「襖の張替え、できるだけ費用を抑えたい」。でも安さだけで選ぶと、仕上がりや納期で後悔しがちです。
この記事では相場と料金の内訳をベースに、見積もり比較のチェックポイント、DIYの範囲、素材とグレードの選び方をまとめました。
こんなお悩みはありませんか?
- 相場がわからず、見積もりが高いのか安いのか判断しづらい
- DIYで済むのか、専門に任せるべきかの線引きが曖昧
- 和紙や機能性紙の違いと、価格と見た目のバランスを知りたい
読めば、必要な費用だけに絞り込み、価格と品質のバランスを自分でコントロールできるようになります。
無理のない節約で、満足度の高い仕上がりを目指しましょう。
襖張替えの費用相場とは?
襖の張替え費用は、素材、サイズ、枚数、下地補修の有無、出張エリアで変わります。一般的な片面の目安は、量産紙で1枚3,000〜7,000円、機能性紙や中級和紙で6,000〜12,000円、上級和紙やデザイン紙で10,000〜20,000円以上です。
両面は1.2〜1.5倍、ふちや引手の交換、木枠補修が入ると追加。
地域で回収・納品費の設定が異なり、同品質でも差が出やすいのが実情です。5〜10枚以上なら、1枚あたり数百円〜1,000円程度の枚数割引が入ることもあります。
汚れが小さいなら部分補修で節約できますが、下地の劣化が進むと手間が増えてコストは上がります。
見た目だけで決めず、湿気やカビの影響も踏まえて判断しましょう。
ここからは、費用を動かす要素をもう少し具体的に見ていきます。
費用を大きく左右するポイント
サイズ・種類・枚数
襖は本襖、戸襖、押入れ襖、天袋などがあり、サイズが大きいほど紙の面積が増え、料金も上がります。一般的な和室では、天袋や小襖は低め、本襖の両面は高めになりやすいです。
枚数が多いと回収・納品の効率が上がるため、合計コストを抑えやすくなります。
素材と品質(襖紙・和紙・ビニール系)
襖紙は大きく量産紙、機能性紙(防汚・撥水・耐スクラッチなど)、和紙(機械漉き〜手漉き)に分かれます。同じ見た目でも、透けにくさや質感、耐久性には大きな差が出ます。
3年以内の貼り替え頻度を減らしたいなら、中級以上を選んだ方が結果的に得です。
※ここに図解を挿入(比較・分類):量産紙/機能性紙/和紙の価格帯・質感・耐久・おすすめ部屋
| 種類 | 価格目安/枚 | 質感 | 耐久 | 向いている部屋 |
| 量産紙 | 3,000〜7,000円 | 標準 | 普通 | 収納、目立たない部屋 |
| 機能性紙 | 6,000〜12,000円 | すっきり | 強い | 子ども部屋、出入りが多い部屋 |
| 中〜上級和紙 | 10,000〜20,000円以上 | 上質 | 中〜強 | 客間、見せ場の和室 |
下地と枠の補修
下地の波打ち・シミ・カビ、木枠の歪みや割れがあると補修が必要です。補修の有無で見た目は大きく変わるため、施工前の確認が大切です。
軽微な調整は無料でも、広範な補修は1枚1,000〜3,000円程度かかることがあります。
出張費・納期・地域の相場
同じ市内でも出張費の有無や繁忙期で料金が変動します。特急は+10〜20%が相場で、選べる紙が限られる場合もあります。
地域密着店は早くて費用を抑えやすい反面、サンプル数は大手より少ないことがあります。
ここまで押さえれば、次は見積もりで何を比べるかが明確になります。
比べる視点を揃えれば、総額だけに惑わされません。
見積もり比較のコツと業者選び
見積書で比較すべき5項目
- 襖紙のメーカー・品番・グレード(種類が不明な見積もりは避ける)
- 片面・両面の区別と枚数割引の有無
- 下地・枠の補修範囲と単価
- 出張費・引取納品費・オプション(引手・縁交換、防汚加工など)
- 納期(標準/特急)と保証(施工不良時の再対応)
「総額だけ」でなく、仕様の明確さと補修の前提条件を比較してください。
曖昧な見積もりは、後から追加費用が出やすいです。
口コミと実物サンプルの確認
同じ「和紙」でも質感はかなり違います。光の当たり方や手触りを実物で確かめると、仕上がりのズレを減らせます。
口コミは「納期の正確さ」「仕上がりの丁寧さ」「再施工の柔軟さ」を重視しましょう。
施工写真の掲載が多い店は、イメージが掴みやすいです。
写真は施工後だけでなく、施工前後の比較があるとより安心です。
業者・店に聞くべき事前確認
- 湿気の多い部屋向けの紙提案と、劣化リスクの説明があるか
- 障子や網戸、畳との同時施工での割引可否
- 住まいの地域での出張費と回収スケジュール
- 破れやすい場所の補強方法(ふち・角の対策)
ここまで確認できれば、頼む範囲と自分でやる範囲の線引きがスムーズです。
次はDIYのコツを見ていきましょう。
DIYで費用を抑える方法と範囲
DIYに向くケースと必要な時間の目安
DIYは、戸襖や押入れ襖の片面で下地がきれいな場合に向いています。量産紙やシールタイプなら、1枚1〜2時間が目安です。
木枠が歪んでいる、カビや剥離がある、両面で柄合わせが必要なら専門依頼が安全です。
必要な道具とコツ
道具
– カッター、地ベラ、糊、刷毛、ローラー、霧吹き、養生テープ
コツ
– 下地のほこりと汚れを落としてから作業する
– 片側から空気を逃がしながらゆっくり圧着する
– 角は少し余らせてからカットすると破れにくい
– 乾燥は風を当てすぎず半日〜1日待つ
※ここに図解を挿入(ステップの流れ):古い紙を剥がす→下地調整→糊付け→貼り→圧着→仕上げカット→乾燥
作業は焦らないことがコツです。角とふちの圧着を丁寧に行えば、仕上がりが安定します。
心配なら、まず1枚だけ試すと失敗のダメージを抑えられます。
DIYの費用感
量産の襖紙ロールは1,000〜3,000円/枚程度です。道具代を含めても1枚3,000〜5,000円で収まり、複数枚なら単価はさらに下がります。
時間コストと仕上がりの品質を天秤にかけ、無理のない範囲で取り組みましょう。
この後は、素材グレードの使い分けで効率よく節約する方法です。
部屋ごとの最適解を見つけやすくなります。
素材グレードと価格の違いを比較
部屋別のおすすめ素材と価格の目安
- 客間・よく見られる和室:中級〜上級の和紙(10,000〜20,000円/枚)。質感が出て、光の反射も柔らかい
- 子ども部屋・出入りが多い部屋:機能性紙(6,000〜12,000円/枚)。汚れや傷に強く、扱いやすい
- 収納・目立たない部屋:量産紙(3,000〜7,000円/枚)。必要十分でコスパが良い
部屋の用途に合わせてグレードを分けると、見た目とコストの最適化がしやすいです。
全部を一律に高級にしなくても満足度は上がります。
デザインと光の影響
和紙は陰影が出やすく、部屋の雰囲気がやわらぎます。量産紙は柄が豊富で、機能性と両立させやすいのが強みです。
透けにくい紙を選ぶと下地のムラを拾いにくく、失敗リスクも下がります。
次はまとめ依頼の割引効果です。
和室全体で考えると、トータル費用は下がりやすくなります。
同時リフォームでコストを抑える
まとめ依頼のメリット
- 回収・納品回数を減らし、出張費を抑えられる
- 作業の段取りが効率化し、合計料金が下がりやすい
- 和室全体の見た目を揃えられ、満足度が高い
一緒に検討したい項目
障子の貼り替え、網戸の交換、畳の表替え・裏返しは同じ店や協力業者で対応できることが多いです。複数同時で2〜10%の割引がつくケースがあるため、見積もりは「組み合わせ価格」も比較しましょう。
襖だけ先に決めるより、全体で要望を伝えた方が交渉がスムーズです。
続いて、助成や時期選びなど見落としがちな「タイミング」の話です。
ここを押さえるだけで費用が変わることがあります。
地域・市の助成やタイミングで得する
助成金・補助の確認ポイント
一部の自治体では、高齢者住宅改修や省エネ・住環境改善の枠で、和室のリフォーム費用の一部が対象になる場合があります。襖単体の助成は少ないものの、バリアフリーや断熱改修と合わせて申請できることがあります。
自治体サイトで最新情報を確認し、対象なら手続きと締切を早めに確認しましょう。
繁忙期・閑散期の違い
年度末や大型連休前は繁忙期で、予約が取りづらく料金も上がりがちです。梅雨明け〜秋口の中間期や年始の落ち着いた時期は、価格交渉が通りやすい傾向があります。
希望の納期があるなら、余裕を持った相談が安心です。
次は、ありがちな失敗とデメリットを先に把握しておきましょう。
回避策があるだけで、満足度は大きく変わります。
失敗を避ける注意点とデメリット
よくある失敗と対策(フィクションの事例)
仕様が曖昧な見積もりで追加費用が発生
事前に紙の品番・補修範囲を明記してもらう
安さ重視で薄い紙を選び、下地が透けて残念な仕上がりに
透けにくい紙か、下地調整込みのプランを選ぶ
DIYで角が浮き、短期間で剥がれ
角の圧着と乾燥時間を確保し、まず1枚で試す
上記はイメージしていただきやすく作成したフィクションの事例です。
現場の条件で対策は変わるため、迷ったら早めに相談しましょう。
デメリットの整理
- 最安重視は、耐久・質感・保証面で損をしやすい
- 特急は費用が上がり、選べる紙が限られる
- DIYは道具と時間が必要で、やり直しコストが発生する
費用・品質・時間のバランスを部屋ごとに決めると、失敗を避けやすいです。
迷ったら、試しに1枚だけグレードを上げるなど小さく検証しましょう。
続いて、スムーズに進めるための準備とステップを確認します。
最初の段取りで、見積もりの精度とスピードが変わります。
迅速に納得の価格へ導く進め方
事前準備のチェックリスト
- 部屋ごとの重視点(見た目/耐久/価格)を書き出す
- 枚数、種類(押入れ襖・天袋など)、片面・両面の希望を整理
- 汚れ・破れ・カビ・歪みなど気になる箇所の写真を用意
- 希望納期と回収・納品の都合のよい時間帯を共有
- 障子・網戸・畳の同時依頼の可否を検討
※ここに図解を挿入(チェックリスト):準備項目×期待できる効果の対応表
準備が整っていると、見積もりのブレが減り、比較もしやすくなります。
仕様のすり合わせもスムーズです。
見積もりから施工、完了までの流れ
- 連絡・相談:用途と重視点を伝える
- 現地確認・採寸:下地や枠の状態をチェック
- 見積もり:紙の品番、補修、出張費、納期を明記
- 施工:引取→張替え→納品。標準で3〜7日が目安
- 検品:角やふちの浮き、柄合わせを確認し、その場で質問
仕様が固まっていれば追加費用を抑え、納期も読みやすくなります。
ここまで整えば、費用節約と品質の両立が無理なく実現できます。
まとめ
襖の張替え費用は、素材のグレード、部屋の用途、下地の状態、地域の料金体系で大きく変わります。安さだけで決めると、見た目や耐久、納期で後悔しがちです。
見積もりは総額ではなく仕様の明確さで比べ、必要な補修の範囲まで確認しましょう。
部屋ごとの使い分けや、DIYと専門の線引きでムダを削れば、コストを抑えながら満足度を上げられます。障子や網戸、畳の同時依頼や、繁忙期を避ける工夫も有効です。
準備段階で重視点を整理し、サンプルで質感を確かめれば、仕上がりのズレは大きく減らせます。

