和室が暗く見える、押入の襖が黄ばみやシミで気になる。そんなときは襖張替えで一気に雰囲気を変えられます。ただ、襖紙の種類や費用、DIYと業者のどちらが良いか迷われる方も多いのではないでしょうか。下記のようなお悩みはありませんか?
- 柄やグレードの違いが分かりにくい
- DIYで本当にできるのか不安
- 業者の相場や見積もりの見方を知りたい
本記事では、張替えのメリットや襖紙の選び方、ベストなタイミングを整理し、DIYとプロの進め方・費用・注意点まで徹底的に紹介します。読んだあとには、あなたの家に合うベストな方法が見つかるでしょう。
襖張替えの基本とは?
襖は木枠と芯材に紙を貼った建具で、表面の襖紙を張り替えるだけで印象が大きく変わります。和室や押入、天袋・地袋などに幅広く使われ、片面・両面どちらでも対応可能です。作業の基本は古い紙を剥がして、新しい紙を貼るというものです。襖紙は和紙、紙布、織物、箔、フリースなどがあり、量産タイプから自然素材の高級タイプまで幅広いものがあります。
DIYならシールやのりなし+生のり、アイロン接着、はがせるタイプが扱いやすいです。プロは下地調整や枠補修、引手交換、カット精度、乾燥管理まで行うため、仕上がりが安定します。
襖張替えのメリット
一新された見た目とインテリア性の向上
襖は面積が大きく、色あせや黄ばみがあると部屋全体が古びて見えます。張り替えれば光の反射や陰影が変わり、和室が一気に明るく上質な印象になります。ミューラル柄や箔・織物でアクセントを作れば、和モダンな雰囲気にも寄せられます。賃貸ならはがせる粘着タイプだと原状回復しやすく安心です。
機能性の改善
量産品でも防汚や耐擦れ加工があり、和紙や紙布、フリースは通気性や湿気の調整に優れるタイプもあります。子どもやペットのいる家は汚れに強い厚手や繊維強化タイプが使いやすいです。
コスパの良い住空間改善
張替えは短時間で効果が出やすく、他のリフォームに比べて費用負担が小さめです。DIYは材料費中心、業者でも枚数割引や配送サービスでコストを抑えやすいです。短期間で印象を更新できるのが魅力です。
修繕と資産価値の維持
穴や破れ、色あせを放置すると芯材や枠まで傷みます。早めの張替えで長持ちし、賃貸や売却時の印象も良くなります。団地や社宅では量産グレードで揃えるとトラブルを避けやすいです。
襖紙の種類とグレード比較
素材で選ぶ
- 和紙:軽く上品。自然素材の風合いで調湿性に期待。柄が豊富。
- 紙布:紙と布の中間の質感。温かみがあり、ほどよい耐久性。
- 織物:厚みと立体感で高級。ホテルや料亭のような雰囲気に。
- 箔:金銀の輝きで非日常感。ワンポイントでの使用に
- フリース:伸縮が少なくDIY向き。シワや気泡が出にくい。
グレードと価格帯
- 量産/機械生産:手頃で柄数が多い。賃貸や子ども部屋に。
- 中級:防汚や撥水など機能性が向上。来客の多い和室に。
- 高級:自然素材や織物、箔で品格を重視。床の間や客間に。
無理なく続く満足度を考えると、普段使いの和室は中級、特別な空間は高級で整えるのが目安です。
DIYか業者か:施工方法別の選び方
DIYは粘着シール、のりなし+生のり、アイロン接着、はがせるタイプが扱いやすいです。初めてならフリースや粘着タイプが安心です。織物や箔はプロに任せると失敗が減らせます。
柄選びのコツ
見本は照明で見え方が変わるため、可能なら部屋で確認しましょう。ネットのレビューやランキングも参考にして、最終判断は「部屋の光」「畳や木の部分の色」「全体の見え方」で選ぶのがおすすめです。
襖張替えのタイミングと目安

年数の目安と症状チェック
目安は約10年ですが、日当たりや湿気で前後します。以下が複数当てはまれば張替えサインです。
- 色あせ、黄ばみ、シミが目立つ
- 穴や破れ、角のめくれ
- 引手のぐらつきや枠のガタつき
- カビ臭、裏紙の波打ち
片面・両面の判断
片面だけの汚れでも、両面同時の張替えは見た目の統一感と反りの抑制に有効です。コスト優先なら片面、長期安定なら両面がいいでしょう。
押入・天袋・地袋の注意点
押入は湿気がこもりやすく、通気性や防汚のある襖紙が安心です。天袋・地袋は目線が近いので、カット精度や引手位置に気をつけましょう。
賃貸・公共団地での配慮
はがせる粘着や、のりなし+生のりで原状回復しやすい製品を選びます。管理規約に触れないか、事前確認が必要です。
DIYでの襖張替え手順・道具
必要な道具
- インテリアバール、マイナスドライバー、ペンチ(引手や枠の作業用)
- マスキングテープ(仮止め・養生)
- スチームアイロン(アイロン接着やシワ取り)
- カッターナイフ、定規(トリミング)
- はがき(押さえの当て)、糸(引手抜き取り補助)
- 生のり・のりなし・粘着シールなど接着材一式
手順の全体像
- 引手・枠の取り外し
無理にこじらず、引手は糸を通して引き抜きます。発泡スチロール芯で枠外し不要のタイプもあります。
- 旧紙を剥がす
のり残りは軽く湿らせて除去します。裏紙は状態次第で残すか補修します。
- 採寸と裁断
周囲に10〜20mmの余裕を見て裁断。柄の描かれ方や順番を事前に確認しましょう。
- 接着と貼り込み
生のりは中央から外へ空気を逃がし、粘着やアイロンは説明に沿って温度と圧を均一にしましょう。
- 乾燥・カット仕上げ
十分乾燥させてからトリミングします。引手を復旧し、枠のガタつきを調整しましょう。
失敗しやすいポイントと対処
気泡は中央から外へ押し出すと抜けます。しわは温度管理と素材選びで予防し、新しい刃で定規に沿って一発で切ると角が欠けるのを防げます。生のりは塗りムラに注意し、粘着は室温が低いと食いつきが弱くなるため、貼る前に室温を整えると安定します。
DIYのデメリット・注意点
プロに比べて、下地調整や柄合わせ、カット精度、乾燥時の伸縮管理が難しく、直線の通りと角の納まりに差が出やすいです。最初はフリースやシール系を選ぶと失敗しにくいです。
業者に依頼する場合の費用相場・見積もり
相場感と料金に含まれるもの
目安(地域・グレードで変動)
- 量産品:片面1枚あたり数千円台後半〜
- 中級:片面1枚あたり1万円前後〜
- 高級(織物・箔):片面1枚あたり1.5万円〜数万円
料金には採寸、引取り・配送、施工、保管管理、引手交換が含まれることが多いです。
見積もりのチェックポイント
- グレード(量産/中級/高級)
- 枚数割引、片面・両面の別、天袋・地袋の有無
- 枠・裏紙の補修費、引手交換の有無
- 配送範囲(施工エリア)、お預かり期間、繁忙期の予約状況
依頼先の選び方
地元の表具店・畳店、ホームセンター、オンラインのマッチングや施工サービス付き商品など選択肢は多めです。レビューや施工事例、アフター対応の評判を事前にチェックしましょう。
予約とスケジュール
引越し時期は混みやすいです。事前に柄を絞っておくと、採寸から施工までスムーズに進むでしょう。急ぎなら在庫と預かり期間を必ず確認します。
よくあるQ&Aと注意点
Q1. 子どもが穴を開けた。部分補修と張替えどちらが良い?
小穴なら補修も可能ですが、他の部分との差が出やすいです。面全体を張り替える方が仕上がりが自然になるのでおすすめです。
Q2. 発泡スチロール芯で枠外し不要と聞いたけど本当?
製品によっては表面だけの張替えでOKです。無理に枠を外すと破損するため、構造を先に確認しましょう。
Q3. 施工後に気泡が出た
乾燥時の伸縮やのりムラが原因で、微細なら数日で落ち着くこともあります。残る場合は軽く温めて押さえると整います。
Q4. 賃貸での注意は?
はがせる粘着やのりなしタイプを選び、退去時の原状回復に備えましょう。事前に管理会社へ相談すると安心です。
選び方のチェックリストと次のアクション
目的・条件を整理
- 主目的:見た目のアップデート/機能性向上(防汚・耐久・調湿)/高級感
- 住まいの条件:賃貸・団地/持家、日当たり、湿度
- 施工方法:DIY/プロ依頼
素材・グレードの決定
- 量産・機械生産(コスパと柄数)
- 中級(防汚・撥水など機能性)
- 高級(織物・箔)
手配・購入・予約
- 見本帳やサンプルで柄を絞りましょう。ネットや店舗で襖紙・道具を手配し、レビュー確認が大切です。
- 業者は施工エリア、見積もり、配送条件、預かり期間、日程を確定しましょう。
- DIYは道具準備と採寸まで済ませ、貼る日の室温・湿度も整えるようにしましょう。
まとめ
襖張替えは、見た目のアップデートだけでなく機能性や住まいの価値も底上げできる手軽なリフォームです。和紙や紙布、織物、箔、フリースなど種類とグレードを押さえ、部屋の光や畳・木部との相性で柄を選べば、和室は驚くほど洗練されます。タイミングはおおよそ10年が目安ですが、色あせやシミ、破れ、裏紙の波打ちがあれば前倒しが安心です。DIYはフリースや粘着タイプが扱いやすく、難素材や精度を重視するにはプロに任せると失敗を防げます。費用は片面・両面、押入や天袋・地袋、補修内容で変わるため、見積もりではグレードと作業範囲をしっかり確認しましょう。


