襖(ふすま)は、和室を仕切る重要な建具。
見た目の美しさだけでなく、遮音性や断熱性にも影響します。
しかし「自宅の襖のサイズがわからない」「測り方が合っているか不安」という方は多いのではないでしょうか。この記事では、襖の標準寸法・正しい測り方・張替え時の注意点を分かりやすく解説します。
一般住宅やマンション、古民家など、どんなタイプの住まいでも参考になる「完全ガイド」です。

襖(ふすま)のサイズを正しく知ろう|まずは基本構造から理解

襖の役割と構造
襖は「本襖」「戸襖」「発泡スチロール襖」などの種類があり、内部構造で厚みや重量が異なります。
- 本襖:木枠+下張り+和紙構造で、伝統的な和室に使われる
- 戸襖:木枠の両面にベニヤ板を貼った構造で、耐久性が高い
- 発泡スチロール襖:軽量で扱いやすく、マンションにも多いタイプ
サイズを理解する前に押さえる基礎
襖のサイズは「高さ×幅×厚み」で表され、建具枠にぴったりはまる寸法が必要です。
1mm単位の誤差でも、開閉不良の原因になります。
住宅タイプで異なる傾向
- 和室住宅:180cm前後の標準サイズ
- マンション:やや低めの170cm前後が多い
- 古民家:200cmを超える特注サイズも存在
張替えや交換時にサイズ確認が重要な理由
サイズを誤ると「襖が入らない」「隙間ができる」といったトラブルにつながります。
張替え前の採寸は必ず行いましょう。
襖の標準サイズ一覧【高さ・幅・厚みの目安表付き】
一般的な襖のサイズ目安
用途 | 高さ(mm) | 幅(mm) | 厚み(mm) |
一般住宅(本襖) | 約1,800〜1,850 | 約900 | 約30 |
マンション | 約1,700〜1,800 | 約900 | 約25 |
押入れ襖 | 約1,200〜1,500 | 約900 | 約25 |
特注(古民家など) | 約2,000以上 | 約950〜1,000 | 約30以上 |
建具別のサイズ特徴
- 本襖:厚みがあり高級感が出る
- 戸襖:軽くて扱いやすく、洋室にも合う
- 押入れ襖:低めのサイズで軽量
非標準サイズの注意点
古い家やリフォーム済み住宅では、既製品が合わないケースもあります。
その場合は、オーダーサイズやリサイズ対応が必要です。
襖サイズの測り方|正確に採寸するためのポイントと手順

測定前の準備
- メジャー(2m以上)
- メモ帳・ペン
- できれば水平器やスケールも用意
採寸の手順
- 高さ:敷居から鴨居の内寸を3カ所(左・中央・右)測る
- 幅:左右2〜3カ所を測り、最も短い寸法を基準にする
- 厚み:襖の端を測定し、既製品規格に合わせる
よくある採寸ミス
- メジャーを床に押し付けて測りすぎる
- 1カ所だけで測定する
- 木枠の反りや歪みを無視する
精度を上げるコツ
3点測定を基本とし、数値にバラつきがあれば平均値−1〜2mmを目安に調整します。
サイズ別に見る襖の種類と特徴
大サイズ襖(180cm以上)
和室の間仕切りや客間に多く、存在感があります。
張替え費用はやや高めですが、高級感が出ます。
中サイズ襖(標準住宅)
一般住宅に最も多く、既製品が豊富でコスパが良いタイプです。
小サイズ襖(押入れ用)
軽量で扱いやすく、DIY張替えにも向いています。
厚み別の選び方
20mm〜30mmが主流。30mm厚は高級和室仕様、25mm厚はマンション向けが多いです。
オーダー襖・特注サイズの選び方と費用目安

オーダー襖が必要なケース
- 古民家など建具が規格外
- 枠の歪みが大きい
- デザインや素材にこだわりたい場合
オーダーの費用相場
- 小サイズ:約8,000〜12,000円
- 大サイズ:約15,000〜25,000円
- 高級和紙や織物使用時は30,000円超も
オーダー時の注意点
採寸を自分で行うと誤差が生じやすいため、プロに測定依頼するのが安全です。
襖張替え時に注意したいサイズのポイント
張替え前に必ず確認すべきこと
襖紙だけでなく、骨組みや枠の歪みもチェックしましょう。
これを怠ると張替え後に「入らない」「擦れる」などの問題が発生します。
よくあるトラブル例
- 張替え後に開閉が硬くなる
- 枠より大きくなってしまう
- 両面施工で厚みが増してはまらない
対策のコツ
張替え時は1〜2mm小さめを意識し、湿度による伸縮も考慮します。
襖サイズ調整・リメイクの方法【高さ・幅を合わせるコツ】
襖が大きすぎる場合
カンナや紙ヤスリで微調整。削りすぎに注意。
小さすぎる場合
すき間テープやアジャスターを使って隙間を補修できます。
古い襖の再利用
寸法が合わない古い襖でも、リサイズ+新しい襖紙で再利用可能です。
襖サイズと費用の関係|張替え・新調の価格目安
サイズ | 張替え費用相場(片面) | 新調費用目安 |
小サイズ | 2,000〜4,000円 | 8,000〜15,000円 |
中サイズ | 3,000〜6,000円 | 12,000〜20,000円 |
大サイズ | 5,000〜9,000円 | 20,000〜30,000円 |
大きい襖ほど紙や材料費が増えるため、費用も高くなります。
また、オーダーサイズは既製品より2〜3割高が一般的です。
まとめ|襖サイズを正しく測って、失敗しない張替えを
襖のサイズを正確に把握することは、張替えや新調の仕上がり・費用・耐久性を左右します。
ポイントまとめ
- 標準サイズ:高さ180cm前後・幅90cm前後が目安
- 採寸は3点測定+平均値−1〜2mmで調整
- オーダーや張替え時は必ずプロ採寸を確認
- 湿度・季節による膨張も想定して寸法設定を
正確な採寸と知識があれば、襖の張替えはもっとスムーズに、そして美しく仕上がります。
ぜひこの記事を参考に、自宅にぴったりの襖サイズを把握し、安心して張替えに挑戦してみてください。
