新型ランクル徹底比較｜300・250・70の違いは？納期や価格も解説

新型ランドクルーザーに300、250、70という個性豊かな3兄弟が登場し、注目を集めています。

後悔しない一台を選ぶためには、それぞれのモデルが持つ個性や目的を正しく理解することが何よりも重要です。

この記事では、新型ランクルの3つのモデルを徹底的に比較します。

それぞれの特徴や価格、サイズ感はもちろん、気になる納期や維持費、リセールバリューといった購入後のことまで詳しく解説し、あなたのライフスタイルに最適なランクルを見つけるお手伝いをします。

• 新型ランクル3兄弟（300・250・70）の詳しい比較
• あなたに合ったモデルを見つけるための選び方
• 購入前に知るべき納期・リセール・維持費の実情
• 中古車で買う場合の狙い目モデル

新型ランクル3兄弟を徹底比較

ランドクルーザーの購入を考える上で、まずは現行の3つのモデル、それぞれの個性と立ち位置を理解することが後悔しないクルマ選びの第一歩です。

通称「ランクル3兄弟」と呼ばれる「300」「250」「70」は、同じ名を冠しながらも、全く異なる思想で開発されています。

モデル	コンセプト	価格帯の目安	こんな人におすすめ
ランクル300	究極の信頼性と豪華さを両立したフラッグシップ	730万円～	あらゆる面で最高を求め、ステータスも重視する人
新型ランクル250	人々の生活を支える実用性と快適性を追求したコアモデル	520万円～	ファミリーユースから趣味まで、幅広くこなせる万能性を求める人
ランクル70	プロの道具としての信頼性を極めたヘビーデューティーモデル	480万円～	趣味性を重視し、クルマを操る楽しさを追求する本格派の人

この比較表からもわかるように、どのモデルが優れているかではなく、どのモデルがあなたのライフスタイルに合うかを見極めることが大切です。

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

なぜランクルは「最強」と呼ばれるのか

ランドクルーザーが世界中で「最強」と称賛される理由は、単に頑丈だからではありません。

その根底には、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」という、一貫した開発思想があります。

1951年の誕生から70年以上にわたり、世界中のあらゆる過酷な道で人々の命と暮らしを支えてきた歴史こそが、その信頼性の証明です。

特に中東やアフリカ、オーストラリアのアウトバックなど、車両の故障が命に直結する地域で圧倒的な支持を得ている事実は、ランクルの性能を雄弁に物語っています。

この揺るぎない哲学が、これから紹介する3つのモデルすべてに、形を変えながらも脈々と受け継がれているのです。

ランクル300の特徴と価格

ランクル300は、長年にわたるランドクルーザーの歴史の頂点に立つ、正真正銘のフラッグシップモデルです。

オフロードでの圧倒的な走破性と、高級セダンのような快適性を高次元で両立しています。

パワートレインには、パワフルさと静粛性を兼ね備えた3.5L V6ツインターボガソリンエンジンと、3.3L V6ツインターボディーゼルエンジンの2種類を用意。

新開発のGA-Fプラットフォームにより、オンロードでの操縦安定性も大きく向上しました。

その分、価格は730万円からと高額で、まさに「キング・オブ・オフローダー」の名にふさわしい一台です。

項目	内容
パワートレイン	圧倒的なパワーと静粛性を両立するV6ツインターボエンジン（ガソリン/ディーゼル）
プラットフォーム	新開発のGA-Fプラットフォームによる優れた走行安定性と乗り心地
内外装	フラッグシップにふさわしい高級感あふれる内装と威風堂々とした外観
先進安全装備	最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を搭載
価格帯	730万円～800万円

ランクル300は、あらゆる道で最高のパフォーマンスと快適性を求める方に向けた、究極の選択肢といえるでしょう。

新型ランクル250！プラドとの違い

大ヒットしたランドクルーザープラドの実質的な後継モデルとして登場したのが、この新型ランクル250です。

多くの人々の生活に寄り添うことを目指した、「ランドクルーザーの中核を担うモデル」と位置づけられています。

先代のプラド（150系後期）と比較して全長は100mm、全幅は95mm大きくなり、より力強く存在感のあるスタイリングになりました。

注目すべきは、ランクル300と同じ高剛性なGA-Fプラットフォームを採用した点で、これによりオフロード性能はもちろん、オンロードでの乗り心地や静粛性が格段に向上しています。

項目	新型ランクル250	ランドクルーザープラド（150系後期）
コンセプト	原点回帰、人々の生活と実用を支える	時代のニーズに合わせた快適性と高級感
プラットフォーム	GA-Fプラットフォーム（高剛性・低重心）	ラダーフレーム（改良を重ねた熟成型）
パワートレイン	2.8Lディーゼルターボ / 2.7Lガソリン	2.8Lディーゼルターボ / 2.7Lガソリン
トランスミッション	Direct Shift-8AT	6 Super ECT
全長×全幅×全高	4,925mm×1,980mm×1,870mm	4,825mm×1,885mm×1,850mm

新型ランクル250は、伝統の悪路走破性はそのままに、現代のファミリーカーとして求められる快適性や使い勝手を両立した、最もバランスの取れた一台です。

復活したランクル70の魅力

多くのファンの熱い要望に応え、期間限定ではなくカタログモデルとして復活したのがランクル70です。

このクルマは、快適性や豪華さとは対極にある、「信頼性が求められるプロの道具であり、同時に究極の趣味のクルマ」です。

2014年の限定再販以来、約10年ぶりの国内市場への帰還となります。

今回のモデルでは、力強い走りと高い環境性能を両立する2.8Lのクリーンディーゼルエンジンと、6速ATが新たに搭載されました。

これにより、かつてのモデルが持っていたマニュアルトランスミッションの玄人向けなイメージが薄れ、より多くの人がその魅力を味わえるようになっています。

項目	内容
デザイン	誕生から変わらない機能美を追求したスクエアなフォルム
堅牢性	世界の過酷な現場で使われるヘビーデューティー仕様
パワートレイン	力強い走りを実現する2.8Lクリーンディーゼルエンジン
悪路走破性	パートタイム4WDシステムと電動デフロックを装備
唯一無二の存在感	現代のクルマにはない無骨さと運転する楽しさ

ランクル70は、利便性よりもクルマを所有し、操る喜びを最優先したい本格派のユーザーにとって、他の何にも代えがたい魅力を持っています。

あなたに合うランクルはどれ？

ここまでご紹介した3兄弟の特徴を踏まえ、ご自身のライフスタイルにどのモデルが最適か、最終的な判断の参考にしてみてください。

クルマに求める価値観を明確にすることが、ベストな選択につながります。

モデル	こんな人におすすめ	マッチするライフスタイル	検討ポイント
ランクル300	あらゆる面で最高を求め、ステータス性を重視する人	ラグジュアリーなキャンプ、高速道路での長距離移動、大切な人の送迎	高額な車両価格と維持費、大きな車体を許容できる駐車スペース
新型ランクル250	デザインと実用性の両立を求める人、ファミリーユースが中心の人	ファミリーキャンプ、街乗り、ウィンタースポーツ、釣り	最新モデルゆえの長い納期、リセールバリュー、先代プラドとの比較
ランクル70	クルマを趣味として楽しみたい人、唯一無二の個性を求める人	本格的なオフロード走行、DIYでのカスタム、ソロキャンプ	乗り心地、後部座席の快適性、先進安全装備は最新モデルに及ばない点

最終的にどのモデルを選ぶにしても、ランドクルーザーはあなたの人生を豊かにしてくれる素晴らしい相棒になります。

ご自身の価値観とじっくり向き合ってみてください。

グレード別の装備とおすすめ

乗りたいモデルが決まったら、次に悩むのがグレード選びです。

ここでは、リセールバリューや満足度の観点からおすすめのグレードを紹介します。

ランクル300のおすすめグレード

ランクル300の主なグレードは、豪華仕様の「ZX」と、悪路走破性に特化した「GR SPORT」です。

どちらも人気ですが、リセールバリューを考えると、豪華装備が充実した「ZX」が最も安定した人気を誇ります。

上質なレザーシートや快適装備は、所有する満足感を高めてくれるでしょう。

新型ランクル250のおすすめグレード

新型ランクル250は、上から「ZX」「VX」「GX」の3グレード構成です。

最もおすすめなのは、中間に位置する「VX」です。

最上級のZXにしかない装備もありますが、VXでも電動パーキングブレーキや最新の安全装備、大型ディスプレイオーディオなど、現代のクルマとして満足できる装備が揃っています。

価格と装備のバランスが最も良い選択肢です。

グレード	価格（ディーゼル）	タイヤサイズ	シート素材	主な装備
ZX	735万円	20インチ	本革	電動リヤデフロック、デジタルインナーミラー、ヘッドアップディスプレイ
VX	630万円	18インチ	合成皮革	電動パーキングブレーキ、Toyota Safety Sense、8インチディスプレイオーディオ
GX	520万円	18インチ	ファブリック	マニュアルエアコン、ハロゲンヘッドランプ、アナログメーター

ランクル70のおすすめグレード

復活したランクル70は、「AX」というモノグレード展開です。

そのため、グレード選びで悩むことはありません。

ただし、メーカーオプションとして電動デフロックや寒冷地仕様などが設定されているので、ご自身の使い方に合わせて選択する必要があります。

グレード選びは、予算と装備のバランスを見極める作業です。

ディーラーで実車を見たりカタログを比較したりして、自分にとって譲れない装備は何かを考えると、最適なグレードが見つかります。

• なぜランクルは「最強」と呼ばれるのか
• ランクル300の特徴と価格
• 新型ランクル250！プラドとの違い
• 復活したランクル70の魅力
• あなたに合うランクルはどれ？
• グレード別の装備とおすすめ

ランクルの購入と維持費を解説

ランドクルーザーの購入を具体的に考え始めると、その魅力だけでなく、現実的な問題にも向き合う必要があります。

特に、購入後の価値を左右するリセールバリューや、いつ手に入るかという納期、そして所有し続けるための維持費を事前に理解しておくことは、後悔しないクルマ選びのために不可欠です。

ここでは、オーナーになる上で知っておくべき、お金と時間に関わる大切なポイントを解説します。

驚異のリセールバリューの秘密

リセールバリューとは、一度購入したクルマを中古車として売却するときの再販価値を指します。

ランドクルーザーはこの価値が極めて高く、「走る資産」とまで呼ばれることがあります。

一般的な国産車は3年後の価値が新車価格の50%程度まで下がることも珍しくありませんが、ランドクルーザーは3年後でも70%以上、人気のグレードや仕様によっては新車価格を超える価格で取引されるケースも存在します。

この驚異的な価値の背景には、70年以上の歴史で培われた「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」という絶対的な信頼性があります。

過酷な環境で使われることが多い海外、特に中東やアフリカ、オーストラリアなどで絶大な需要があり、常に世界中から求められていることが中古車相場を押し上げています。

国内での人気に対して供給が追いついていない状況も、その価値をさらに高める要因となっています。

【2025年】最新の納期情報を解説

ランドクルーザーの購入を検討する上で、現在最も大きな課題となるのが、その長い納期です。

世界中からの注文が殺到しており、生産が全く追いついていないのが実情です。

2025年6月現在、最上級モデルのランクル300は数年にわたる受注停止が継続しており、注文再開の目途は立っていません。

注目度の高い新型ランクル250や、再再販されたランクル70についても、1年以上の納車待ちが当たり前の状況です。

モデル	納期目安（2025年6月時点）	備考
ランクル300	受注停止中	公式サイトでの再開アナウンスを待つ状態
新型ランクル250	1年以上	グレードや仕様によって変動の可能性あり
ランクル70	1年以上	限定生産ではないものの人気が集中

このような状況のため、すぐにでもランドクルーザーに乗りたい方は、新車だけでなく中古車市場にも目を向ける必要があります。

長い納期は、中古車の価格にも影響を与えており、市場全体の相場を高く維持する一因にもなっています。

ランクルは盗難に注意が必要？

高い人気と資産価値は、残念ながら車両盗難のターゲットになりやすいというリスクと表裏一体です。

ランドクルーザーは、日本損害保険協会が発表する「自動車盗難事故実態調査」において、長年にわたり盗難被害のワーストランキング上位の常連となっています。

その手口も巧妙化しており、「CANインベーダー」といった電子的な方法で、短時間のうちに盗まれてしまうケースが増加しています。

愛車を盗難から守るためには、単一の対策に頼るのではなく、複数の対策を組み合わせることが重要です。

対策の種類	具体例	期待できる効果
物理的対策	ハンドルロック、タイヤロック、ペダルロック	犯行に時間をかけさせ、視覚的に犯行を躊躇させる
電子的対策	イモビライザー、コードグラバー対策セキュリティ	不正なキー複製や電波ジャックによる解錠・始動を防止
追跡・監視	GPS追跡装置、ドライブレコーダー（駐車監視機能付）	万が一盗難された場合に車両位置を特定し、犯行を記録
保管場所	照明や防犯カメラのある屋内ガレージ、シャッター付き駐車場	犯人が人目や記録を嫌い、犯行を諦めさせる

これらの対策を講じ、オーナー自身が常に高い防犯意識を持つことが、ランドクルーザーを守る上で最も大切な心構えです。

年間の維持費はいくらかかる？

ランドクルーザーを所有するためには、車両の購入費用だけでなく、税金や保険、燃料代といった年間の維持費をしっかりと計画に織り込む必要があります。

排気量も車体も大きなクルマのため、維持費は一般的な乗用車と比較して高くなる傾向があります。

例えば、新型ランクル250の2.8Lディーゼルモデルを例に取ると、年間の維持費はおよそ30万円から50万円程度が一つの目安となります。

項目	目安金額（年間）	備考
自動車税	51,000円	2.8Lディーゼルの場合（2019年10月以降登録車）
自動車重量税	約20,000円	2年車検ごとに41,000円を支払うため、1年あたりで換算
自賠責保険料	約10,000円	12ヶ月契約の場合
任意保険料	約100,000円～	車両保険の有無や等級で大きく変動、盗難リスクから車両保険は高め
燃料代	約128,000円	年間1万km走行、燃費10km/L、軽油160円/Lで計算
メンテナンス費	約50,000円～	オイル交換、タイヤ代、その他消耗品
合計	約359,000円～	上記はあくまで試算であり、乗り方や保険内容によって変動

これはあくまで一例であり、駐車場の費用や高速道路の利用料金は含まれていません。

一方で、燃費性能に優れたディーゼルモデルを選ぶ、任意保険の内容を見直すといった工夫で、コストを管理することも可能です。

購入前にご自身の使い方に合わせたシミュレーションをしておきましょう。

中古で買うならどのモデルが狙い目？

新車の長い納期が待てない場合や、予算を抑えたい、あるいは歴代モデルのデザインに惹かれる方にとって、中古車は非常に魅力的な選択肢になります。

ランドクルーザーは中古車市場でも人気が高く、タマ数も豊富なため、ご自身の条件に合う一台を見つけやすいというメリットがあります。

中でも、先代モデルにあたるランドクルーザープラド（150系）は、新型250にも通じる扱いやすいサイズ感と豊富なカスタムパーツで、初めてランクルに乗る方からも高い人気を誇ります。

モデル名	特徴	中古車相場（目安）	こんな人におすすめ
ランドクルーザープラド (150系)	新型に近い現代的な装備と実用性、豊富な選択肢	300万円～700万円	新車の納期を待たずに、すぐにでも乗りたい人
ランドクルーザー (100系)	V8エンジン搭載モデルもあり、豪華な内装と快適な乗り心地が魅力	200万円～450万円	長距離移動が多く、クラシカルな高級感を求める人
ランドクルーザー (80系)	“ハチマル”の愛称で親しまれる名車、カスタムベースとしての価値も高い	150万円～400万円	オフロード走行や個性的なカスタムを楽しみたい本格派

中古のランドクルーザーを選ぶ際は、価格や走行距離だけでなく、車両の状態を丁寧に見極めることが重要です。

特にオフロードでの使用頻度が高かった車両は、下回りや足回りにダメージを負っている可能性があります。

整備記録がしっかりと残っており、信頼できる販売店から購入することが、後悔のない中古車選びの鍵となります。

よくある質問（FAQ）

まとめ

この記事では、新型ランクル3兄弟（300、250、70）の個性から、購入前に知っておきたい維持費や納期まで詳しく解説しました。

数ある選択肢の中から、ご自身のライフスタイルに寄り添う最高の一台を見つけることが、何より大切です。

• 「300」「250」「70」のコンセプトと特徴の違い
• 家族構成や趣味に合わせた最適なモデルの選び方
• 納期、維持費、盗難リスクといった現実的な注意点
• 新車が待てない場合の、中古車という賢い選択肢

この記事を参考に、まずはご自身のカーライフにどのランクルが一番合うのか、じっくりと想像してみてください。

夢の相棒が決まったら、次はお近くのトヨタ販売店で詳しい情報を集めることから始めていきましょう。