和室の印象は障子で決まります。破れや黄ばみがあるだけで、部屋全体がくすんで見えてしまいますよね。とはいえ初めての張替えは、道具や手順、費用感など不安がつきものです。
こんな悩みはありませんか?
- 自分で張り替える段取りや必要な道具がわからない
- 強化和紙やプラスチック障子の違いと費用が知りたい
- 業者に頼むときの見積もりの見方が不安
この記事では、費用相場から具体的な手順、素材の違い、業者選びまでを一気に整理。仕上がりを重視したい人も、短時間で済ませたい人も、最適なやり方が選べるようになります。
障子張替えとは?効果と基本の考え方
障子の張り替えは、古い紙を剥がして新しい紙に貼り替える作業です。見た目の回復だけでなく、採光・断熱・調湿といった本来の性能が戻り、和室の居心地が変わります。黄ばみや破れが増えると、部屋が暗く感じたり、冬の冷気を通しやすくなります。
DIYでもできますが、襖とは構造やのりの扱いが違います。桟の状態や道具の選び方で仕上がりが変わるので、無理なく進める段取りづくりが大切です。費用は素材や工法で差が出るため、自分に合う「貼り方」と「商品」を選びましょう。
次は、多くの人が気になる費用相場から見ていきます。DIYと業者、どちらが合うかも判断しやすくなります。
障子張替えの費用相場と内訳
費用はサイズ、素材、DIYか業者かで決まります。標準サイズの相場は次のとおりです。
費用の目安(片面・標準サイズ)
| 項目 | DIYの費用目安 | 業者の費用目安 |
| 無地の障子紙(パルプ) | 500〜1,000円/枚 | 2,000〜3,500円/枚 |
| 強化・破れにくい和紙 | 800〜1,800円/枚 | 3,500〜6,000円/枚 |
| プラスチック障子(樹脂系) | 1,500〜3,000円/枚 | 5,000〜9,000円/枚 |
| のり・テープ等の消耗品 | 300〜600円/枚 | 含まれる場合が多い |
| 出張費・処分費 | 0円 | 1,000〜3,000円/回 |
DIYは枚数が多いほどコストが下がりやすいのが魅力です。業者は仕上がりの安定と時短が強みで、和室全体のリニューアルと合わせると効率的です。
注意したいのはサイズや桟の傷み。雪見障子や大型サイズ、桟の補修が必要な場合は費用が上がります。古紙の処分、畳の養生が含まれるかも見積もりで確認しましょう。

DIYでの障子張り替え準備と必要な道具
手順を守れば難しくありません。はじめに道具と作業環境を整えましょう。
必要な道具・材料(基本セット)
- 新しい障子紙(無地・強化和紙・プラスチック障子など)
- 障子のり(デンプン系)または両面テープ・専用テープ
- 霧吹き、スポンジ、ハケ(のり伸ばし用)
- カッター(替刃)、アルミ定規
- マスキングテープ(養生・仮止め)
- 雑巾、新聞紙、ビニールシート(畳養生)
- アイロン(アイロン接着タイプの場合)
- ローラー(空気抜き・圧着)
- ドライヤー(乾燥補助)
のりは伝統的で仕上がりがなめらか、テープは時短に向きます。プラスチック障子は専用品の指定があることが多いので、購入時に確認しましょう。
作業前の部屋と障子の点検
- 桟のささくれや汚れ、カビをチェック(必要なら紙やすりとアルコールで補修)
- 古い紙の剥がし方を確認(霧吹きで湿らせ、のり剥がし剤も併用)
- 畳・床を養生
- 作業時間の確保(1枚30〜60分、乾燥込みで半日が目安)
障子張替えの方法と手順&失敗しない貼り方とコツ
標準的なのり貼りを中心に、テープ・アイロン接着の置き換えも紹介します。
古い障子紙の剥がし
霧吹きで軽く湿らせてのりをふやかし、ゆっくり剥がします。桟に紙が残ったらスポンジで落とし、完全に乾かしてください。無理に引っ張ると桟が傷み、仕上がりに響きます。
のり付けと貼るときのコツ
のりは桟に均一、角や交点はやや多め。新しい紙は上端を合わせ、マスキングテープで仮止めするとズレにくいです。中央から外に向かって空気を抜き、しわを防ぎます。紙は引っ張り過ぎず、乾燥で自然に張る余裕を残すのがコツです。
余分のカットと仕上げ
四辺の余りは定規を当ててカット。角は一度で切らず、2回に分けるときれいに仕上がります。乾燥しにくい季節は、軽く霧吹きして張りを出しましょう。
テープ・アイロン接着の使い分け
テープは簡単で時短に最適。アイロン接着は貼り直しがしやすく、初めてでも安心です。プラスチック障子はアイロン不可の製品もあるため、表示を必ず確認してください。
障子の素材と種類や選び方について
素材の違いを押さえると、費用・質感・耐久のバランスがとれます。
一般的な障子紙(パルプ系)
価格が手頃で扱いやすく、柔らかな光が特徴です。破れやすいので、賃貸や来客用の和室など用途が限られる場に向きます。
破れにくい和紙(強化紙・合成繊維混抄)
繊維を混ぜて強度をアップ。見た目は和紙のまま耐久性を高められ、費用とのバランスが良好です。模様入りやUVカットなど機能付きもあります。
プラスチック障子(樹脂シート)
水拭きできて破れにくく、ペットや子どもがいる家で頼りになります。質感はやや硬く見えやすく、のりやテープの相性に注意が必要です。
破れにくい和紙の選び方とペット・子ども対策
毎日の使用で破れにくくするコツをまとめました。
素材選びのポイント
- ペットが触れやすい部屋はプラスチック障子、または強化和紙+補強テープ
- 子どもがいる家は強化和紙と低刺激ののりで安全も確保
- 水拭きしたいならプラスチック障子(製品表示を確認)
- 光のやわらかさ重視は強化和紙の高透過タイプ
追加の実用テクニック
- 下半分のみ二重貼りにして強度アップ
- 桟の交点の裏に透明補強テープ
- 破れは和紙用補修テープで目立ちにくく応急処置
張替えの最適なタイミングとチェックリスト
寿命の目安は、一般紙で1〜3年、強化和紙で3〜5年、プラスチック障子で4〜7年ほど。日当たりや使用頻度で前後します。
張替えのサイン
- 黄ばみやシミが増えた
- 紙のコシがなく波打つ
- 桟にカビやのり残りが目立つ
- 破れが複数ある
- 断熱性が落ちたと感じる
年末の大掃除や、梅雨前後の湿度が安定する時期に合わせると、乾燥の失敗が少なく作業しやすいです。
業者に依頼する場合の見積もり比較&相談のコツ
表具店やリフォーム業者なら、短時間で美しい仕上がりが期待できます。ポイントを押さえて比較しましょう。
見積もりの比較ポイント
- 紙の種類(銘柄・厚み・機能)と単価が明確か
- 出張費・処分費・養生費の有無
- 作業時間と納期(スケジュールの柔軟性)
- 保証の有無(剥がれや初期不良への対応)
DIYと業者のメリット・デメリット
- DIYのメリット:費用が安い、時間の融通、達成感がある
- DIYのデメリット:初回は失敗しやすい、道具準備と時間がかかる、乾燥管理が難しい
- 業者のメリット:プロの仕上がり、枚数が多くても短時間、桟の補修も相談できる
- 業者のデメリット:費用が高い、繁忙期は予約しにくい
DIY時の注意点
のりの量や乾燥管理を誤ると、しわ・波打ち・剥がれの原因になります。古紙の剥がし残りや桟のホコリ、マスキングテープの粘着移りにも注意が必要です。初めては目立ちにくい下段や裏面で試してから本番へ移ると安心です。
よくある質問Q&A
- Qのりと両面テープ、どちらがよい?
- A
のりは仕上がりがなめらかでコスパも良好。両面テープは時短に向きます。高温多湿の部屋はのり、寒い時期や急ぐ場合はテープが便利。アイロン接着は貼り直しのしやすさが魅力です。
- Q張替えにかかる時間は?
- A
1枚あたり30〜60分が目安。初回や大きいサイズは余裕を見てください。乾燥まで含めると半日ほどです。
- Q畳や壁の養生は?
- A
ビニールシートと新聞紙、マスキングテープで保護します。霧吹きの水分やのりが落ちても畳が汚れにくくなります。
- Qおしゃれなデザイン障子紙はある?
- A
強化和紙の模様入りや部分柄のタイプが人気。和の雰囲気を保ちつつアクセントになります。
まとめ
障子の張替えは、和室の明るさと清潔感を取り戻す近道です。費用は素材と方法で変わりますが、DIYなら1枚数百円から、業者なら短時間で安定した仕上がりが得られます。
のり・テープ・アイロンにはそれぞれの良さがあり、部屋の環境や時間の都合に合わせて選ぶのが成功の近道です。破れに強い強化和紙やプラスチック障子は、ペットや子どものいる家庭で安心感が高まります。
黄ばみや波打ち、断熱性の低下を感じたら替え時です。まずは1枚だけ試すか、写真を添えて業者に相談して、無理なく進めましょう。

