生産終了したトヨタ パッソが、手頃な価格と維持費の安さで、初めての中古車購入を考えるあなたにとって、今こそ賢い選択肢になっています。
この記事では、パッソが持つ本当の魅力や気になる実燃費から、「買って後悔した」とならないための弱点や中古車の選び方まで、網羅的に解説します。

生産が終わった古い車って、故障とか維持費がやっぱり心配…

大丈夫です。この記事を読めば、価格と安心を両立した、あなたにぴったりの一台が見つかりますよ
- 人気グレード「モーダ」の特徴と本当の燃費
- 「ダサい」「遅い」といった評判の真相
- 予算内で狙える中古車の価格相場
- 後悔しないための弱点と購入時のチェックポイント
トヨタ パッソが今も愛される理由
生産が終了してもなお、中古車市場でパッソが多くの人から選ばれるのには理由があります。
それは、最新の車にはないシンプルで飾らない「ちょうどよさ」を持っているからです。
流行に左右されないデザイン、驚くほど広い室内、そしてなにより維持費の安さが、日々の暮らしに寄り添ってくれます。
ここでは、特に人気の高い上級グレード「モーダ」と標準グレード「X」の違いを比較してみましょう。
比較項目 | モーダ(MODA) | 標準車(X) |
---|---|---|
ヘッドライト | 丸形LED(Bi-Beam) | ハロゲン |
フロントグリル | 専用デザイン | シンプルデザイン |
ホイール | 14インチアルミホイール | 14インチスチールホイール |
内装シート | 専用ファブリックシート | ジャージ素材シート |
内装加飾 | 専用アクセントカラー | シルバー加飾 |
おすすめな人 | デザイン性を重視する人 | コスパとシンプルさを求める人 |
パッソは、見栄を張らずに、自分の暮らしに合った車を賢く選びたいと考える方にとって、最高の選択肢の一つになります。
生産終了はなぜ?歴代モデルの歴史
トヨタ パッソは、2023年9月に約19年間の歴史に幕を閉じ、生産終了となりました。
初代モデルは2004年に「プチトヨタ」のキャッチフレーズで登場し、運転のしやすさと広い室内で人気を博しました。
その後、2010年に2代目、2016年に3代目へとモデルチェンジを重ね、常に時代のニーズに応えるコンパクトカーとして愛されてきました。
生産終了の背景には、2つの大きな理由があります。
一つは、同じトヨタのコンパクトカー「ヤリス」との役割が近くなったこと。
もう一つは、年々厳しくなる安全基準や環境規制に対応するための開発コストが増大したためです。
ダイハツが開発・生産を担うOEM車であることも、今回の決定に影響を与えました。

生産終了って聞くと、もう古い車なのかな?って不安になります…

大丈夫です。役割を終えただけで、車としての魅力や基本性能が色褪せたわけではありませんよ
パッソはトヨタのラインナップから姿を消しましたが、その堅実な設計思想と使い勝手の良さは、今も中古車市場で高く評価されています。
人気の「モーダ」と標準車の違い
MODA(モーダ)とは、3代目パッソから設定された、デザイン性を高めた上級グレードのことです。
標準グレードの「X」シリーズとの価格差は、装備にもよりますが新車時でおおよそ15万円から20万円ほどでした。
この価格差で、内外装に特別な装いが施されています。
一番の違いは、愛らしい丸目のLEDヘッドランプです。
これに加えて、専用デザインのフロントグリルやアルミホイールが、標準車とは一線を画すおしゃれな雰囲気を演出します。
内装も、モーダ専用のシート生地やアクセントカラーが使われており、より上質で個性的な空間です。

やっぱりモーダの方がおしゃれで惹かれますね

デザインにこだわりたいなら、モーダは満足度の高い選択です
機能面での大きな違いはないため、シンプルな道具として車を捉えるなら標準グレード、日々の運転に彩りや楽しさを求めるならモーダがおすすめです。
気になる実燃費は?燃費が悪いって本当?
中古車を選ぶ上で、購入後の維持費に直結する実燃費はとても重要な判断材料になります。
パッソの最終モデル(3代目・2WD)のカタログ燃費は、WLTCモードで21.0km/Lと、1.0Lクラスのガソリン車としては優れた数値を記録しています。
実際のオーナーからの燃費報告を見ると、実燃費は以下のようになります。
- 市街地走行:14~16km/L
- 郊外・幹線道路:17~19km/L
- 高速道路:19~22km/L
「軽自動車より燃費が悪い」という声も聞かれますが、これは一部の最新ハイブリッド軽自動車と比較した場合です。
同年代の軽ターボ車や、設計の古い軽自動車と比較すると、パッソの燃費性能が上回ることも少なくありません。

思ったより燃費が良いんですね!これなら安心かも

はい、日々のガソリン代をしっかり抑えてくれる、お財布にやさしい車ですよ
高速道路を多用するより街乗り中心の使い方で、その経済的なメリットを最も感じることができます。
「ダサい」「遅い」という評判の真相
中古車を探すとき、ネット上の評判は気になるものです。
パッソについても「デザインがダサい」「加速が遅い」といったネガティブな口コミを見かけることがあり、不安になるかもしれません。
まずデザインについてですが、「ダサい」と感じる人がいる一方で、そのシンプルさや親しみやすさを「かわいい」「飽きがこない」と評価する声も多くあります。
特に上級グレードの「モーダ」は、専用のデザインパーツで個性が際立ちます。
走行性能については、1.0Lエンジン(最高出力69馬力)なので、急な坂道や高速道路での追い越しでは、アクセルをしっかり踏み込む必要があります。
しかし、街中での発進や時速60kmまでの加速にストレスを感じることはほとんどありません。

運転が下手だから、遅い車だと逆に不安です…

街乗りメインなら全く問題ありません。むしろキビキビ走ってくれる印象ですよ
デザインの好みは人それぞれであり、走行性能は使い方次第です。
先入観を持たずに試乗してみることで、自分にとっての本当の評価が見えてきます。
小さいのに広い!室内空間と使い勝手
パッソの最大の美点の一つが、コンパクトな見た目からは想像もつかない室内の広さです。
軽自動車とほぼ同じ車体サイズでありながら、室内空間にはゆとりがあります。
特に3代目モデルは、前後の座席間距離が広くとられており、後部座席に大人が乗っても膝周りが窮屈に感じにくい設計です。
また、最小回転半径は4.6mと、軽自動車のワゴンR(4.4m)と遜色ないレベルの小回り性能を誇ります。
狭い道でのすれ違いや、駐車場での車庫入れも楽に行えるため、運転に自信がない初心者の方でも安心です。
ベンチシート仕様(3代目Xグレードなど)を選べば、運転席と助手席の間の移動もスムーズにできます。

友達を乗せて出かけることも多いから、広いのは嬉しいです

はい、4人乗っても快適にドライブを楽しめますよ
ドリンクホルダーや収納スペースも十分に確保されており、日常の買い物から週末のレジャーまで、あらゆる場面で「使いやすい」と感じられる工夫が詰まっています。
豊富なカラーバリエーションの魅力
自分の個性を表現できるボディカラー選びは、車選びの醍醐味です。
パッソは歴代モデルを通して、女性ユーザーの心をつかむ、おしゃれで豊富なカラーバリエーションが用意されてきました。
特に3代目モデルでは、単色で12色、ルーフの色が違う2トーンカラーを合わせると最大で18種類もの選択肢がありました。
「ジューシーピンクメタリック」や「マゼンタベリーマイカメタリック」といった華やかな色から、「ダークエメラルドマイカ」のような深みのある落ち着いた色まで、選ぶのに迷ってしまうほどです。
中古車市場では、こうした個性的なカラーの車を探す楽しみもあります。

こんなに色が多いんですね!自分だけの一台が見つかりそう

はい、好みの色を探すのも中古車選びの楽しみの一つです
定番の白や黒、シルバーも良いですが、パッソを選ぶなら、少しだけ冒険してお気に入りの色を探してみるのもおすすめです。
後悔しない中古パッソの選び方
パッソの魅力がわかったところで、次は実際に購入するステップに進みます。
中古車選びで失敗しないためには、価格相場と潜んでいる弱点を正しく知ることが重要です。
実質的な後継車種であるヤリスとの違いも理解しておくと、より納得のいく選択ができます。
項目 | トヨタ パッソ(3代目) | トヨタ ヤリス |
---|---|---|
購入形態 | 中古車のみ | 新車・中古車 |
価格帯の目安 | 50万円~150万円 | 150万円~260万円 |
室内空間 | コンパクトカークラスでトップクラスの広さ | パッソよりはタイトな設計 |
運転のしやすさ | 小回りが利き、四角いボディで見切りが良い | 最新設計で運転しやすいが、車幅は若干広い |
安全性能 | スマートアシストII/III | 最新のToyota Safety Sense |
走行性能 | 街乗り中心の穏やかな走り | キビキビとしたスポーティーな走り |
ここで解説する6つのポイントを押さえれば、あなたの予算と使い方にぴったりの一台がきっと見つかります。
中古車価格の相場と狙い目の年式
中古のパッソは、年式や走行距離によって価格が大きく変動します。
2025年現在の中古車価格の相場は、おおむね50万円から150万円の範囲で推移しています。
特に価格とコンディションのバランスが良いのは、2018年以前の3代目前期型で、走行距離が5万km以下の車両です。
この条件であれば、目標の予算100万円以内で状態の良い一台を見つけることも十分に可能です。

予算100万円だと、どんな車が狙えますか?

安全装備が付いた3代目「X “L package・S”」や、少しおしゃれな「MODA」グレードも射程圏内に入ってきますよ。
まずは中古車情報サイトで、狙い目の年式・グレードがいくらで販売されているか、実際の価格を調べてみましょう。
「やめとけ」と言われる故障と弱点
「パッソはやめとけ」という声が聞かれる背景には、いくつかの定番の弱点が存在します。
購入前に知っておきたい代表的な故障リスクは、エンジンの異音とCVTの不具合です。
3代目パッソが搭載する1KR-FEエンジンは、走行距離が7万kmを超えたあたりから「カタカタ」という特有の異音が発生するケースが報告されています。
また、変速機であるCVTの不具合や、夏場に多用するエアコンの故障も、年式が古くなると注意したいポイントになります。

中古車だと、やっぱり故障が心配です…

大丈夫です。これからお伝えするチェックポイントを試乗時に確認すれば、リスクは大きく減らせます。
これらの弱点は、購入前の試乗や点検整備記録簿のチェックで、ある程度見抜くことが可能です。
信頼できる販売店で購入することも、トラブルを避けるための重要な要素といえます。
年間の維持費はいくら?税金や車検代
パッソの大きな魅力は、なんといっても維持費の安さです。
特に毎年の自動車税は29,500円(2019年9月30日以前登録の場合)と、排気量1.0Lのため安く抑えられます。
下記の表は、年間の維持費をシミュレーションしたものです。
ガソリン代を含めても年間でおよそ18万円程度となり、軽自動車と比較しても大きな差はありません。
費目 | 年間費用の目安 |
---|---|
自動車税(種別割) | 25,000円~29,500円 |
自動車重量税 | 8,200円(車検時2年分で16,400円) |
自賠責保険料 | 約10,000円(車検時24ヶ月で計算) |
車検費用(法定費用除く) | 30,000円~ |
ガソリン代(年1万km走行) | 約75,000円(燃費20km/L、150円/Lで計算) |
合計(目安) | 約178,200円~ |
車両本体価格だけでなく、購入後のランニングコストまで含めて考えると、パッソがいかに経済的な選択肢であるかがわかります。
安全性能スマートアシストの実力は?
3代目パッソには、ダイハツが開発した衝突回避支援システム「スマートアシスト」が搭載されており、中古車でも安心感を高めてくれます。
スマートアシストには進化の段階があり、2018年10月のマイナーチェンジを境に「II」から「III」へと性能が向上しました。
「スマートアシストIII」では、歩行者も検知する衝突回避ブレーキや、前後方向の誤発進抑制機能が追加されています。

安全な車に乗りたいのですが、どの年式を選べば良いですか?

安全性を重視するなら、歩行者検知機能が付いた2018年10月以降の「スマートアシストIII」搭載モデルが断然おすすめです。
予算に少し余裕があるなら、より安全性能が高い後期型モデルを選ぶと、日々の運転がさらに安心なものになります。
後継車種ヤリスとの違いを比較
パッソの生産終了に伴い、実質的な後継モデルと位置づけられるのがトヨタ ヤリスです。
どちらを選ぶか迷う方も多いですが、一番の違いは「室内空間の広さ」と「走行性能の味付け」にあります。
ヤリスは最新のプラットフォーム(車台)を採用し、燃費や走りの質感でパッソを上回ります。
一方、パッソはベンチシートを採用するなど、後席を含めた室内空間のゆとりや開放感でヤリスに勝ります。
車両価格も中古のパッソの方が圧倒的に手頃です。

新しいヤリスの方がやっぱり良いのでしょうか?

走りの楽しさを求めるならヤリス、広さや価格の手頃さを重視するならパッソ、という選び方がおすすめです。
最新の性能を求めるならヤリスも良い選択ですが、街乗りが中心で、人を乗せる機会が多く、コストを抑えたい方にとっては、あえてパッソを選ぶメリットは大きいといえます。
失敗しないための中古車チェック点
これまでの情報を踏まえ、最後に中古車販売店で実車を確認する際のチェックポイントをまとめます。
特にエンジンをかけてみて異音がないか、試乗して変速がスムーズかは必ず確認しましょう。
点検整備記録簿で、オイル交換などのメンテナンスが定期的に行われてきたかを確認することも重要です。
記録がしっかり残っている車両は、大切に乗られてきた可能性が高くなります。
確認する場所 | チェックするポイント |
---|---|
エンジンルーム | エンジン始動時の異音(カタカタ音)の有無、オイル漏れの痕跡 |
外装 | ボディの傷や凹み、塗装の色あせやツヤの状態 |
内装 | シートの汚れやへたり、ハンドルの擦れ、エアコンの効き具合 |
試乗 | 加速時のCVTの滑りや変速ショック、走行中の異音、ハンドルのブレ |
書類 | 車検証、点検整備記録簿(メンテナンス履歴) |
初めての中古車選びで不安な場合は、車の状態を客観的に評価してくれる第三者機関の鑑定書が付いている車両を選ぶのも一つの手です。
よくある質問(FAQ)
- Qパッソとダイハツ ブーンの違いは何ですか?
- A
トヨタ パッソはダイハツが開発・生産し、トヨタへ供給していたOEM車です。
そのため、姉妹車であるダイハツ ブーンとは、エンブレムや一部グレードの名称、選べるボディカラーなどを除いて、基本的な性能や内装、サイズに違いはありません。
中古車を探す際は、両方の車種を比較検討すると、より条件に合う一台が見つかりやすくなります。
- Q初心者や女性向けと言われる理由を教えてください
- A
パッソが運転しやすいと言われるのには、3つの理由があります。
一つ目は、軽自動車並みに小回りが利くこと。
二つ目は、四角く見切りの良いボディと広いガラスエリアで、周囲の状況を把握しやすいことです。
三つ目は、3代目モデルから安全性能を高めるスマートアシストが搭載された点です。
これらの特長が、運転に慣れていない初心者の方や、日々の運転に安心感を求める女性向けとして、高い評価につながっています。
- Q実際の乗り心地はどんな感じですか?
- A
パッソの乗り心地は、街乗りでの快適性を重視した、柔らかめの設定です。
路面の細かな凹凸をスムーズに吸収してくれるため、長時間の運転でも疲れにくいです。
ただし、高速道路では少しふわふわとした感触があり、横風の影響を受けやすい側面もあります。
総合的に見ると、日常使いで友人や家族を乗せる場面では、十分に快適な乗り心地を提供します。
- Q中古車で狙うなら、走行距離はどのくらいまでが良いですか?
- A
一般的に中古車の走行距離は、1年あたり1万kmが目安です。
そのため、例えば5年落ちであれば5万km以下の車両が状態の良いものが多いといえます。
パッソの場合、10万kmを超えても基本的な耐久性は高いですが、エンジンの異音やCVTの不具合といった欠点が出てくる可能性が高まります。
予算と相談しつつも、年式と走行距離のバランスが取れた一台を選ぶことが重要です。
- Qパッソにおすすめのカスタムはありますか?
- A
パッソはシンプルなデザインだからこそ、自分好みにカスタムする楽しみがあります。
上級グレードの「モーダ」用パーツを標準グレードに取り付ける流用カスタムは人気があります。
また、内装にシートカバーを取り付けたり、インテリアパネルを好みの色に変えたりするだけでも、自分だけの空間を演出できます。
大掛かりな改造をしなくても、少しの工夫で愛着のわく一台に仕上げられます。
- Q生産終了しましたが、故障した時の部品供給は大丈夫ですか?
- A
生産終了になったからといって、すぐに修理部品がなくなる心配はありません。
自動車メーカーは、車の生産終了後も、最低10年間は部品を供給する義務があるからです。
さらに、パッソはダイハツ ブーンと多くの部品を共有しており、非常に多く販売された車種でもあります。
そのため、当面は部品の供給に困ることはなく、安心して中古車を選ぶことが可能です。
まとめ
生産終了した今だからこそ、トヨタ パッソは初めての中古車に最適な一台です。
この記事ではパッソの全体像を解説しましたが、一番の魅力は、見栄を張らないデザイン、驚くほど広い室内、そして経済的な維持費という、日々の生活に寄り添う圧倒的な実用性にあります。
- シンプルなデザインと人気グレード「モーダ」の違い
- 街乗りでは十分な走行性能とリアルな実燃費
- 後悔しないための中古車価格の相場と事前に知るべき弱点
まずはこの記事で紹介した狙い目の年式やチェックポイントを参考に、大手中古車サイトで、あなたの予算に合う一台がいくらで売られているか調べてみましょう。
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