車価格の40〜50%程度、10年落ちになると10〜20%程度まで価格が下がることが多いです。
ただし、これはあくまで目安です。
トヨタのSUVやホンダの軽自動車といった人気車種は中古車市場でも需要が高く、年式が古くても相場以上の価格がつくケースもあります。
まとめ
この記事では、車の査定相場をご自身で調べる方法から、価格が決まる基準、相場以上に高く売るためのコツまでを網羅的に解説しました。
愛車の本当の価値を知り、損をしない売却を実現するためには、複数の買取店の査定額を比較することが何よりも重要です。
- シミュレーションサイトなどを活用した査定相場の調べ方
- 年式や走行距離、車の状態など価格が決まる7つの基準
- ディーラーの下取りより買取専門店の方が高値になりやすいという事実
- 時期を見極め、プラス評価点をアピールするなど高く売るためのコツ
この記事を参考に、まずは無料の一括査定を利用して、あなたの愛車がいくらで売れるのか、その本当の価値を確かめてみませんか。
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