「できるだけ安く、でも見た目はきれいに」。
襖の張り替えは、費用相場や素材、DIYか業者かで迷いがちです。
こんな悩みはありませんか?
- 見積もりが適正か、判断基準がわからない
- DIYで節約したいが、失敗が怖い
- 枚数や素材で費用がどう変わるか知りたい
この記事では、相場の目安からコスパの高い襖紙の選び方、DIYのコツ、業者見積もりの見方までを整理しました。
複数枚のまとめ頼みや時期の工夫で、ムダな出費を抑えつつ、仕上がりの満足度も上げられます。
襖張替えの費用相場とは?
コスパを考えるうえで、まずは相場の把握から。
襖の張り替えは、紙の種類や枠・下地の状態、枚数、地域、依頼先で料金が変わります。
一般的な目安を押さえ、比較の土台を整えましょう。
種類別の料金目安と費用相場の全体像
素材とグレードで費用は大きく変動します。
以下は片面張りの目安です。
| 種類(襖紙・表面材) | 料金目安(1枚) | 特徴 | 耐久性の目安 |
| 普及品の紙(新鳥の子など) | 3,000〜6,000円 | コスパ良好。賃貸や子ども部屋向け | 3〜5年 |
| 中級紙(機械すき和紙) | 6,000〜10,000円 | 柄が豊富で見栄え良い | 5〜7年 |
| 織物(布) | 10,000〜18,000円 | 高級感があり破れにくい | 7〜10年 |
| ビニール襖紙 | 8,000〜15,000円 | 汚れに強く水拭き可 | 5〜8年 |
| 高級和紙(手すき) | 15,000〜30,000円 | 上質な質感。旅館風 | 10年以上 |
- 枠補修や下地張り替えが必要なら、1枚+1,000〜5,000円が目安。
- 両面張替えは片面の1.6〜1.8倍程度になることが多いです。
相場感を押さえたら、地域と時期の差もチェックしましょう。
この2つで総額が静かに変わります。
地域差と時期による料金の違い
都市部は人件費の影響で高め、地方はやや安めの傾向です。
繁忙期と閑散期の差も見逃せません。
- 地域差の感覚:首都圏・大都市圏は上表より+10〜20%、地方は−5〜10%
- 時期:春・秋は混みやすく、短納期だと割増の可能性
時間と料金のバランスを考え、余裕をもって依頼するだけでもコスパは上がります。
無理のないスケジュールで進めましょう。
枚数が増えるほど単価は下がる
業者には訪問や段取りの固定コストがあるため、まとめ頼みで単価は下がります。
- 例:1枚8,000円が、6枚で1枚7,000円に。全体で数千円〜1万円以上の差になることもあります。
まとめ頼みは、コスパを上げる強い打ち手です。
次は、費用に直結する素材選びを見ていきます。
コスパを左右する襖紙と素材の選び方
襖は「どの紙を選ぶか」でコストも仕上がりも変わります。
用途に合わない選択は、早い破れや汚れで割高になりがちです。
ここでは素材の特徴、デザインの考え方、枠・下地の確認、ホームセンター品との違いを整理します。
襖紙の種類と特徴の比較
代表的な素材を押さえると、無駄のない選びができます。
部屋の使い方に合わせるのがコツです。
紙(新鳥の子・機械すき)
費用を抑えやすく、軽く扱いやすい。反面、衝撃には弱めで子ども部屋では破れやすいことがあります。
織物(布)
破れにくく高級感が出ます。来客のある部屋に合い、長期で見るとコスパは高めです。
ビニール
水拭きでき、汚れに強いのが魅力。小さな子どもやペットがいる家、キッチン横の和室におすすめです。
高級和紙
陰影と手触りが豊か。価格は高いですが、満足度と耐久性は高く、長く楽しめます。
使い方に合わせるほど、張り替え周期が延び、総額は下がります。
早期再張替えを避けるのがコスパの近道です。
デザイン選びのポイントと部屋全体の印象
コスパ重視でも、柄と色で部屋の印象は大きく変わります。
統一感があると、同価格帯でも仕上がりが上質に見えます。
- 明るい無地や細かい市松は、部屋が広く見えやすい
- アクセント柄は1枚だけ変える手も効果的
- 障子・畳・壁紙のトーンを合わせると整って見える
※ここに図解を挿入
目的:和室の配色バランスの比較。構成:色相・明度のマトリクス図と、襖・障子・畳の組み合わせ例。
枠や下地の状態確認と追加費用の回避
見落としがちな費用アップ要因が、枠と下地の傷みです。
ここが悪いとシワや浮きが出て、後から費用が増えがちです。
- 枠のぐらつきや反り、剥がし後のカビ・剥離を事前チェック
- 下張りが必要なら、見積もりで下地補修費を明記してもらう
追加費用が不安なら、現地確認と写真付き見積もりを依頼しましょう。
先に不確定要素を潰すと安心です。
DIYで張り替える方法と費用
DIYは費用を抑えやすい一方、仕上がりの差が出やすいのが悩みどころです。
必要な道具と費用、作業の流れ、よくある失敗と対策、DIYか業者かの判断材料をまとめます。
必要な道具と費用内訳(ホームセンターで揃える場合)
- 襖紙:1枚分 1,000〜3,000円(普及品)
- のり(でんぷん系・専用のり):500〜1,000円
- ハケ・ローラー・地ベラ:1,000〜2,000円
- カッター・替刃・定規:1,000円前後
- 押さえローラー・角あて:500〜1,000円
合計目安は、1枚あたり2,500〜6,000円+道具の初期費用です。
複数枚なら道具を使い回せるため、枚数が増えるほど1枚単価は下がります。
作業手順と時間の目安
準備
襖を外して平らな場所へ。古い紙を剥がし、枠・下地を確認して汚れを拭き取ります。
糊付けと貼り
襖紙に均一にのりを塗り、上から下へ空気を抜きながら貼ります。角の処理は丁寧に。
乾燥・仕上げ
半日〜1日乾燥。気温・湿度で時間は前後します。
※ここに図解を挿入
目的:DIYステップの流れ。構成:フローチャート(準備→剥がし→下地確認→糊付け→貼り→圧着→乾燥)。
失敗しやすいポイントと対策
シワ・気泡
のりムラや圧着不足が原因。ローラーで中心から外へ空気を逃がす。
角・縁の剥がれ
のり不足や乾燥時の収縮が原因。角はのり多め、重しで固定。
歪み・寸法ずれ
裁断前に「上・下・引手位置」を合わせ、余白を持たせてから切る。
下地の浮き
剥がし残りやカビに注意。必要に応じて下張り紙で整える。
初めては練習用に1枚試してから本番へ。
これだけで失敗が大きく減ります。
業者に依頼して安くするコツ
業者依頼は仕上がりが安定し、時間の節約にもつながります。
コスパを上げるには、見積もりの見方、枚数と時期の工夫、追加費用の回避がポイントです。
見積もり比較のコツ(プロとホームセンターの違い)
- 料金は「1枚単価」だけでなく、「出張費」「引取り・納品費」「下地補修費」も確認
- ホームセンターは窓口が明瞭で安い傾向。選べる襖紙や柔軟さは専門業者が有利なことも
- リフォーム会社はワンストップだが、外注管理費が乗りやすい
比較は最低2〜3社。仕様(紙の種類・片面/両面)と作業内容を揃えて依頼すると、差の理由が明確になります。
迷いが減り、交渉もしやすくなります。
枚数まとめ頼みと時期選び
4枚以上で単価交渉がしやすく、6〜8枚ならまとめ割の提案が増えます。
閑散期(梅雨前後・真夏・年明け)を狙うと、納期も柔軟で対応に余裕があります。
障子や畳の表替えと同時依頼で訪問回数が減り、合計費用が下がることも。
効率よく全体の見栄えも上がります。
追加費用を防ぐ事前確認
- 枠補修の有無、引手交換、下地張り替えの可能性
- 工期、納品形式(引取りか現地作業か)、キャンセル料
- 襖紙の品番・グレード、保証内容
見積もり書に「含まれる作業」と「別途費用」を明記してもらいましょう。
後からの食い違いを防げます。
地域の専門業者と紹介サービスの活用
地域密着の専門業者は、和室の作法や気候に合わせた提案が得意です。
紹介サービスを使えば、予算や希望に合う業者を効率よく絞れます。
条件提示のコツ
「予算の上限」「求める仕上がり感」「枚数」「希望時期」を最初に共有すると、やり取りがスムーズです。
事例で見るコスパ良い進め方
以下はイメージしやすいように作成したフィクションの例です。
実際の料金は地域や業者、襖の状態で変わります。
一般的な和室(片面×4枚)を明るく
条件
築20年。子どもが破った襖があり、予算は3万円台。
選び
普及品から中級紙へ。無地の明るい柄で部屋を広く見せる。
料金目安
1枚7,500円×4枚=3万円。まとめ割で出張費込み。
ポイント
破れのある枚は下地補修+1,000円。トータルでもコスパ良好。
賃貸の原状回復(片面×2枚)
条件
退去前で安く早く仕上げたい。
選び
普及品の紙で統一。引取り方式で最短納品。
料金目安
1枚5,000円×2枚+出張費2,000円=12,000円前後。
ポイント
管理会社の指示に合わせ、品番と仕様を事前確認。
旅館風にグレードアップ(両面×6枚)
条件
来客の多い家。長期で持たせたい。
選び
織物と高級和紙を組み合わせ、目立つ2枚はアクセント柄。
料金目安
1枚15,000円×6枚=9万円。まとめ割で約10%ダウン。
ポイント
障子の張り替えも同時依頼で訪問回数を削減。全体の見栄えが大きく向上。
よくある質問と注意点
張り替えでよく出る疑問を整理します。
費用や仕上がり、トラブル回避に直結する内容です。
見積もりの料金に何が含まれる?
一般的に「襖紙・作業・引取り/納品・簡易な下地調整」が含まれます。
枠修理、引手交換、カビ除去、重度の下地張り替えは別料金になりがちです。
見積もり時に、含まれる作業と別途費用を必ず確認しましょう。
書面化できると安心です。
張り替えの目安年数と破れへの対応
目安年数:普及品で3〜5年、中級紙で5〜7年、織物・高級和紙で7年以上
破れが一部なら部分補修ができる場合も。色差が出やすいので、2枚1組の同時張り替えが自然です。
仕上がりの「異なり」と感じ方の違い
同じ品番でも、湿度や光の当たり方、畳や障子の色で見え方は変わります。
サンプルは「実際の部屋の光」で確認すると安心です。
※ここに図解を挿入
目的:照明・方角による見え方の違い。構成:昼光色/電球色+北向き/南向きの比較図。
見積もり後に発生しがちな費用
- 下地の劣化やカビの発見
- 枠の歪み補修
- 予定外の出張費や駐車料金
現地確認のうえで上限費用を決め、追加は事前承認制にすると安心です。
後出しの増額を防げます。
まとめ
襖の張り替えでコスパを高めるには、相場と素材の特性を押さえ、部屋の使い方に合う選びをすることが大切です。
普及品は安く早い一方、耐久性では織物やビニールに劣るため、使用頻度が高い部屋は初期費用が少し高くても織物や高級和紙が結果的に得になることがあります。
DIYは1枚あたりの費用を抑えられますが、仕上がりと時間のリスクがあるため、練習用の1枚から始めるのが安全です。
業者依頼なら、枚数まとめ頼み、閑散期の活用、含まれる作業の明記でムダを削減できます。
障子や畳の同時施工は訪問コストを下げ、仕上がりも整います。
自分の部屋の使い方と上限予算を明確にし、2〜3社の見積もりを同条件で比較することが、満足度と費用のバランスをいちばん良くしてくれます。

