冬といえば、どんな味覚を思い浮かべますか?鍋や旬の魚などさまざまありますが、やはり「冬の王様」といえばカニでしょう!
ぷりぷりの白身を口にした瞬間の至福感は格別で、多くの人がカニを大好きな理由も納得です。
カニを通販で購入すると、多くの場合は冷凍状態で届きます。ここでは、美味しく食べるための正しい手順をご紹介します。
カニの美味しい解凍方法
せっかくのカニも、解凍方法を誤ると風味や食感を大きく損なってしまいます。身が水っぽくなったり旨味が抜けたりすると、せっかくの贅沢なカニ料理も台無しです。
美味しさをそのまま楽しむためには「低温でゆっくり解凍」するのが基本であり、カニの繊細な甘みやぷりぷりとした食感を守るための最も重要な工程といえるでしょう。
時間はかかりますが、その分だけ食べたときの満足感が格段に違ってきます。
避けるべき解凍法
常温での解凍はNGです。室温で急速に解凍を進めてしまうと、氷と一緒に旨味成分がどんどん流れ出してしまい、結果として身が水っぽくなり風味も大きく落ちてしまいます。
さらに、温度が上がることで雑菌が繁殖しやすくなる危険性もあるため、食の安全面でも望ましくありません。
せっかくのカニの繊細な甘みや食感を守るためにも、常温での解凍は避け、必ず冷蔵庫など低温環境でじっくり解凍するようにしましょう。
おすすめの解凍時間目安
- タラバガニの脚:約24時間
- 毛ガニ:約24時間
- ズワイガニ(姿):約18時間
- ズワイガニの脚:約12時間
冷蔵庫で時間をかけて解凍することが最大のポイントです。
冷気の中でじっくりと解凍することで、カニの持つ甘みや旨味を閉じ込めたまま自然に解凍され、ぷりぷりとした食感や風味を損なうことなく味わえます。
急いでしまうとどうしても味が落ちてしまうため、前日に準備しておくなど、計画的に時間を確保して冷蔵庫解凍を行うのが理想的です。
冷蔵庫解凍の注意点
- 乾燥防止のため、新聞紙やキッチンペーパーで包み、さらにビニール袋に入れる
- 甲羅付きは「甲羅を下」にして解凍するとカニ味噌が流れにくい
- 食べる分だけ解凍し、再冷凍は避ける
急いで解凍する場合
時間がないときは、ビニール袋に入れ流水解凍を行うのが最も現実的です。
ボウルなどに水を張り、袋ごと沈めて常に水を流し続ければ、比較的短時間で均一に解凍が進みます。
ただし、あまり強い水流を当てすぎると表面が傷みやすいので、優しく流水を当てるのがポイントです。どうしても早く食べたい場面でも、電子レンジでの解凍は絶対に避けましょう。
レンジ解凍では熱のかかり方にムラができ、身が固くなったり水っぽくなって風味が大きく損なわれてしまいます。
流水解凍であれば、冷蔵庫ほど時間はかかりませんし、味や食感も十分に保つことができます。
カニの解体方法
解体とは、カニの甲羅と脚を分けて、中の繊細な身を取り出す一連の作業を指します。
カニを丸ごと楽しむためには欠かせないプロセスであり、見た目は少し大変そうですがコツを覚えれば誰でも行うことができます。
解体を行うと、カニみそや胴体の身まで余すことなく味わえるので、食べる満足感もぐっと増します。
作業をスムーズに、そして安全に行うために、以下の道具を事前に準備しておきましょう。
かにの解体に必要なもの
- キッチンばさみ or 包丁
- 軍手
- 新聞紙
- 皿
トゲで手を傷つけないよう、軍手を着用するのがおすすめです。
特にカニの殻には鋭い部分が多く、素手で扱うと小さな切り傷や刺し傷を負いやすいので注意が必要です。
軍手をつけておけばしっかりとカニを押さえられるため作業も安定し、力を入れるときの滑り止めにもなります。
安全かつ効率的に解体を進めるためには欠かせない準備といえるでしょう。
解体の流れ
1.脚と胴体を切り離す
関節部分にハサミを入れ、殻が比較的柔らかい部分を見つけて丁寧に切り込みを入れると安全です。力を入れすぎると殻が飛び散ったり、身を傷つける原因になるため、少しずつカットしながら確実に切り離すようにしましょう。
2.フンドシを外す
腹の三角形部分を指で外します。この部分は地方によっては「前かけ」とも呼ばれ、親指をかけて少し力を加えると簡単に外すことができます。殻が硬い場合は、軽くハサミを添えて切れ目を入れるとスムーズです。取り外すときに勢いをつけすぎると中の身が崩れてしまうことがあるので、丁寧に作業するのがコツです。
3.甲羅を外す
甲羅を下に向けて外すとカニ味噌が流れにくいと言われています。甲羅の付け根に指を差し込み、ゆっくりと持ち上げるように外すのがコツです。勢いよく外すとせっかくのカニ味噌がこぼれてしまう可能性があるため、力加減には注意しましょう。外した甲羅はそのまま器としても使えるので、見た目も華やかに仕上がります。
4.カニ味噌を甲羅に移す
胴体に残ったものも忘れずに移動します。細かく入り込んだカニ味噌もスプーンや小さなヘラを使えばきれいにすくい取れるので、無駄なく堪能できます。風味豊かな部分ですから、甲羅にまとめて盛り付ければ見た目も豪華になり、食卓が一層華やかになります。
5.エラを取り除く
灰色のひらひら部分は食べられないので処理します。この部分は「ガニ」とも呼ばれ、独特の苦みや雑味があるため食用には適しません。手でつまんで簡単に外すことができるので、丁寧に取り除いておきましょう。食べられない部分をきちんと処理することで、残った身の味が一層引き立ち、美味しくいただけます。
脚の身の取り出し方
関節部分で切り分ける
脚の関節は殻が比較的柔らかいので、キッチンばさみを使って丁寧に切り分けましょう。無理に力を入れると殻が飛び散ったり、身が崩れる原因になるため、少しずつ切り進めるのがコツです。関節で分けておくと、後の殻むき作業も格段に楽になり、身をきれいに取り出すことができます。
殻にハサミで切れ目を入れる(両側)
脚の殻は硬い部分と柔らかい部分があるので、ハサミを使う際は力を均等にかけて、両側にしっかり切れ目を入れるのがポイントです。切れ目を入れておくと後で殻を外しやすくなり、身がきれいに取り出せます。必要に応じて端までしっかり切り込むと、よりスムーズに殻を開けることができます。
切れ目から殻を外し、身を取り出す
入れた切れ目に指やハサミを軽く差し込み、殻を少しずつ広げるようにすると、身がつぶれずに取り出せます。無理に引き剥がそうとせず、殻を左右に開くようにすれば中の身がきれいに現れます。取り出した身はそのまま口に運んでもよいですし、盛り付け用に器に並べれば見た目も美しく仕上がります。
胴体の身の取り出し方
1.腹の中心で横半分にカット(ハサミがおすすめ)
胴体の殻は硬くて安定しにくいので、包丁よりもキッチンばさみを使う方が安全で確実です。少しずつ切り進めれば手を傷つけにくく、身も崩れません。
横に半分に切ることで内部の構造が見やすくなり、次の工程で身を取り出す作業がぐっと楽になります。
2.半分に切ったものをさらに縦にカットして4分割
縦に切る際も一度で切ろうとせず、少しずつ刃を進めると安全です。
力を均等にかけて切り分ければ、胴体が安定しやすく、身も崩れにくくなります。4つに分けることでそれぞれの部位から身を取り出しやすくなり、無駄なくカニを味わうことができます。
こうすると、胴体の身が取り出しやすくなります。さらに、胴体を細かく分けることで奥に詰まった身も取りこぼしなく掘り出せるようになり、食べやすさが格段に向上します。
見落としがちな小さな部位にも美味しい身が隠れているので、時間をかけて丁寧に作業すれば、カニ本来の旨味を余すことなく楽しめます。
カニの美味しい食べ方まとめ
カニは美味しいけれど「食べるのが大変」と思う方も少なくありません。
殻を割るのに苦労したり、せっかくの身がうまく取り出せずに残念な気持ちになってしまうこともあるでしょう。
しかし、ここで紹介した 解体5ステップ、脚の3ステップ、胴体の2ステップ をしっかりマスターすれば、誰でも驚くほどきれいに身を取り出せるようになります。
基本を覚えてしまえば、専門店で食べるような美しい盛り付けも自宅で再現することが可能です。
また、YouTubeなどの動画も参考にしながら実際に手を動かしてみると理解が深まります。
映像で手順を確認できるので、初めて挑戦する方でも安心です。
コツをつかめば、カニを食べる楽しみが倍増するだけでなく、家族や友人と一緒に作業する時間そのものが楽しい思い出になるでしょう。
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