三菱商事の株価は今後どこまで上がる？バフェットも認める高配当と累進配当の魅力を解説

三菱商事の株価は、著名投資家ウォーレン・バフェット氏からのお墨付きもあって歴史的な高値圏で推移しています。

この記事では、株価上昇の背景にある5つの理由や今後の見通し、魅力的な配当を分析し、今が買い時なのかという投資判断の材料を提供します。

• 三菱商事の株価が好調な5つの理由
• アナリスト予想から見る今後の株価見通し
• 魅力的な配当や株主還元の詳細
• 新NISAも活用できる初心者向けの買い方

三菱商事の株価はなぜ強い？今後の見通しを分析

三菱商事の株価が好調な背景には、世界的な投資家であるウォーレン・バフェット氏からの高い評価があります。

バフェット氏が日本の総合商社へ投資したことが、世界中から注目を集めるきっかけとなりました。

その強固な事業基盤と、株主を大切にする経営姿勢を分析すると、長期的な資産形成を目指す上で有力な投資先候補であることがわかります。

歴史的な高値圏で推移している株価は、その企業価値の高さの表れともいえるでしょう。

最新の三菱商事株価と分割後のチャート

三菱商事の株価は、日経平均株価を上回る勢いで上昇し、歴史的な高値圏で推移しています。

特に注目すべきは、2024年1月1日に実施された1株を3株にする株式分割です。

この株式分割により、投資家にとっての買いやすさが向上しました。

例えば、分割前は約7,000円だった株価が、分割後は約2,300円台になりました。

これにより、100株購入するために必要だった約70万円の資金が、約23万円程度で済むようになったのです。

この変化は、新NISAの成長投資枠を活用したい個人投資家にとって、大きな追い風となっています。

最低投資金額が下がったことで、これまで以上に多くの投資家が三菱商事の株を取引できるようになり、市場での売買が活発になりました。

この流動性の高まりも、安定した株価形成に寄与しています。

株価上昇の理由①：バフェット効果と円安

近年の株価上昇を語る上で欠かせないのが、「ウォーレン・バフェット効果」です。

これは、世界で最も著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが、三菱商事をはじめとする日本の五大総合商社の株式を大量に取得したことから始まりました。

バフェット氏は、日本の総合商社が持つ「割安な株価」「高い配当」「安定したビジネスモデル」を高く評価しています。

世界一の投資家からのお墨付きを得たことで、国内外の投資家がその価値を再認識し、買い注文が集まる結果となりました。

また、2022年以降の急速な円安も、三菱商事の業績を押し上げる要因です。

海外で稼いだドル建ての利益を円に換算する際に、円安であるほど金額が膨らみ、見かけ上の利益が増加するからです。

このバフェット効果と円安という二つの追い風が、三菱商事の株価を力強く押し上げる原動力になっているのです。

株価上昇の理由②：三菱商事の事業と強み

三菱商事の強みは、「ラーメンからミサイルまで」と例えられるほど、幅広い事業を多角的に展開している点にあります。

事業は大きく「資源分野」と「非資源分野」の二つに分かれており、このバランスの取れたポートフォリオが経営の安定性を生んでいます。

資源分野は天然ガスや原料炭など、非資源分野は食品や化学品、機械など多岐にわたります。

資源分野は市況価格の変動で業績が大きく左右される一方、非資源分野は景気の影響を受けにくく、安定した収益が見込める特徴があります。

この構造により、仮に資源価格が下落しても、非資源分野の利益が会社全体を支えることができるのです。

事業分野	主な内容	特徴
資源分野	天然ガス、原料炭、銅などの開発・生産・販売	資源価格の変動を受けやすいが、高騰時には大きな利益を生む
非資源分野	食品、化学品、機械、コンシューマー産業、電力など	景気変動の影響が比較的小さく、安定した収益基盤となる

特定の事業に依存しない経営スタイルが、外部環境の変化に対する耐性を高め、長期にわたる安定成長の基盤を築いています。

アナリスト予想から見る三菱商事の目標株価

今後の株価の動向を探る上で参考になるのが、証券会社の専門家であるアナリストによる目標株価の予想です。

アナリストは、企業の業績や財務状況、将来性を分析し、株価が今後どの水準まで上昇または下落するかの見通しを立てます。

2024年5月時点のデータを見ると、多くのアナリストが三菱商事の株価に対して強気の見方を示しています。

例えば、国内の証券会社アナリスト20名のうち18名が「買い」や「強気」のレーティングを付けており、目標株価の平均値は3,000円を超えています。

これは、専門家の目から見ても、現在の株価にはまだ上昇の余地があると判断されていることを意味します。

評価項目	内容の目安
レーティングコンセンサス	強気（買い推奨が多数）
平均目標株価	3,000円台前半
アナリストの注目点	PBR1倍超え達成後のさらなる株主還元策

アナリストは特に、今後の株主還元策の強化に期待を寄せています。

市場の専門家たちからの高い評価は、投資を検討する際の心強い判断材料となるでしょう。

今後の株価に影響する好材料と懸念材料

三菱商事への投資を判断する際には、今後の株価に影響を与えるプラス要因とマイナス要因の両方を理解しておくことが大切です。

ここでは、今後の株価を左右する好材料と懸念材料を整理します。

最大の好材料は、なんといっても積極的な株主還元策です。

原則として減配しない「累進配当」や大規模な自社株買いは、株価の下支えとなり、投資家に安心感を与えます。

一方で、懸念材料も存在します。

三菱商事の利益の一部は資源分野に依存しているため、原油や天然ガスなどの国際的な資源価格が下落すると、業績に影響が出る可能性があります。

項目	内容
好材料	積極的な株主還元（累進配当・自社株買い）
	非資源分野の安定的な成長
	ウォーレン・バフェット氏による追加買い増しへの期待
懸念材料	国際的な資源価格（原油・天然ガス・石炭）の下落
	世界的な景気後退やインフレの長期化
	中国の景気減速や地政学リスクの高まり

これらのリスクは常に存在しますが、三菱商事のバランスの取れた事業ポートフォリオは、そうしたリスクを吸収する力を持っています。

好材料と懸念材料を天秤にかけた上で、長期的な視点で投資を判断することが求められます。

三菱商事の株価は買い時？高配得と株主還元策

三菱商事への投資を考える上で、最も注目すべきなのは株主を大切にする姿勢です。

安定した配当や自社株買いといった株主還元策は、他の優良企業と比較しても魅力的であり、長期的な資産形成を目指す上で心強い支えとなります。

ここでは、五大総合商社の株主還元に関する指標などを比較してみましょう。

会社名	時価総額(目安)	PBR(目安)	配当利回り(目安)	特徴
三菱商事	約10兆円	約1.1倍	約3.2%	資源・非資源バランス型、累進配当
三井物産	約9兆円	約1.1倍	約3.4%	資源（特に金属）に強み、累進配灯
伊藤忠商事	約9兆円	約1.5倍	約2.8%	非資源（生活消費）に強み、累進配当
住友商事	約4兆円	約1.0倍	約3.6%	メディア・不動産等に強み、累進配当
丸紅	約4兆円	約1.1倍	約3.5%	穀物・電力に強み、累進配当

各社とも株主還元には積極的ですが、三菱商事は事業の安定性と成長性のバランスが良く、安心して配当を受け続けたいと考える投資家から高い評価を得ています。

これから、三菱商事の株主還元の魅力について、一つひとつ詳しく見ていきましょう。

【魅力】累進配当と積極的な自社株買い

三菱商事の大きな魅力の一つが「累進配当」です。

これは、業績が悪化したとしても安易に減配（配当金を減らすこと）はせず、配当額を維持、または増額（増配）していくという方針を指します。

この方針は、株主への安定した利益還元を約束するものです。

実際に、2023年度の決算では、配当と自社株買いを合わせた総還元性向（純利益のうち、どれだけを株主へ還元したかを示す割合）が37.4%に達しました。

業績に左右されず安定した配当が期待できる累進配当と、1株あたりの価値を高める自社株買いの組み合わせは、株価の下支えと上昇の両方に貢献する投資家にとって心強い仕組みなのです。

三菱商事の配当金はいつ？権利確定日を解説

三菱商事の配当金を受け取るためには、「権利確定日」に株主名簿に名前が記載されている必要があります。

配当は年に2回、中間配当と期末配当に分けて支払われます。

それぞれの権利確定日は、中間配当が9月30日、期末配当が3月31日です。

実際に配当金を受け取れるのは、権利確定日から2〜3ヶ月後になります。

項目	日程の目安
中間配当 権利確定日	9月30日
中間配当 権利付最終日	9月下旬の営業日（確定日の2営業日前）
中間配当 支払時期	12月上旬頃
期末配当 権利確定日	3月31日
期末配当 権利付最終日	3月下旬の営業日（確定日の2営業日前）
期末配当 支払時期	6月下旬頃

注意点として、株を購入してから株主名簿に登録されるまでにはタイムラグがあります。

そのため、権利確定日の2営業日前である「権利付最終日」までに株を購入しておく必要があります。

2024年の株式分割による株価への影響

三菱商事は2024年1月1日に「株式分割」を実施しました。

これは、1株をいくつかに分割して、投資家が株を買いやすくする制度です。

三菱商事の場合は、1株が3株に分割されました。

この株式分割により、投資に必要な最低金額が大きく変わりました。

例えば、分割前に株価が7,000円だった場合、100株買うのに70万円必要でしたが、分割後は株価が約2,333円になり、100株を約23万円で購入できるようになったのです。

最低投資金額が下がったことで、個人投資家でも手が届きやすくなりました。

特に、年間240万円という上限がある新NISAの成長投資枠を活用しやすくなった点は、大きなメリットと言えるでしょう。

【ライバル比較】他の五大総合商社と徹底比較

冒頭の比較表でもお見せした通り、五大総合商社はそれぞれ独自の強みを持っています。

三菱商事の最大の特色は、資源分野と非資源分野の事業バランスが取れている点です。

例えば、伊藤忠商事はコンビニエンスストアのファミリーマートを傘下に持つなど、私たちの生活に近い非資源分野に強みを持っています。

そのためPBR（株価純資産倍率）が約1.5倍と、市場から高い成長性を評価されています。

一方で、三井物産は鉄鉱石などの金属資源に強く、資源価格の動向が業績に与える影響が大きくなります。

こうしたライバル企業と比較することで、特定の分野に依存せず、安定した収益基盤を築いている三菱商事の「総合力」がより鮮明になります。

景気の波に左右されにくい安定性を求めるなら、三菱商事は有力な選択肢となるでしょう。

三菱商事の株を100株買うのにいくら必要？

三菱商事の株主になるために必要な最低投資金額は、現在の株価と売買単位（100株）で計算できます。

株式投資は、この最低投資金額を用意することから始まります。

計算式は「現在の株価 × 100株」です。

仮に、三菱商事の株価が2,500円だとすると、「2,500円 × 100株 = 250,000円」が必要な資金の目安となります。

2024年の株式分割によって、以前の3分の1の資金で投資できるようになりました。

かつては富裕層のイメージがあった総合商社の株主ですが、今では個人投資家にとっても身近な存在になったのです。

三菱商事株の買い方とおすすめネット証券

証券口座さえ開設すれば、3つの簡単なステップで三菱商事の株を購入できます。

専門的な知識がなくても、スマートフォンのアプリなどから手軽に取引を始められます。

新NISAの「成長投資枠」を使えば、配当金や株を売って得た利益（譲渡益）にかかる約20%の税金が非課税になるので、ぜひ活用しましょう。

証券会社	特徴
SBI証券	口座開設数No.1、TポイントやPontaポイントが貯まる・使える
楽天証券	楽天ポイントが貯まる・使える、初心者にも分かりやすい取引画面
マネックス証券	米国株の取扱いに定評、分析ツールが豊富

まとまった資金がなくても、証券会社によっては1株から株を購入できる「単元未満株」というサービスがあります。

このサービスを利用すれば、数千円からでも三菱商事への投資を始めることが可能です。

ご自身の投資スタイルに合った証券会社を選び、まずは口座開設から一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

• 【魅力】累進配当と積極的な自社株買い
• 三菱商事の配当金はいつ？権利確定日を解説
• 2024年の株式分割による株価への影響
• 【ライバル比較】他の五大総合商社と徹底比較
• 三菱商事の株を100株買うのにいくら必要？
• 三菱商事株の買い方とおすすめネット証券

よくある質問（FAQ）

まとめ

三菱商事の株価は、著名投資家からの評価や安定した事業を背景に、歴史的な高値圏で推移しています。

特に、原則として減配しない「累進配当」をはじめとした手厚い株主還元策は、長期的な資産形成を目指す投資家にとって大きな魅力です。

• 著名投資家も評価する資源・非資源のバランス経営
• 原則減配しない「累進配当」と積極的な自社株買い
• 株式分割による投資の始めやすさ

この記事で事業の強みや今後の見通しを理解できたなら、次の一歩を踏み出してみませんか。

「安定した配当収入を得たい」「日本を代表する企業を応援したい」と考える方は、まずは少額からでも始められる証券口座を開設し、三菱商事への投資を具体的に検討してみてはいかがでしょうか。