お中元の取引先へのお返しマナー完全ガイド｜時期相場から品物選びまで

取引先からお中元をいただいた際、どのように対応すれば良いか迷うことはありませんか。

この記事では、取引先へのお中元のお返しに関するマナーを、要否の判断基準から時期、相場、品物選び、そして丁寧なお礼状の書き方（例文付き）まで、網羅的に解説します。

この記事を読むことで、会社として失礼のない適切な対応ができ、取引先との良好な関係を維持するための具体的な方法がわかります。

• お中元のお返しが必要かどうかの判断基準
• お返しをする際の基本的なマナー（時期・相場・のし）
• 取引先に喜ばれるお返しの品物の選び方と具体例
• 感謝が伝わるお礼状の書き方と例文

取引先へのお中元 お返しは必須かの判断基準と基本マナー

• お返しが必要な場合と不要な場合の線引き
• 基本対応としての「お礼状」による感謝の伝達
• 品物でお返しする方がより丁寧なケース
• お返しを辞退する際の上手な伝え方

取引先からお中元をいただいた際、まず考えなければならないのはお返しをするべきか否かです。

感謝の気持ちを伝えることは大前提ですが、その方法は状況によって異なります。

このセクションでは、お返しが必要な場合と不要な場合の線引き、基本となる「お礼状」による感謝の伝達方法、より丁寧さが求められる品物でのお返しのケース、そしてお返しを辞退する際の上手な伝え方について解説します。

それぞれの状況に応じた適切な対応を理解し、取引先との良好な関係を維持していくことが重要となります。

お返しが必要な場合と不要な場合の線引き

お返しが必要かどうかは、主に自社と取引先の関係性によって判断することが一般的です。

基本的には、自社がサービスや商品を購入する顧客（発注側）の立場であれば、お返しは必須ではありません。

一方で、自社がサービスや商品を提供するサプライヤー（受注側）の立場であれば、状況に応じてお返しを検討することが望ましいです。

会社の規定で贈答品のやり取り自体を禁止している場合もあるため、自社のルールを確認することも忘れないようにしましょう。

関係性	基本的な対応	補足
自社が顧客（発注側）	お礼状のみ（基本）	高額な品物を頂いた場合などは返礼品を検討する余地あり
自社がサプライヤー（受注側）	お礼状＋返礼品を検討	特に重要な取引先や新規の取引先、今後の関係性を深めたい場合など
会社の規定で贈答が禁止されている場合	受け取り辞退 or お礼状で辞退を伝達	事前の確認が重要

絶対的なルールは存在しませんが、取引先との関係性やいただいた品物の内容、今後のビジネス展開などを総合的に考慮して、最も適切な対応を選びましょう。

基本対応としての「お礼状」による感謝の伝達

取引先からお中元をいただいたら、品物でのお返しの有無に関わらず、まずはお礼状を送ることが基本的なビジネスマナーと言えます。

お礼状を送るタイミングは、品物を受け取ってからできるだけ早く、3日以内を目安にするのが理想です。

どれだけ遅くとも、1週間以内には相手の手元に届くように手配してください。

迅速に感謝の気持ちを伝えることが、相手への敬意を示すことにも繋がります。

お礼状は、単なる儀礼ではなく、相手への感謝を具体的に伝える大切なコミュニケーション手段です。

丁寧な対応を心がけることで、取引先との信頼関係をより一層深めることが期待できます。

品物でお返しする方がより丁寧なケース

基本的な対応はお礼状ですが、それに加えて品物でお返しをすることで、より深い感謝の気持ちを表現できる場合があります。

特に、自社がサプライヤー（受注側）として今後も良好な関係を築きたいと考えている重要な取引先や、個人事業主の方、あるいは新規の取引を開始したばかりの相手には、品物を贈ることでより丁寧な印象を与えるでしょう。

また、明らかに高価と思われる品物をいただいた場合も、お返しを検討する方が良いケースが多いです。

品物でのお返しを検討する主なケース
自社がサプライヤー（受注側）の場合
個人事業主や小規模な会社からの場合
いただいた品物が明らかに高価な場合
新規の取引先の場合
純粋にもらいっぱなしでは気が引ける場合

相手への感謝と今後の関係性を大切に思う気持ちを「形」で示すことは、ビジネスを円滑に進める上で有効な手段となり得ます。

お返しを辞退する際の上手な伝え方

会社のコンプライアンス規定などで、取引先からの贈答品の受け取りが禁止されている場合や、相手に余計な気を遣わせたくないという配慮から、お中元やお返しを受け取れない、あるいは辞退したいという場面もあるでしょう。

そのような場合は、まず感謝の意をしっかりと述べた上で、角が立たないように、かつ明確に辞退の意思を伝えることが重要です。

「誠にありがとうございます。

大変恐縮ですが、弊社では皆様からのお心遣いは、規則によりご辞退させていただいております。

お気持ちだけ、有り難く頂戴いたします」のように、相手の立場や気持ちを尊重しつつ、丁寧な言葉遣いを心がけてください。

辞退する際は、相手に不快感を与えないよう、最大限の配慮をもって、誠実な態度で伝えることが大切です。

【金額・時期・のし】取引先へのお返しマナー詳細

• お返しの一般的な金額相場 半返しから3分の1程度
• お返しを贈る適切な時期 お中元時期以降の対応
• のしの種類と正しい表書き 「御礼」の基本
• より丁寧な印象を与える渡し方 手渡しと郵送

取引先へのお返しをする際には、金額相場、贈る時期、のし、そして渡し方といった基本的なマナーが重要です。

これらを意識することで、感謝の気持ちを適切に伝えることができます。

一般的な金額の目安、適切な贈答時期とそれを過ぎた場合の対応、のしの正しい書き方や種類、そして手渡しや郵送など、より丁寧な印象を与える渡し方について、具体的に解説します。

これらのマナーを理解し実践することが、取引先との円滑なコミュニケーションと良好な関係維持につながるのです。

お返しの一般的な金額相場 半返しから3分の1程度

取引先へのお返しを選ぶ際、まず気になるのが金額ではないでしょうか。

一般的な相場は、いただいた品物の半額（半返し）から3分の1程度とされています。

例えば、10,000円相当の品物をいただいた場合、お返しは3,000円から5,000円程度が目安となります。

いただいた品物と同等以上の金額でお返しをするのは、かえって相手に気を遣わせてしまう可能性があるため避けた方が無難です。

一方で、あまりにも安価な品物では、感謝の気持ちが伝わりにくいことも考えられます。

この相場感を念頭に置き、相手との関係性も考慮しながら、適切な品物を選びましょう。

お返しを贈る適切な時期 お中元時期以降の対応

お返しの品を贈るタイミングも、ビジネスマナーとして非常に大切です。

基本的には、お中元を受け取ってからできるだけ早く、可能であれば3日以内、遅くとも1週間以内には、お礼状とは別にお返しの品が相手に届くように手配するのが理想です。

お中元の時期（一般的に関東では7月初旬～7月15日頃、関西では7月中旬～8月15日頃）に合わせて贈るのが最も丁寧な対応といえます。

時期	表書き	備考
お中元期間内	御礼	最も丁寧で基本的な対応
立秋まで	暑中御見舞	お中元期間を過ぎてしまった場合
立秋以降	残暑御見舞	立秋（例年8月7日頃）以降にお返しする場合

もし、お中元の時期を過ぎてしまった場合でも、感謝の気持ちを表すことは重要です。

立秋までは「暑中御見舞」、立秋以降は「残暑御見舞」として贈るのが通例となっています。

時期が大きくずれてしまった場合でも、「御礼」として贈ることは可能です。

のしの種類と正しい表書き 「御礼」の基本

贈答品にはのし（熨斗）紙をかけるのが正式なマナーであり、正しい種類と表書きを選ぶことが求められます。

お中元のお返しには、紅白で蝶結び（花結び）の水引がついたのし紙を選びます。

蝶結びは、何度あっても良いお祝い事や一般的な贈答に使用されるため、お中元やお歳暮、そのお返しに適しています。

項目	内容
水引	紅白蝶結び
表書き	御礼（最も一般的）
	暑中御見舞（立秋まで）
	残暑御見舞（立秋以降）
名入れ	会社名（水引の下中央に）
	役職・氏名（会社名の右にやや小さく）

表書きは、水引中央結び目の上に「御礼」と書くのが最も一般的です。

時期に応じて「暑中御見舞」や「残暑御見舞」としても構いません。

名入れは、水引の下中央に会社名を少し大きめに書き、その右側に役職と氏名をやや小さめに記載するのが基本となります。

より丁寧な印象を与える渡し方 手渡しと郵送

お返しの品をどのように相手に届けるかによっても、感謝の伝わり方や相手に与える印象が異なります。

最も丁寧な方法は、相手の会社へ直接訪問し、日頃の感謝の言葉とともに手渡しすることです。

事前にアポイントメントを取り、相手の都合の良い時間に伺う配慮が大切です。

業務の都合などで直接訪問するのが難しい場合は、郵送で送ることも可能です。

ただし、その際には品物だけを送るのではなく、感謝の気持ちや日頃のお礼などを記した送付状（添え状）を必ず同封するようにします。

送付状を添えることで、郵送であっても丁寧な気持ちを伝えることができます。

【定番から変わり種まで】取引先に喜ばれるお返しの品物 具体例

• 職場で分けやすい定番品 個包装の菓子や飲料
• 夏らしさを演出する季節の贈り物 ゼリーやそうめん
• 少し差をつける選択肢 老舗の珍味（神戸 伍魚福など）やご当地グルメ（ヘルメスソースなど）
• こだわりを感じさせる逸品 クラフトビール（銀河高原ビールなど）や専門店の味（佐藤水産 鮭ルイベ漬など）
• 相手の好みが不明な場合の有効策 カタログギフト
• 会社宛てに贈る際に避けたい品物の種類

取引先へのお中元のお返し選びでは、相手に失礼なく、かつ喜んでいただける品物を選ぶことが非常に重要です。

ここでは、職場で分けやすい定番品から、少し差がつく珍しい品、こだわりを感じさせる逸品、そして相手の好みがわからない場合に便利なカタログギフトまで、具体的な品物をいくつか紹介します。

相手の状況や関係性に合わせて最適な品物を選ぶことで、感謝の気持ちをより深く伝える手助けとなるでしょう。

商品カテゴリ	具体例 (ブランド/商品名)	特徴	おすすめの相手・シーン
定番（菓子・飲料）	個包装の洋菓子・和菓子、コーヒー	分けやすい、日持ちする、万人受け	人数の多い部署、好みが不明な場合
季節感（夏）	ゼリー、水ようかん、そうめん	涼しげ、季節を感じられる	夏の暑い時期の贈り物
老舗・ご当地グルメ	神戸 伍魚福（珍味）、ヘルメスソース	話題性、地域性、特別感	食通の相手、印象付けたい場合、関西圏との取引先
こだわり・専門店	銀河高原ビール、佐藤水産 鮭ルイベ漬	高品質、ストーリー性、特別感	お酒好き、グルメな相手、特別な感謝を示したい場合
カタログギフト	各社カタログギフト	相手が選べる、失敗が少ない	好みが不明、個人宛
紙パック飲料（産直）	宮崎県農協果汁 日向夏ドリンク	手軽さ、日持ち、産地の特別感	手軽さを重視する相手、地方色を出したい場合
梅干し（デザート系）	紀州紅梅園 デザート梅の夢	高級感、意外性、健康志向	女性が多い職場、健康を気遣う相手
アイスコーヒー（老舗）	丸福珈琲店 アイス珈琲	夏の定番、老舗の味、こだわりの味	コーヒー好きが多い職場、夏の定番を贈りたい場合

相手への感謝の気持ちを込めて、状況にふさわしいお返しの品を選びましょう。

職場で分けやすい定番品 個包装の菓子や飲料

お返しの品として「定番品」とは、多くの人に好まれ、失敗のリスクが少ない無難な選択肢を指します。

具体的には、クッキーやフィナンシェ、マドレーヌといった焼き菓子や、せんべい、おかきなどが一つずつ個包装になっているものが挙げられます。

ドリップコーヒーのパックや紅茶のティーバッグなども、手軽に楽しめて人気です。

これらは職場で配りやすく、日持ちするものが多い点もメリットとなります。

好き嫌いが分かれにくいため、大人数の部署や相手の好みがわからない場合に、安心してお返しできる品物です。

夏らしさを演出する季節の贈り物 ゼリーやそうめん

お中元のお返しを贈る時期は夏真っ盛りですから、涼しさを感じさせる品物を選ぶと季節感があり、喜ばれることが多いです。

見た目にも涼やかなフルーツゼリーの詰め合わせや、上品な甘さの水ようかんは、夏のデザートとして人気があります。

また、つるりとした喉ごしのそうめんも、夏の食卓に嬉しい定番の贈り物と言えます。

老舗のアイスコーヒーギフトなども、夏ならではの選択肢です。

夏の贈り物の例	特徴
ゼリー	彩り豊か、涼しげ
水ようかん	上品な甘さ
そうめん	夏の定番、日持ち
アイスコーヒー	夏の飲料の定番

季節感を意識した贈り物は、相手への細やかな心遣いを示すことにも繋がります。

少し差をつける選択肢 老舗の珍味（神戸 伍魚福など）やご当地グルメ（ヘルメスソースなど）

毎回同じような品物では味気ないと感じる場合、少し珍しい品物を選ぶことで感謝の気持ちを印象的に伝えることができます。

例えば、お酒を好む方が多い取引先には、神戸に本社を置く老舗「伍魚福」のような、質の高い珍味の詰め合わせが考えられます。

バラエティ豊かな味わいは、お酒の席での話題にもなるでしょう。

また、食卓で使える調味料として、関西で「幻のソース」とも言われる「ヘルメスソース」のようなご当地グルメも、物珍しさから喜ばれる可能性があります。

比較項目	神戸 伍魚福 (珍味)	ヘルメスソース (ご当地ソース)
商品タイプ	珍味詰め合わせ	調味料（ソース）
特徴	老舗、種類豊富、おつまみに最適	幻のソース、関西の味、料理好きに
価格帯	3,000円～5,000円程度	3,000円程度（詰め合わせ）
おすすめ	お酒好きな方が多い職場、話題性を求める場合	関西圏との取引先、料理好きな方、珍しさを求める場合

マンネリ化を防ぎ、相手の記憶に残るようなお返しをしたい場合に検討してみる価値があります。

こだわりを感じさせる逸品 クラフトビール（銀河高原ビールなど）や専門店の味（佐藤水産 鮭ルイベ漬など）

品質の高さや作り手のこだわりが伝わる品物は、受け取った側に特別感を与え、深い感謝の気持ちを表現するのに役立ちます。

例えば、岩手県の「銀河高原ビール」に代表されるようなクラフトビールの詰め合わせは、普段大手メーカーのビールを飲み慣れている方にも新鮮な驚きを与えるでしょう。

個性豊かな味わいは、ビール好きにはたまらない贈り物です。

また、北海道の鮭専門店「佐藤水産」が作る「鮭ルイベ漬」のように、素材や製法に徹底的にこだわった専門店の味も、ほかにはない格別な印象を残します。

比較項目	銀河高原ビール (クラフトビール)	佐藤水産 鮭ルイベ漬 (海産物加工品)
商品タイプ	ビール	鮭の珍味
特徴	小麦ビール、フルーティーな味わい	天然鮭使用、とろける食感
価格帯	3,000円～5,000円程度	3,000円～ (量による)
おすすめ	ビール好きな方、話題性	ご飯のお供好き、北海道との繋がり

日頃の感謝を込めて、上質でストーリー性のある逸品を選ぶのも素敵な選択です。

相手の好みが不明な場合の有効策 カタログギフト

「カタログギフト」とは、冊子やカードに掲載された商品の中から、受け取った相手自身が好きなものを選んで注文できるギフト形式のことです。

最大の利点は、相手の具体的な好みがわからなくても、大きく外すことが少ないという点です。

食品から雑貨、体験ギフトまで幅広い選択肢が用意されています。

一方で、選べる商品の価格帯がある程度推測できてしまうことや、相手に選ぶ手間をかけさせてしまう、という見方もあります。

相手の好みが多岐にわたる場合や、個人宛てにお返しを贈る際に、失敗を避けたい場合に有効な選択肢となります。

会社宛てに贈る際に避けたい品物の種類

取引先の会社宛にお返しを贈る際には、受け取った側が扱いに困ったり、負担になったりするような品物は避けるという配慮が求められます。

具体的には、日持ちしない生菓子や生鮮食品は、すぐに消費する必要があり、保管にも気を使います。

冷蔵や冷凍保存が必須なアイスクリームやかさばる冷凍食品なども、オフィスの限られた冷蔵・冷凍スペースを圧迫するため、避けた方が無難でしょう。

ホールケーキのように切り分けが必要なものや、個包装されていないお菓子なども、職場で分ける際に手間がかかったり、衛生面で気を使ったりするため、好ましくありません。

現金や商品券（特に換金性の高いビール券など）は、会社として扱いに困ることが多く、個人的な利益供与と誤解されるリスクもあるため避けるべきです。

避けた方が良い品物の種類	理由
日持ちしない生菓子、生鮮食品	保管が難しく、すぐに消費する必要がある
冷蔵・冷凍保存が必要なもの	オフィスの冷蔵庫・冷凍庫のスペースを取る
切り分けが必要なもの（ホールケーキ等）	分配に手間がかかる、衛生面での配慮が必要
個包装されていない食品	分けにくい、衛生的に気になる場合がある
現金・商品券（特にビール券など）	会社としての扱いに困る、個人的な利益供与と誤解されかねない
自社製品	宣伝目的と受け取られる可能性がある
履物・敷物・刃物	縁起が悪いとされる場合がある

相手の会社の状況を想像し、受け取った側がスムーズに、そして気持ちよく受け取れる品物を選ぶことが、良好な関係を維持するためのマナーです。

感謝を伝えるお礼状の書き方 例文と送付マナー

• お礼状送付の最適なタイミング 品物到着後3日以内目安
• 適切な送付形式 封書、ハガキ、メール、電話の使い分け
• お礼状に盛り込むべき必須内容とその構成
• 【例文紹介】状況に応じた宛名の正しい書き分け
• お礼状送付における注意点とポイント

取引先からお中元をいただいた際、まず行うべき最も大切なことは、感謝の気持ちを伝えるお礼状を送ることです。

これはビジネスにおける基本的なマナーであり、相手への敬意を示す重要なコミュニケーションとなります。

ここでは、お礼状を送る際の最適なタイミング、状況に応じた適切な送付形式、お礼状に盛り込むべき必須内容とその構成、宛名の正しい書き分け、そして送付における注意点について詳しく解説していきます。

心を込めたお礼状を作成し送付することで、取引先とのより良い関係性を築き、今後のビジネスを円滑に進める一助となるはずです。

お礼状送付の最適なタイミング 品物到着後3日以内目安

お中元を受け取ったら、感謝の気持ちはできるだけ早く伝えることが重要です。

理想的には品物が届いた当日か翌日、遅くとも3日以内にはお礼状が相手に届くように手配するのがビジネスマナーとされています。

迅速な対応は、相手への感謝と敬意の深さを示すことにも繋がります。

もし、出張などで対応が遅れてしまいそうな場合は、先に取り急ぎ電話で一報を入れ、後日改めてお礼状を送るという配慮も有効な手段となります。

万が一、お礼状の送付が1週間以上遅れてしまう場合は、お詫びの言葉を添えるように心がけましょう。

スピード感を持った対応を意識することが、取引先との良好な関係を維持する上で大切です。

適切な送付形式 封書、ハガキ、メール、電話の使い分け

お礼状を送る形式は、相手との関係性や状況によって使い分けることが求められます。

最も丁寧で正式な方法は、白無地の便箋に縦書きで記し、封書で送ることです。

特に目上の方や重要な取引先へ送る際には、この形式を選びましょう。

親しい間柄の取引先であれば、横書きの便箋を用いた封書や、ハガキでお礼状を送ることも許容されます。

ただし、ハガキは誰でも内容を見ることができるため、ビジネス文書としては略式と捉えられることも覚えておく必要があります。

メールは、迅速にお礼を伝えたい場合や、日頃からメールでのやり取りが主体となっている相手に対して有効です。

しかし、あくまで略式であるため、後日改めて正式なお礼状を送ると、より丁寧な印象を与えます。

電話でお礼を伝える場合も同様で、まず口頭で感謝を述べた上で、改めて書状を送るのが理想的な対応といえるでしょう。

形式	特徴	適した状況・相手
封書	最も丁寧で正式	目上の方、重要な取引先、会社宛
ハガキ	略式だが手軽	親しい間柄の取引先
メール	迅速に伝えられるが略式	スピード重視の場合、日常的にメールで連絡する相手
電話	直接感謝を伝えられるが、記録に残りにくい	取り急ぎお礼を伝えたい場合（後日書状を送るのが望ましい）

相手への敬意を払い、状況に応じた最適な形式を選択することが、感謝の気持ちを正しく伝えるための鍵となります。

お礼状に盛り込むべき必須内容とその構成

心のこもったお礼状を作成するためには、含めるべき要素とその構成を理解しておくことが不可欠です。

基本的な構成は以下のようになります。

• 頭語: 「拝啓」「謹啓」など
• 時候の挨拶: 季節に合わせた挨拶（例: 「盛夏の候」「猛暑の候」など）
• お礼の言葉: お中元をいただいたことへの感謝を具体的に述べる（例: 「この度は結構なお品をご恵贈賜り、誠にありがとうございました」）
• 品物への感想: いただいた品物について、具体的な感想を添える（例: 「〇〇（品物名）は部署内で分けさせていただき、皆で大変美味しく頂戴いたしました」「珍しいお品に、社員一同感嘆しておりました」）
• 相手への気遣い: 相手の健康や事業の発展を気遣う言葉（例: 「暑さ厳しき折、皆様のご健勝と貴社の一層のご発展を心よりお祈り申し上げます」）
• 結びの挨拶: 今後の変わらぬお付き合いをお願いする言葉（例: 「今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」）
• 結語: 「敬具」「謹白」など（頭語と対応させる）
• 日付: 送付する日付
• 署名: 自分の会社名、部署名、役職、氏名
• 宛名: 相手の会社名、部署名、役職、氏名（敬称含む）

特に、品物への具体的な感想を一言加えるだけで、定型文ではない、心のこもった温かいお礼状という印象を与えることができます。

「〇〇（品物名）は、〇〇（例えば、方針にあった丸福珈琲店のアイスコーヒーなら「濃厚な味わい」、伍魚福の珍味なら「お酒によく合う」など）で、大変好評でした」のように、少し具体的に触れると良いでしょう。

これらの構成要素を漏れなく含め、丁寧な言葉遣いを心がけることで、感謝の気持ちがしっかりと伝わるお礼状を作成できます。

【例文紹介】状況に応じた宛名の正しい書き分け

お礼状を送る際、宛名の書き方は非常に重要です。

誰に宛てて送るのかによって、使用する敬称や表記が異なります。

「御中」は会社や部署など組織に、「様」は特定の個人に使用する敬称です。

具体的な書き分けは以下の通りです。

宛先	書き方例	ポイント
会社全体宛	〇〇株式会社 御中	担当部署や担当者が不明な場合
特定部署宛	〇〇株式会社 営業部 御中	担当者は不明だが、部署が分かっている場合
役職者個人宛	〇〇株式会社 代表取締役 〇〇 〇〇 様	肩書きを氏名の前に記載
担当者個人宛	〇〇株式会社 営業部 部長 〇〇 〇〇 様	部署名、肩書き、氏名を記載
複数名（連名）宛	〇〇株式会社 代表取締役 〇〇 様 営業部長 〇〇 様	役職の高い順に左から記載（縦書きの場合は上から）

担当者名が不明な場合は、無理に個人名を入れず「〇〇株式会社 営業部 御中」のように部署宛にするのが無難です。

宛名を正確に、失礼なく記載することは、ビジネス文書における基本的なマナーであり、相手への敬意を示す第一歩といえます。

お礼状送付における注意点とポイント

お礼状を送る際には、いくつか注意すべき点があります。

細やかな配慮が、より丁寧な印象を与え、相手との良好な関係構築に繋がります。

注意点	具体的な内容
誤字・脱字・敬称の間違い	送付前に必ず確認する 特に相手の会社名や氏名、役職名は絶対に間違えないようにする
送付時期の遵守	品物到着後、可能な限り早く（3日以内目安）送付する 遅れた場合はお詫びの一文を添える
返信用封筒・切手の同封は不要	お返しを催促しているような印象を与えかねないため、同封しない
品物より先に届くように	もし返礼品を送る場合でも、お礼状は品物よりも先に相手に届くように手配するのがマナー
手書きの場合の丁寧さ	丁寧に、読みやすい字で書くことを心がける 修正液や修正テープの使用は避けるのが望ましい
印刷の場合の一工夫	全て印刷で済ませるのではなく、宛名や署名、または一言だけでも手書きで加えると、より温かみが伝わりやすい
封筒の選び方と書き方	白無地の縦長封筒が基本 宛名は黒のインクで丁寧に記載し、裏面には自分の住所・氏名を記載する 封はのり付けし、「〆」または「封」と記す

これらの細部への配慮を怠らないことが、お礼状を通じて感謝の気持ちを効果的に伝え、会社の信頼性を高めることに繋がります。

ビジネスパーソンとしての心配りを示す良い機会と捉え、丁寧に対応しましょう。

よくある質問（FAQ）

まとめ

この記事では、取引先からお中元をいただいた際の、失礼のないお返しのマナーについて、要否の判断から適切な時期や相場、喜ばれる品物選び、丁寧なお礼状の書き方まで詳しく解説しました。

これを読めば、取引先との関係を良好に保つための適切な対応が理解できます。

• お返しの要否判断と基本となる対応
• お返しをする場合の実務（時期・相場・のし）
• 状況や相手に合わせた品物選びのコツと具体例
• 感謝が伝わるお礼状の書き方と送付マナー

毎年のお悩みも、この記事を参考にすれば解決につながります。

取引先への感謝の気持ちを込めて、適切なお中元のお返しを実践しましょう。