自宅でできる!襖張替えDIYガイド

自宅でできる!襖張替えDIYガイド 暮らし

「襖の汚れや破れを自分で直したい」「貼り方が難しそうで手が出ない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

下記のようなお悩みはよく聞かれます。

  • 道具やのりが多く、何を選べばいいか迷う  
  • しわや気泡が出て貼り直しになり、時間も材料も無駄にする  
  • 本襖や戸襖など、種類で手順が変わるのか不安

この記事では、襖の種類と下地の見分け方、貼り方の流れ、のり・粘着・アイロンのコツ、失敗しやすい場面の対処までをまとめました。初心者でも迷わない段取りとチェックの仕方がわかるので、これを読めばすぐに出来るようになるでしょう。

襖張替えDIYとは?

襖の張替えDIYは、古いふすま紙を剥がして新しい紙に貼り替える作業です。汚れや破れの補修、模様替え、下地の補強まで一度に整えられます。方法は、でんぷんのりの水貼り、シール状の粘着タイプ、アイロン接着の3つです。流れは「外す→剥がす→下地調整→貼る→圧着→仕上げ→乾燥」という順番になります。 

DIYの良さは費用を抑えつつ柄や質感を自由に選べるところにあります。反面、伸縮やしわ、気泡が出ると貼り直しになることがあります。まずは襖の種類と下地を見極めて、やりやすい貼り方を選びましょう。

襖の種類と下地の見分け方(本襖・戸襖・段ボール襖・スタイロ襖)

襖の中身によって、剥がし方、のりの量、圧着の強さが変わります。作業前に下地チェックを必ず行いましょう。

本襖の特徴とコツ

本襖は木の桟と格子に和紙の裏紙を重ねた伝統的な作りです。軽く通気性があり、でんぷんのりの水貼りと相性が良いです。剥がすときは霧吹きで軽く湿らせてから、ヘラで旧紙だけをゆっくり剥がします。糊は薄く均一にしましょう。圧着は中央から外へローラーでしましょう。

戸襖は合板で平らな下地です。のりが多いと波打つので、薄塗りと強めの圧着が鍵です。粘着シールやアイロン貼りもおすすめです。見切りは定規とカッターでまっすぐ切り、巾の余りは5〜10mmを折り返すと仕上がりが整います。

段ボール襖の特徴とコツ

段ボール襖は軽い反面、水に弱いのが難点です。水貼りは避け、粘着タイプかアイロン接着が安心です。霧吹きは使わず、乾いた雑巾で清掃にとどめます。のりを使うなら極薄の面付けにしましょう。

スタイロ襖の特徴とコツ

スタイロ襖(発泡系断熱材の下地)は反りにくいですが、のりが染み込みにくいです。接着力のあるのりや粘着シールが向いています。アイロン貼りを使うなら低温短時間で、熱を当てすぎないようにします。

次は、必要な道具と材料、費用の目安を押さえて段取りを整えます。

襖の種類と下地の見分け方(本襖・戸襖・段ボール襖・スタイロ襖)

自分で貼り方を始める前の準備:道具・材料・費用相場

道具を一度に揃え、作業を止めない段取りをつくると失敗が減ります。

必要な道具と使いどころ

  • 刷毛(糊付け)
  • ローラー(圧着・空気抜き)
  • ヘラ・角ベラ(見切り・耳の折り込み)
  • カッター・替刃、定規、カッターマット(カット)
  • 霧吹き、スポンジ、雑巾(剥がし・清掃)
  • でんぷんのり/粘着シール/アイロン接着紙
  • マスキングテープ(仮固定)、養生シート(床保護)

ふすま紙とのりの選び方

  • でんぷんのり+水貼りは本襖に向いており、乾燥でピンと張ります。  
  • 粘着タイプは位置決めしやすく、襖・段ボール襖に向いています。
  • アイロン接着はしわになりにくく、賃貸の戸襖でも使いやすいです。温度は中以下が目安です。

柄物は余裕を持って購入し、同ロットで揃えると色味の差が出にくいです。

DIYにかかる費用と相場の目安

項目相場
ふすま紙(無地)1,000〜2,000円/枚
柄物・機能紙2,000〜4,000円/枚
でんぷんのり300〜600円
粘着シート2,000〜4,000円/枚
アイロン接着紙2,000〜3,500円/枚
道具一式(初回)2,000〜5,000円

ホームセンターやネットショップには初心者向けキットが充実しているので見てみるのもおすすめです。

襖の外し方・引手の外し方と古いふすま紙の剥がし方

ここを丁寧に進めると、仕上がりがきれいになります。

枠と襖の外し方の基本

襖は上の溝に持ち上げてから手前へ外します。外したら枠のガタつきを確認し、桟が緩んでいれば補強します。床は養生し、カッターマットの上で作業します。

引手の外し方と再利用のコツ

引手は内側から押し出すものと、外側をこじるものがあります。角ベラでやさしくこじり、割れを防ぎます。再利用するなら汚れを拭き、欠けは木工パテで補修しましょう。新調する場合はサイズを測っておきます。

古いふすま紙の剥がし方

  • 本襖は霧吹きで軽く湿らせ、耳からゆっくり剥がします。裏紙は残します。  
  • 戸襖は表面をぬるま湯などで柔らかくし、ヘラで平行に剥がします。  
  • 段ボール襖は水分を避け、乾いたヘラで丁寧に進めます。  

剥離後は粉を拭き取り、平らに整えてから次へ進みます。

ふすま紙の貼り方手順(糊付け・水貼り・粘着・アイロン貼り)

肝になるのは、糊の量、位置合わせ、圧着、見切りの4点です。

でんぷんのり+水貼りの基本手順

  1. 下地の埃を払い、裏紙を残した本襖は軽く霧吹きします。  
  2. ふすま紙に薄く均一に糊付けし、刷毛のムラを消します。  
  3. 上端を基準に見切りを合わせ、耳は5〜10mm確保します。  
  4. ローラーで中央から外へ圧着して、しわと気泡を逃がします。  
  5. 角は角ベラで押さえてからカッターでカットします。  
  6. 24時間は平置きで乾燥させ、直射日光は避けます。

コツは、糊は薄く均一、圧着は中央から外、乾燥は急がないことです。

粘着(シール)タイプの貼り方

  1. 上端のみ剥離紙を少し外し仮固定します。  
  2. スキージやローラーで少しずつ剥離紙を引き、空気を逃がしながら圧着します。  
  3. 耳を折ってから、見切りを直線にカットします。  

一人作業でも扱いやすく、戸襖やスタイロ襖と好相性です。

アイロン貼り(アイロン接着)の貼り方

  1. 仮置きで柄と位置を決めます。  
  2. 低〜中温のアイロンで上から下へ、当て布を使って圧着します。  
  3. 角と耳は角ベラで整えてから仕上げます。  

一箇所に長く熱を当てないことがポイントです。製品の指定温度も確認しましょう。

方式別のデメリットと注意点

  • 水貼りは水分が多いと伸縮や波打ちが出ます。乾燥中の反りにも注意します。  
  • 粘着は位置ズレの貼り直しに弱く、下地の埃で接着不良になります。  
  • アイロンは熱ムラでしわが出ることがあり、段ボール襖は変形の恐れがあります。  

次は、見た目を決める柄合わせと見切りのコツです。

柄合わせ・見切り・耳の処理と仕上げのコツ

細部を整えるほど、完成度が上がります。

柄合わせの考え方

隣り合う襖で柄が続く場合は、中心線や桟に合わせて、先に1枚を決めてから2枚目を重ねて位置を確定します。柄物は巾に余裕を持たせ、上下の見切り位置をそろえると端正に見えます。

見切りと耳の処理

角ベラで角を決め、定規を当ててカッターで一気に切ります。刃はこまめに交換します。耳の折り込みはローラーで圧着して浮きを防ぎます。引手穴は裏から十字に切り込み、内側へ折って圧着してから引手を戻します。

仕上げの圧着と清掃

全体をローラーで再圧着し、気泡は針で小さな穴を開けてヘラでならします。糊汚れは固く絞った雑巾で軽く拭き、乾燥前にならしを終えておきます。

乾燥と伸縮対策、しわ・気泡のリカバリー、貼り直しと補修

乾燥管理と補修の判断で、仕上がりが安定します。

乾燥と伸縮の管理

  • 直射日光と強風を避け、24時間は水平で陰干しします。  
  • 冬場は暖房の風が直接当たらないようにします。  
  • 本襖はゆっくり乾燥で張りが出ます。戸襖は反りに注意します。

しわ・気泡の対処

  • 乾燥前はローラーで中央から外へ再圧着します。  
  • 乾燥後の小さな気泡は極細の針穴を開け、ヘラで空気を抜きます。  
  • 大きなしわは範囲を限定して軽く霧吹きし、再圧着します。難しければ部分貼り直しに切り替えます。

破れ・汚れの補修

小さな破れは同じ紙の端材で柄を合わせて補修します。汚れは消しゴムを使わず、微湿の雑巾で軽く拭きます。落ちない場合は部分張替えが確実です。

よくある質問とプロ依頼の目安(費用相場・依頼先)

行き詰まったら、早めにプロへ相談すると結果的に安く早く済むことがあります。

よくある質問

  • 一人でできる?  

戸襖+粘着タイプなら一人でも可能です。本襖+水貼りは二人以上だと安心です。 

  • 障子と同じのりでいい?  

同系のでんぷんのりで対応できますが、襖は厚みがあるので濃度はやや濃いめを目安にします。  

  • 乾燥時間はどれくらい?  

目安は24時間です。季節や湿度で前後します。

プロ依頼の費用相場と選び方

項目相場
プロの張替え(1枚)3,000〜10,000円
高級紙・柄合わせ+2,000〜5,000円
引手交換1,000〜3,000円

依頼先は地域の表具店や畳店、マッチングサービスで比較します。口コミ、施工写真、柄合わせの実績をチェックしましょう。部屋全体の統一や短納期はプロに任せると安心です。

仕上げ前の最終チェックリスト

  • 下地のタイプを把握した(本襖/戸襖/段ボール襖/スタイロ襖)  
  • 道具は揃った(刷毛・ローラー・ヘラ・角ベラ・カッター・定規・霧吹き・雑巾)  
  • 貼り方の方式を決めた(でんぷんのりの水貼り/粘着/アイロン)  
  • 柄合わせの基準線を決めた(中心・桟・床線)  
  • 乾燥スペースと時間を確保した(24時間)  

まとめ  

襖張替えをうまく進めるコツは、最初に下地を見極めて方式を選ぶことです。糊は薄く均一、圧着は中央から外、乾燥は水平でゆっくりを守るだけで、しわや気泡はぐっと減ります。本襖はでんぷんのり、戸襖や段ボール襖は粘着やアイロンが扱いやすい選択です。道具は基本の数点で十分で、DIYなら1枚あたり数千円で仕上げられます。まずは1枚から手を動かして、コツを体で覚えていきましょう。

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