空き家を和モダンにしたいけれど、全面改装は費用も時間も重い。そんな悩みは、襖や障子の張替えから動くとぐっと現実的になります。
こんなお困りはありませんか。
- 予算を抑えつつ雰囲気を変えたい
- DIYで始められる範囲から手をつけたい
- YouTubeを見ても手順や材料に自信が持てない
この記事では、襖の張替えやリメイクの具体手順、壁紙の活用、障子の選び方、費用比較、失敗しやすいポイントまでを一つずつ整理。
和の趣を残しながら住みやすい和モダンをつくるコツと参考価格を、初めての方にも分かりやすくまとめました。
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襖張替えとは?空き家リノベーションでの位置づけ
襖は和室の間仕切りになる建具で、紙や布を張り替えるだけで見た目も空気感も変わります。
空き家のリノベでは、構造をいじらず印象を更新できる「低コスト高インパクト」の改修です。
築年数が経つほど、襖の黄ばみや破れが古さを強調しがちです。
ここを整えるだけで、同じ間取りでも明るく清潔に感じられます。
DIYでも取り組みやすく、YouTubeで手順を確認しながら進める人も増えました。
襖・障子は壁や床より作業面積が小さく、費用対効果が高いのが強みです。
次では、襖張替えの費用相場と、壁紙や建具交換との比較を見ていきます。
襖・障子の張替え費用と他工法の比較
張替えの費用相場と内訳
一般的な襖の張替え費用は1本あたり3,000〜12,000円ほどです。
紙質やデザイン、枠の補修有無で金額が変わります。
障子は1本あたり2,000〜8,000円が目安です。
DIYなら材料費が中心で、襖紙1本分は2,000〜5,000円、道具は初回で3,000〜6,000円ほどです。
材料例
– 襖紙(無地〜織物調)
– のり(デンプン系がおすすめ)
– スキージー、カッター、刷毛
– 補修用のり、角あて
作業時間の目安
– 初心者の場合 1本あたり90〜150分
– 慣れた人 1本あたり40〜60分
襖張替えと壁紙張替え、建具交換の比較
下記は費用と工期、デザイン自由度などの比較です。
| 工法 | 初期費用 | 工期 | デザイン自由度 | DIY難易度 | 再張替えのしやすさ |
| 襖張替え | 低〜中 | 短い | 高い | 低〜中 | 高い |
| 壁紙張替え(部屋全面) | 中〜高 | 中 | 高い | 中〜高 | 中 |
| 建具交換(襖→引き戸) | 高 | 中〜長 | 中 | 高 | 低 |
空き家の印象改善を最小コストで狙うなら、まずは襖張替えが合理的です。
次は、和モダンをつくるデザインの考え方に進みます。
和モダンにするデザイン設計の基本
素材と色の組み合わせ
和モダンの鍵は、自然素材感とシンプルな色使いです。
襖紙は織りの表情があるアイボリーや薄いグレー、障子紙は強化タイプの白が扱いやすいです。
アクセントに片面だけ墨色や木版風の柄を入れると、写真でも映える空間になります。
壁と襖の関係を少しだけ意識すると、全体がまとまります。
- 壁が白系の壁紙なら、襖は温かい生成りや薄ベージュ
- 木部が多いなら、襖はグレージュや亜麻色で落ち着き感を演出
既存の木部を活かす
古い家の柱や鴨居には、年輪の深みがあります。
塗装で新品のようにするより、軽くクリーニングして表情を残すと、襖の新しさが引き立ちます。
経年の魅力と新素材の清潔感の対比が、和モダンの決め手です。
違和感のない「今っぽさ」になります。
柄物の使い方
大胆な柄は部屋一面ではなく、1枚だけの襖か、腰高の腰紙部分に限定すると上品です。
YouTubeでも、柄は「小面積×高発色」が鉄則として紹介されています。
次は、DIYでできる襖張替えの実務手順です。
DIYでできる襖張替えの手順(簡単ガイド)
事前準備と工具
作業前に、広めのスペースと水平を確保しましょう。
必要な道具はカッター(替刃多め)、金定規、スキージー、刷毛、のり、養生テープ、雑巾です。
手順は動画で確認し、最初は安価な襖で練習すると安心です。
段取りが良ければ仕上がりも安定します。
チェックリスト
– 襖のサイズ採寸
– 表裏の方向確認
– のりの希釈比率
– 乾燥スペースの確保
実際の作業ステップ
下紙が使えるなら、上紙だけを剥がして下地を活かすと簡単です。
破れや段差はパテや補修紙で平らにします。
のりは中心から外、上下→左右の順にスキージーで空気を逃がします。
角は角あてでしっかり押さえ、耳のカットは引き手側を最後にすると仕上がりがきれいです。
伸びやすい紙は湿気で波打ちやすいので、乾燥は日陰でゆっくり。
季節や湿度で仕上がりが変わるため、最初の1本はテストにして翌日チェックすると失敗が減ります。
次は、壁紙やリメイクシートを使った応用です。
壁紙・リメイクシートで襖をデザインする
壁紙を襖に使うときの注意点
壁紙を襖紙として流用すると、柄の選択肢が一気に広がります。
量産クロスはコスパが高く、DIYでも扱いやすいです。
ただし、厚みと伸縮が襖紙と違うため、のりの量と圧着には注意が必要です。
押し縁との干渉を避けるため、耳は0.5〜1mm短めにカットし、見切りを丁寧に納めます。
壁紙流用のポイント
– 不織布系は作業しやすい
– エンボス深めは角浮きに注意
– 事前に同素材の施工例を動画で確認
リメイクシートの使い分け
粘着系リメイクシートは、乾燥を待たず仕上がるのが利点です。
木目やストーン柄を1枚だけ入れると、和モダンと相性が良いです。
ただし、貼り直しに弱い製品もあり、夏場は糊残りに注意が必要です。
粘着系は一発勝負、のり系は微調整に強いと覚えると選びやすくなります。
次では、障子の選択と採光デザインです。
障子の張替えで光と風をデザインする
障子紙の種類と強度
障子紙は一般紙、強化紙、破れにくいプラスチック系があります。
短期賃貸や民泊用途なら強化紙以上が安心です。
子どもや高齢者がいる家でも耐久性が効きます。
最近はUVカットや防汚タイプもあり、掃除が簡単で維持管理がラクになります。
雪見障子と視線計画
雪見障子は下部がガラスで、座っていても庭が見える仕様です。
庭がある空き家なら、張替えで自然光を取り込み、窓の景色を額縁のように切り取れます。
採光は壁紙の色より空間印象に効くので、最初に検討する価値があります。
光の回り方が変わるだけで、写真映えも内見の滞在感も上がります。
次は、プロ依頼とDIYの線引きです。
DIYとプロ依頼の線引き
DIY向きのケース
- 襖紙の貼り替えのみ
- 枠の歪みが小さく、建て付けが良い
- 写真や動画で手順を確認できる
プロに任せた方が良いケース
- 枠の反り、建具の変形、敷居の摩耗がある
- 下地のカビや湿気が強い
- 複数部屋を短納期で仕上げたい
プロは張替えだけでなく、敷居すべりや戸車調整、框の補修まで一体で進められます。
総額は上がっても、仕上がりと耐久で回収できるケースが多いのが実情です。
次に、費用対効果と賃貸・売却でのリターンを見ます。
費用対効果とリターンの試算
表:簡易試算(目安)
- 襖張替え 6本 × 7,000円 = 42,000円
- 障子張替え 4本 × 5,000円 = 20,000円
- 入口1枚リメイクシート 1本 × 6,000円 = 6,000円
- 合計 約68,000円
- 効果 内見時の印象向上、写真映え、滞在満足度向上
賃貸なら、月額家賃が2,000円上がれば34カ月で回収できます。
短期民泊や撮影利用では、写真映えの向上で稼働率や単価の上振れが期待できます。
売却時も、古びた襖のままより問い合わせが増えることが多いです。
物件により数字は変わりますが、低投資で体感価値を上げやすいのが襖・障子の強みです。
次は、失敗しやすいポイントと注意点です。
失敗しないための注意点とよくある質問
伸び・縮みと季節要因
紙は湿度で伸縮します。
梅雨時は乾きが遅く波打ちやすいので、のりは薄めにして圧着を丁寧に。
冬は乾燥が早いぶん、位置決めのイメトレが効きます。
プロの手元動画を見て、手順と力加減を目に入れておくと安心です。
カビ・におい対策
空き家は通気不足でカビが出やすいです。
張替え前にアルコールや防カビ剤で下地を拭き、必要ならベニヤで補修します。
においが強い場合は、下貼り紙を新調し、換気と除湿を1〜2日行ってから作業しましょう。
下地づくりで仕上がりが決まります。
引き手・金物の再利用
引き手は磨くだけで雰囲気が上がるパーツです。
真鍮や鉄の経年は和モダンと好相性なので、活かすのも良い選択です。
欠けや外れがあれば新品へ交換します。
直径は事前に採寸しておきましょう。
よくある質問
壁紙と襖紙、どちらが簡単ですか
– 初回は襖紙の方が扱いやすいです。壁紙は厚みで角が浮きやすく、耳処理にコツが要ります。
YouTubeの手順通りでも皺が出る
– のり量過多、圧着不足、乾燥環境が原因のことが多いです。テスト1本で配合と力加減を調整しましょう。
何年くらい持つ
– 使用頻度と湿度次第ですが、一般紙で3〜5年、強化紙で5〜8年が目安です。日常の拭き掃除は固く絞った雑巾で軽く。
次では、全体計画と段取りをまとめます。
工程計画と段取り最短で効果を出す進め方
優先順位の付け方
- 入口正面の襖
- 障子の破れや黄ばみが目立つ面
- 写真に写りやすいアングル
効果の大きい順に片付けると、作業途中でも印象が上がります。
DIYで一気にやるより、休日ごとに「2本ずつ」進めると疲れにくく安定します。
他の工事との干渉
床張りや壁紙張替えと重なるなら、粉じんが出る工程(パテ、研磨)を先に済ませます。
襖・障子は後工程に回すのが安全です。
塗装と同日進行は避け、乾燥日を1日挟むと安心です。
段取りの良さは仕上がりの良さに直結します。
次は、イメージを掴むための架空の事例です(以下はイメージしていただきやすくするためのフィクションです)。
事例昭和の空き家を和モダンに
築40年の家6万円の改修で写真映え
築40年の空き家。
居間と続き間6枚の襖が黄ばんで暗い印象でした。
無地の織物調襖紙に張替え、入口1枚だけを濃色リメイクシートでアクセントに。
障子は強化紙に交換し、費用は約6万円でした。
YouTubeで予習して、2人で2日間の作業。
室内の明るさが大きく改善し、内見者の滞在時間も伸びました。
このように、ポイントを押さえれば大掛かりな工事をせずに雰囲気は変えられます。
最後に、買うものリストと失敗回避のコツをまとめます。
購入リストと失敗回避の最終チェック
購入リスト(最小構成)
- 襖紙ロール(必要本数+予備10%)
- のり(デンプン系)
- スキージー、刷毛、金定規、カッター(替刃)
- 養生テープ、角あて、補修紙
- 強化障子紙(必要本数)
- リメイクシート(アクセント用)
- 使い捨て手袋、雑巾、マスカー
直前チェック
- 天気(湿度)確認
- 乾燥スペースの確保
- ビフォー写真の撮影(効果測定用)
- 役割分担(1人はのり、1人は貼り)
まとめ
空き家の雰囲気を変えるなら、襖と障子の張替えが最有力です。大規模工事を避けつつ、短期間で印象を上げられます。
DIYでも始めやすく、壁紙やリメイクシートの活用で和モダンに寄せる自由度も高まります。
季節や湿度、下地の状態に合わせた段取りと材料選びが成功の鍵です。
必要に応じてプロに任せる線引きを押さえれば、仕上がりと耐久のバランスも取りやすくなります。
経年の木部を活かしつつ、最小コストで最大の印象改善を狙うのがコツ。
YouTubeで予習し、1本目は練習のつもりで丁寧に取り組みましょう。写真映えが良くなれば、賃貸や売却の手応えも上がります。

