海外旅行でのインターネット接続は必須ですが、物理SIMカードの交換やWi-Fiルーターの持ち運びは面倒ですよね。
この記事では、オンラインで簡単に設定できるeSIMについて、基本的な使い方からプランの選び方、具体的な設定手順、注意点まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

eSIMって便利そうだけど、種類が多くて設定も難しそう…私のスマホで使えるのかな?

この記事を読めば、あなたにぴったりのeSIMを見つけて、安心して海外旅行を楽しめますよ
- 海外旅行でeSIMを使うメリットと注意点
- 物理SIMやWi-Fiルーターとの違い
- 失敗しないeSIMプランの選び方
- 購入から設定・利用開始までの7ステップ
eSIMで海外旅行のネット接続をスマートに
海外旅行中のインターネット接続は、旅の快適さを左右する重要な要素です。
近年注目されている「eSIM」は、物理的なSIMカードが不要で、オンライン手続きだけで利用開始できる点が最大の魅力と言えます。
このセクションでは、eSIMが海外旅行のネット接続をいかにスマートにするか、その具体的なメリットを「オンライン完結の手軽さと即時性」、「国際ローミングよりお得な料金体系」、「デュアルSIM活用で日本の電話番号も維持」、「物理SIM紛失・破損のリスク回避」の4つの観点から詳しく解説します。
これらの利点を理解することで、ご自身の旅行スタイルにeSIMが合うかどうか判断する手助けになるでしょう。
eSIMを活用すれば、よりスムーズで快適な海外旅行が実現します。
eSIMなら申し込みから設定までオンラインで手軽に完結
eSIMの大きな特徴は、プランの申し込みから設定まで、すべてオンライン上で完結するデジタルSIMである点です。
これにより、旅行前に自宅で手続きを済ませたり、渡航先の空港に到着してすぐにWi-Fi環境下で契約・設定を開始したりできます。
例えば、多くのeSIMプロバイダーでは、ウェブサイトや専用アプリからプランを購入後、送られてくるQRコードをスマートフォンで読み込むだけで、わずか数分で設定が完了します。
物理的なSIMカードのように郵送を待ったり、現地で販売店を探したり、小さなカードを差し替えたりする手間が一切ありません。

現地でSIMカード買うのって、言葉も不安だし時間もかかりそう…

eSIMなら、Webサイトやアプリで事前購入・設定できるので安心ですよ
この手軽さと即時性は、貴重な旅行の時間を有効活用したい方にとって、非常に大きなメリットです。
eSIMの料金体系は国際ローミングよりお得
大手携帯キャリアが提供する国際ローミングサービスは手軽ですが、利用料金が高額になる傾向があります。
知らず知らずのうちに使いすぎてしまい、帰国後に高額な請求が届くケースも少なくありません。
一方で、海外旅行向けのeSIMプランは、多くがプリペイド(前払い)式です。
必要なデータ容量と利用日数を事前に選んで購入するため、料金体系が明確で予算管理がしやすいです。
例えば、「Airalo」や「Ubigi」といったプロバイダーでは、アジア周遊プランで5GB/30日間が2,000円台から提供されているなど、国際ローミングと比較して費用を抑えられる場合が多いです。

ローミングって便利だけど、請求が怖いイメージがあります…

eSIMなら事前に料金が決まっているプランが多いので、使いすぎの心配が少ないです
自分のデータ利用量に合わせて無駄なくプランを選べるため、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。
デュアルSIM活用で日本の電話番号も維持
デュアルSIMとは、1台のスマートフォンで2つの回線(SIM)を同時に待ち受け状態にできる機能のことです。
eSIM対応スマートフォンの多くは、このデュアルSIM機能を備えています。
この機能を活用すれば、日本で普段お使いの通信キャリア(例:NTTドコモ、au、ソフトバンクなど)の物理SIMカードを挿したまま、追加で海外用のeSIMを設定できます。
具体的には、日本の物理SIMは音声通話やSMS受信用として有効にしつつ、データ通信は料金の安い海外用eSIMを利用するといった賢い使い分けが可能です。
これにより、海外滞在中でも日本の電話番号にかかってくる緊急の電話や、サービスのSMS認証などを見逃す心配がありません。

海外でも日本の電話番号は使えるようにしておきたいな

デュアルSIM対応スマホとeSIMなら、それが簡単に実現できます
メインの電話番号を維持しながら、海外でのデータ通信費を節約できるのは、eSIMとデュアルSIM対応スマートフォンの組み合わせならではの大きな利点です。
物理SIM紛失・破損のリスク回避
従来の物理SIMカードは非常に小さいため、旅行先でのSIMカードの入れ替え作業中に、うっかり紛失したり、破損したりするリスクが常にありました。
しかし、eSIMはスマートフォン本体にあらかじめ埋め込まれたデジタルSIMです。
そのため、物理的なカードを抜き差しする必要が全くありません。
これにより、慌ただしい空港での乗り継ぎ時や、慣れない海外の環境でSIMカードを落としてなくしてしまうといったストレスやトラブルを根本的に回避できます。
SIMピンを探したり、小さなトレイを扱ったりする煩わしさからも解放されます。

SIMカードって小さくて、なくしそうで怖い…

eSIMならその心配がないので、ストレスなく旅行を楽しめますよ
物理的なカード管理の手間と心配がなくなる点は、特に旅行中の安心感を高める上で重要なメリットです。
eSIMの利用前に知っておくべき基礎知識と比較ポイント
- eSIMとは?仕組みを分かりやすく解説
- 物理SIM・国際ローミング・ポケットWi-Fiとの徹底比較
- 自分のスマホは対応?eSIM利用可否の確認方法 (EIDチェック)
- SIMロック解除の必要性
- SIMロックの確認・解除手順
海外旅行でeSIMの利用を検討する際には、まずeSIMそのものや、他の通信手段との違いを理解しておくことが大切です。
基礎知識があれば、ご自身の旅行プランやスマートフォンの状況に合わせて、最適な選択がしやすくなります。
このパートでは、eSIMとは何か、その仕組みから始め、従来の物理SIMや国際ローミング、ポケットWi-Fiとの比較、ご自身のスマートフォンがeSIMに対応しているかの確認方法、そして意外と見落としがちなSIMロックの確認と解除について、順を追って分かりやすく解説していきます。
これらのポイントを押さえることで、海外旅行先でのインターネット接続に関する不安を解消し、スムーズなeSIMデビューの準備を整えることができます。
eSIMとは?仕組みを分かりやすく解説
eSIM(イーシム)とは、「Embedded SIM」の略で、スマートフォン本体にあらかじめ埋め込まれているデジタルSIMのことです。
従来の物理的なSIMカードのように、小さなカードをトレイに乗せて抜き差しする必要がありません。
利用者は、通信サービスを提供する会社(プロバイダー)とオンラインで契約し、送られてくるQRコードを読み込んだり、設定情報を入力したりするだけで、通信プランをスマートフォンに追加できます。
物理SIMカードの情報を、データとしてスマートフォンにダウンロードするイメージを持つと分かりやすいでしょう。

eSIMって、なんだか難しそう…?

大丈夫ですよ。簡単に言うと、スマホに最初から入っているSIMカードのデータ版なんです。
この仕組みのおかげで、お店に出向いたり、SIMカードが郵送されるのを待ったりする必要がなく、オンラインの手続きだけで、場合によっては即日開通も可能です。
eSIMと物理SIM・国際ローミング・ポケットWi-Fiとの徹底比較
海外でインターネットを使う方法はeSIMだけではありません。
それぞれの手段にメリットとデメリットがあるため、ご自身の旅行スタイルや重視する点に合わせて最適なものを選ぶことが重要です。
ここでは、eSIM、海外用の物理SIMカード、現在お使いの携帯電話会社の国際ローミング、そしてレンタル式のポケットWi-Fiという、主な4つの選択肢について、特徴を比較してみましょう。
項目 | eSIM | 物理SIM (海外用) | 国際ローミング | ポケットWi-Fiレンタル |
---|---|---|---|---|
手軽さ | オンライン完結、SIM交換不要 | 購入・交換の手間、紛失リスクあり | 設定は簡単、事前確認は必要 | 機器の持ち運び、充電、返却が必要 |
コスト | 比較的安価なプランが多い | 安価なプランを見つけやすい | 高額になりやすい傾向 | 複数人利用なら割安な場合あり |
通信品質 | 現地の回線利用で比較的安定 | 現地の回線利用で比較的安定 | 遅延や速度低下の可能性あり | 機器性能や現地回線に依存 |
複数国周遊 | 周遊プランや追加購入で対応しやすい | 国ごとにSIM交換が必要な場合あり | 対応国ならそのまま利用可能 | 対応プランならそのまま利用可能 |
準備 | スマホ確認、プラン選択が必要 | SIMフリー端末、購入/受取/交換 | 申込み不要な場合も、要確認 | 予約、受取、返却が必要 |
その他 | 対応端末が必要 | SIMフリー端末が必要 | 意図せぬ高額請求リスクに注意 | 複数端末で同時接続可能 |

ポケットWi-Fiも使ったことあるけど、結局どれがいいのかな?

それぞれの良さがありますが、手軽さやコストを重視するならeSIMは有力な選択肢になりますよ。
このように、手軽さやコスト面でeSIMにメリットがありますが、ご自身のスマートフォンの対応状況や、旅行人数なども考慮して、最適な方法を選びましょう。
自分のスマホは対応?eSIM利用可否の確認方法 (EIDチェック)
eSIMを使ってみたいと思ったら、まず最初にご自身のスマートフォンがeSIMに対応しているかを確認する必要があります。
すべてのスマートフォンが対応しているわけではないため、事前のチェックが欠かせません。
簡単な確認方法として、スマートフォンの設定メニュー内にeSIMに関する項目があるか、または電話アプリで「*#06#」とダイヤルして「EID」という番号が表示されるかをチェックします。
EIDはeSIM固有の識別番号で、これが表示されれば対応機種であることの証明になります。
確認方法 | iPhoneの例 (iOSバージョンによる) | Androidの例 (機種による) | 共通の簡単な方法 |
---|---|---|---|
設定メニュー | 「設定」>「モバイル通信」>「eSIMを追加」など | 「設定」>「ネットワークとインターネット」>「SIM」など | – |
端末情報 | 「設定」>「一般」>「情報」>「EID」 | 「設定」>「デバイス情報」>「SIMのステータス」>「EID」 | – |
電話アプリ (ダイヤルパッド) | 「*#06#」と入力して発信 | 「*#06#」と入力して発信 | 表示情報に「EID」があるか |
メーカー/キャリアサイト | Apple公式サイトの仕様表 | 各メーカー公式サイトの仕様表 | – |

私のiPhoneでも使えるか、どうやって確かめるの?

設定メニューを見るか、電話アプリで「*#06#」とダイヤルするのが簡単ですよ。
上記の方法で確認できない場合は、スマートフォンのメーカー公式サイトで仕様を確認するか、契約している携帯電話会社に問い合わせるのが確実です。
eSIMプランを購入する前に、必ず対応を確認しましょう。
SIMロック解除の必要性
お使いのスマートフォンがeSIMに対応していることを確認できたら、次にもう一つ、「SIMロック」がかかっていないかを確認しましょう。
これは、海外eSIMを使う上で非常に重要なポイントです。
日本の大手携帯電話会社(NTTドコモ、au、ソフトバンクなど)でスマートフォンを購入した場合、その会社のSIMカード(またはeSIM)しか認識しないように制限(SIMロック)がかかっていることがあります。
海外旅行用に別の会社のeSIMを利用するには、原則として、このSIMロックを解除して、どの会社のSIMでも使える「SIMフリー」の状態にする必要があります。

SIMロックって解除しないとダメなの?

はい、基本的には解除が必要です。そうしないと購入したeSIMが使えないんです。
ただし、Apple StoreやGoogle Store、家電量販店などで最初からSIMフリー版として販売されているスマートフォンを購入した場合は、SIMロックはかかっていませんので、この手続きは不要です。
SIMロックの確認・解除手順
ご自身のスマートフォンにSIMロックがかかっているかどうか、そしてかかっている場合にどうやって解除するのか、その手順をご説明します。
SIMロックの状態確認や解除手続きの方法は、スマートフォンを購入した携帯電話会社によって異なります。
近年販売された機種は最初からSIMロックがかかっていなかったり、オンラインで簡単に無料解除できたりする場合が多いです。
キャリア名 | SIMロック確認・解除の主な方法 (一般的な例) |
---|---|
NTTドコモ | My docomo (Web/アプリ) で確認・手続き、ドコモショップ (手数料がかかる場合あり) |
au | My au (Web/アプリ) で確認・手続き、au Style/auショップ (手数料がかかる場合あり) |
ソフトバンク | My SoftBank (Web/アプリ) で確認・手続き、ソフトバンクショップ (手数料がかかる場合あり) |
楽天モバイル | 販売している端末は原則SIMフリーのため、通常解除手続きは不要 |

解除って難しくない?どこでできるの?

契約している携帯会社のマイページなど、オンラインでできることが多いですよ。
具体的な手順は各社のウェブサイトで詳しく案内されていますので、そちらをご確認ください。
「(契約キャリア名) SIMロック解除」などで検索するとすぐに見つかります。
旅行の準備には時間がかかることもあるため、出発前に余裕をもって確認し、必要な場合は早めに解除手続きを済ませておくことをおすすめします。
最適なプランが見つかる!eSIMプロバイダーの選び方と比較
- 主要eSIMプロバイダー紹介と比較サイトの活用法
- 失敗しないeSIMプラン選択の重要ポイント(渡航先・期間・容量・料金)
- 人気渡航先別おすすめeSIMプラン例(ヨーロッパ・アメリカ・アジア)
- データ無制限プランのメリットと注意点
- 日本語サポート体制の比較
海外旅行でeSIMを利用する際、最も重要なのは自身の渡航計画や使い方に最適なプランを見つけることです。
多くのプロバイダーが存在し、それぞれ特徴が異なるため、選択肢は豊富にあります。
数ある選択肢の中から後悔しないeSIMを選ぶために、主要なeSIMプロバイダーやプラン選択で失敗しないためのポイント、人気渡航先でのおすすめプラン例、データ無制限プランのメリットと注意点、そして万が一の際に頼りになる日本語サポート体制の比較について、詳しく解説していきます。
これらの情報を比較検討することで、あなたの旅行スタイルに合ったeSIMプランがきっと見つかります。
プロバイダー例 | 特徴の概要 | 対応国数 (目安) | データ無制限プラン | 日本語サポート |
---|---|---|---|---|
Airalo | 定番、アプリで管理しやすい、プラン豊富 | 200以上 | △ (一部プラン) | ◯ |
Holafly | データ無制限プランが多い、24時間サポート | 160以上 | ◎ | ◎ |
Ubigi | 欧州に強い、5G対応、アプリ内で追加購入可能 | 200以上 | △ (一部プラン) | ◯ |
Nomad | 低価格プランが魅力、SMSオプションも提供 | 不明 | △ (一部プラン) | ◯ |
VOYAGEESIM | 日本企業運営で安心感、サポート丁寧 | 不明 | × | ◎ |
Soracom Mobile | KDDIグループ、アプリで購入から利用開始まで完結 | 不明 | × | ◯ |
これらの情報を参考に、ご自身のニーズに最も合うeSIMプロバイダーとプランを賢く選びましょう。
主要eSIMプロバイダー紹介と比較サイトの活用法
海外旅行向けのeSIMを提供するプロバイダーは世界中に数多く存在します。
選択肢が豊富なのは嬉しいですが、どこを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。
代表的なプロバイダーとしては、Airalo(対応国数が多くアプリが使いやすい)、Holafly(データ無制限プランと24時間サポートが特徴)、Ubigi(ヨーロッパに強く5G対応プランあり)、Nomad(比較的安価なプランが多い)、そして日本企業が運営するVOYAGEESIMなどが挙げられます。
それぞれ料金体系、データ容量、有効期間、サポート体制などに違いがあります。
プロバイダー | 特徴 | サポート言語 (目安) |
---|---|---|
Airalo | 対応国多数 (200以上)、アプリ管理容易 | 英語 (一部日本語) |
Holafly | データ無制限プラン豊富、24時間サポート | 日本語対応 |
Ubigi | ヨーロッパで割安傾向、5G対応、アプリで追加可 | 日本語対応 |
Nomad | 低価格プラン、SMSオプションあり | 日本語対応 |
VOYAGEESIM | 日本企業運営、日本語サポート充実 | 日本語対応 |
Soracom Mobile | KDDIグループ、アプリ内で完結 | 日本語対応 |

たくさんありすぎて、どうやって比べたらいいんだろう?

「eSIMDB」のような比較サイトを使えば、複数の会社をまとめて比較できて便利ですよ
比較サイトでは、目的地、必要なデータ容量、滞在期間などの条件で絞り込んでプランを検索でき、利用者のレビューも参考にできます。
各社の公式サイトと合わせて比較サイトを活用し、最適なプロバイダーを見つけましょう。
eSIMのプラン選択の重要ポイント(渡航先・期間・容量・料金)
渡航先、期間、必要なデータ容量、予算を明確にし、複数のプロバイダーを比較検討しましょう。
渡航先、滞在日数、データ容量、料金を考慮し、複数のプロバイダーを比較して最適なプランを選択しましょう。
eSIMプランを選ぶ際に失敗しないためには、4つの重要ポイントを事前にしっかりと確認することが大切です。
これらを怠ると、現地で使えなかったり、無駄な費用が発生したりする可能性があります。
まず渡航先(国・地域)がプランの対応エリアに含まれているかを確認します。
次に、旅行日数全体をカバーできる滞在期間(有効期間)であるか。
そして、地図アプリやSNS、Web検索など、ご自身の使い方に必要なデータ容量(GB)があるかを見積もります。
最後に、料金が予算に合っているか、コストパフォーマンスはどうか(1GBあたりの価格も参考に)を比較検討しましょう。
例えば、主に地図や簡単な調べ物で使うなら1週間で1GBから3GB程度、SNSへの写真アップロードや動画視聴も考慮するなら5GB以上など、利用シーンを想定して容量を選ぶのがおすすめです。
チェックポイント | 確認内容 |
---|---|
渡航先 | 訪問する国や地域すべてがプランの対応エリアに含まれているか |
滞在期間 | プランの有効期間が旅行日数全体をカバーしているか |
データ容量 | 必要なデータ量 (GB) を満たしているか (SNS、地図、動画視聴など) |
料金 | 予算内か、1GBあたりの単価はどうか |
これら4つのポイント「渡航先」「期間」「容量」「料金」を総合的にチェックし、自分の旅行計画に最も適したプランを選びましょう。
eSIMの渡航先別おすすめプラン(ヨーロッパ・アメリカ・アジア)
eSIMの料金やプランは頻繁に変わるため、常に最新の情報を確認することが重要です。
eSIMの料金やプランは頻繁に変わるため、常に最新の情報を確認することが重要です。
以下は一般的な例として、ヨーロッパ、アメリカ、アジアの主要都市への旅行でおすすめのeSIMプランをまとめました。
渡航先 | おすすめのプロバイダー | プラン例 | 特徴 |
---|---|---|---|
ヨーロッパ | Airalo、Holafly | 30日間/10GB/約3,000円〜 | 周遊プランが豊富で、複数国を訪れる旅行者に最適。Holaflyはデータ無制限プランも提供 |
アメリカ | Airalo、Nomad、Holafly | 30日間/10GB/約4,000円〜 | 大容量プランが充実しており、長期滞在やビジネス利用にもおすすめ。Holaflyはデータ無制限プランも提供。 |
アジア(日本) | Ubigi、Nomad | 30日間/5GB/約1,500円〜 | 短期滞在向けの低価格プランが豊富。日本国内での利用も可能。 |
アジア(韓国) | Airalo、Ubigi | 7日間/3GB/約1,000円〜 | 短期滞在向けのプランが充実。 |
アジア(タイ) | Airalo、DTAC | 15日間/8GB/約800円〜 | 長期滞在向けのプランもあり、価格も比較的安価。 |
これらのプランはあくまで参考として、ご自身の渡航期間やデータ使用量に合わせて最適なプランを選択してください。
渡航先によって、利用しやすい通信キャリアやお得なプランは異なります。
渡航先によって、利用しやすい通信キャリアやお得なプランは異なります。
ここでは、日本人旅行者に人気のヨーロッパ、アメリカ、アジア(韓国、タイなど)へ行く際のおすすめeSIMプランやプロバイダーの例をいくつかご紹介します。
ヨーロッパを複数の国周遊する場合は、AiraloやUbigi、Holaflyなどが提供する周遊プランが便利です。
アメリカへ行くなら、広い国土をカバーする大手キャリア(AT&TやVerizonなど)のネットワークを利用できるプランを選ぶと安心感があります。
Holaflyのデータ無制限プランや、Nomad、AiraloのGBプランなどが選択肢になります。
アジア方面、例えば韓国やタイへは、多くのプロバイダーが比較的安価で使いやすいプランを提供しています。
滞在日数に合わせて7日間で3GBや15日間で5GBといった多様なプランから選べます。
渡航先 | おすすめプロバイダー例 | プラン例 (目安) | 特徴 |
---|---|---|---|
ヨーロッパ周遊 | Airalo, Ubigi, Holafly | 30日/10GB/約5,000円 | 周遊プランが豊富 |
アメリカ | Holafly, Nomad, Airalo | 30日/20GB/約6,000円 | 無制限や大容量プランも |
アジア (韓国) | Airalo, Ubigi, Nomad | 7日/3GB/約1,500円 | 短期・低容量プランあり |
アジア (タイ) | Airalo, Holafly, AIS | 15日/30GB/約2,500円 | 大容量プランも手頃 |

ヨーロッパ周遊旅行にはどのプランがいいかな?

AiraloやUbigiのヨーロッパ周遊プランなら、国境を越えてもSIMの入れ替えなしで使えて便利ですよ
上記はあくまで一例であり、料金やプラン内容は頻繁に変わるため、必ず最新の情報を各プロバイダーの公式サイトや比較サイトで確認してください。
渡航先に合わせて最適なプランを選びましょう。
データ無制限プランのメリットと注意点
データ無制限プランは、旅行中にデータ通信量を気にすることなく、地図アプリを使ったり、SNSに写真をアップロードしたり、動画を見たりできる点が最大のメリットです。
データ残量を心配するストレスから解放されるため、特にデータ通信を多く利用する予定の方や、テザリングで複数のデバイスを使いたい方には魅力的な選択肢となります。
しかし、「無制限」という言葉に安心してはいけません。
多くのデータ無制限プランには、「公平利用ポリシー(Fair Usage Policy, FUP)」が適用されます。
これは、短期間に大量のデータ通信を行うと、通信速度が大幅に制限されるというものです。
例えば、「1日のデータ使用量が2GBを超えると、通信速度が128kbpsに低下する」といった具体的な条件が定められている場合があります。

無制限って聞くと安心だけど、本当にずっと使い放題なのかな?

完全に速度制限なしで使い放題、というわけではないことが多いので、公平利用ポリシー(FUP)の条件を必ず確認しましょう
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | データ残量を気にするストレスがない、テザリング利用時も安心感 |
注意点 | 料金が比較的高め、速度制限 (FUP) の条件確認が必須、テザリング不可の場合あり |
データ無制限プランを選ぶ際は、料金だけでなく、速度制限がかかる条件(データ量や速度低下後の速度)を必ず確認し、ご自身の使い方に合っているかを判断することが重要です。
日本語サポート体制の比較
eSIMの設定や利用中に、「うまく接続できない」「設定方法がわからない」といったトラブルが発生する可能性はゼロではありません。
そのような場合に、日本語でサポートを受けられるかどうかは、特に海外でeSIMを初めて使う方や、英語に不安がある方にとって非常に重要なポイントとなります。
AiraloやHolafly、Ubigi、Nomad、VOYAGEESIM、Soracom Mobileなど、多くの主要なeSIMプロバイダーが日本語でのカスタマーサポートを提供しています。
しかし、その内容は一様ではありません。
サポートを受け付けている時間(24時間対応か、平日のみかなど)、連絡手段(リアルタイムで返答が期待できるチャットか、メールか、電話か)、そしてサポートの質(日本語ネイティブのスタッフが対応するか、自動翻訳を介するか)などを比較検討する必要があります。
プロバイダー | 日本語サポート | 対応時間 (目安) | 連絡手段 (目安) | 特記事項 |
---|---|---|---|---|
Airalo | ◯ | 24時間 | チャット, メール | 迅速とのレビューあり |
Holafly | ◎ | 24時間 | チャット, メール | 日本語ネイティブ対応を謳う |
Ubigi | ◯ | 不明 (メール) | メール | 返信に時間がかかるとのレビューあり |
Nomad | ◯ | 不明 (メール) | メール | |
VOYAGEESIM | ◎ | 平日 | メール, 電話 | 日本企業運営 |
Soracom Mobile | ◯ | 平日 | フォーム | KDDIグループ |

英語が苦手だから、日本語で聞けるところがいいな…

日本企業のVOYAGEESIMや、24時間日本語チャット対応のHolaflyなどは安心感がありますね
料金やプラン内容だけでなく、こうしたサポート体制の充実度もプロバイダー選びの重要な基準です。
万が一のトラブルに備え、ご自身が安心できるサポートを提供しているプロバイダーを選ぶことで、より快適な海外旅行を楽しめます。
迷わずできる!eSIMの購入から現地での利用開始まで7ステップ
- ステップ1:利用するeSIMプランの選択と購入
- ステップ2:メールで届くQRコードまたは設定情報の確認
- ステップ3:【出発前推奨】Wi-Fi環境下でのeSIMインストール
- ステップ4:インストール方法(QRコード読み取り/手動入力)
- ステップ5:【現地到着後】eSIM回線の有効化(切り替え)
- ステップ6:【現地到着後】データローミングの有効化(オンにする)
- ステップ7:【必要な場合】APN設定の確認・入力
eSIMの利用開始は、いくつかのステップに分かれていますが、一つ一つの手順を落ち着いて進めれば、どなたでも簡単に設定できます。
難しそうに感じるかもしれませんが、心配いりません。
ここでは、プランの選択・購入から始まり、設定情報の確認、推奨される出発前のインストール、具体的なインストール方法、そして現地に到着してからの回線有効化、データローミングの設定、最後に必要に応じたAPN設定まで、合計7つのステップに分けて具体的に解説します。
この7つのステップを順番に実行すれば、海外旅行先でもスムーズにインターネットを利用開始できます。
ステップ1:利用するeSIMプランの選択と購入
最初に、ご自身の旅行計画に合ったeSIMプランを選び、購入します。
渡航先の国や地域(例:アメリカ、韓国、タイなど)、滞在する日数、そしてどのくらいデータ通信を使うか(地図アプリやSNSが中心なら1日あたり500MB程度、動画視聴も楽しみたいなら1GB以上など)を考慮して、最適なプランを探しましょう。
多くのプロバイダーが多様なプランを提供しています。
プロバイダー例 | 特徴 |
---|---|
Airalo | 200以上の国と地域に対応、アプリでの管理が容易 |
Ubigi | ヨーロッパ方面のプランに強く、データ追加購入がしやすい |
Holafly | データ無制限プランの選択肢が多い |
VOYAGEESIM | 日本企業運営で日本語サポートが手厚い |

どのプロバイダーやプランを選べば良いか、種類が多くて迷ってしまいます

「eSIMDB」のような複数のプロバイダーを一括で比較できるウェブサイトを活用したり、各社のウェブサイトで利用者のレビューを確認したりするのも良い方法です
ご自身の旅行スタイルや予算に最も合うプランが見つかったら、そのプロバイダーの公式ウェブサイトや専用アプリを通じて購入手続きを進めてください。
ステップ2:メールで届くQRコードまたは設定情報の確認
eSIMプランの購入手続きが完了すると、設定に必要な情報が記載されたメールが、登録したメールアドレス宛に送られてきます。
通常、購入後数分から長くても1時間程度で届くことが多いです。
このメールには、eSIMをスマートフォンに設定するためのQRコードや、手動で入力するための情報が含まれています。
情報の種類 | 概要 |
---|---|
QRコード | スマートフォンのカメラで読み取るだけで設定を開始できる画像 |
SM-DP+アドレス | eSIM情報をダウンロードするためのサーバーのアドレス |
アクティベーションコード | eSIMを有効にする際に必要なコード |
確認コード (任意) | セキュリティのため、設定プロセス中に入力を求められる場合がある |

もしメールがなかなか届かない場合はどうすればいいですか?

まずは迷惑メールフォルダを確認してみてください。それでも見当たらない場合は、購入したeSIMプロバイダーのカスタマーサポートに問い合わせて状況を確認しましょう
このメールに記載されている情報は、eSIMを使い始めるために非常に重要ですので、内容をよく確認し、削除しないように大切に保管してください。
ステップ3:【出発前推奨】Wi-Fi環境下でのeSIMインストール
購入したeSIMプランを実際にスマートフォンで使えるようにするには、「インストール」という作業が必要です。
eSIMのインストールとは、メールなどで受け取ったeSIMの情報を、お使いのスマートフォン本体にダウンロードして登録する作業を指します。
このインストール作業には、安定したインターネット接続が不可欠です。
そのため、海外に渡航してから不安定な空港のWi-Fiなどに頼るのではなく、Wi-Fi環境が整っている日本国内、例えばご自宅や会社のオフィスなどで、出発前に済ませておくことを強く推奨します。
出発前にインストールするメリット | 詳細 |
---|---|
現地での手間と時間を節約 | 空港到着後、すぐにインターネット利用を開始できる |
設定トラブルのリスク低減 | 落ち着いた環境で手順を確認しながら、確実に設定を進められる |
スムーズな利用開始 | 現地での貴重な時間を設定作業に費やす必要がない |
サポート利用の容易さ(必要な場合) | 万が一問題が発生しても、日本国内にいれば時差なく問い合わせやすい |

必ず出発前にインストールしないといけないのでしょうか?

必須ではありませんが、現地到着後に慌てたり、予期せぬ接続トラブルに見舞われたりするリスクを避けるため、強く推奨します
余裕をもって出発前にeSIMのインストールを完了させておけば、現地到着後の設定が非常にスムーズになり、安心して旅行を始められます。
ステップ4:インストール方法(QRコード読み取り/手動入力)
eSIMのインストール方法は、主に2種類あります。
QRコードを読み取る方法と、必要な情報を手動で入力する方法です。
最も簡単で一般的な方法は、メールで送られてきたQRコードをスマートフォンのカメラで読み取る方法です。
スマートフォンの設定メニューからeSIMを追加する画面に進み、カメラを起動してQRコードを読み取ると、多くの場合わずか1〜2分程度でeSIM情報のダウンロードとインストールが完了します。
手順 | iPhoneの例 (iOS 16以降) | Androidの例 (機種によりメニュー名は異なります) |
---|---|---|
1. 設定を開く | 「設定」アプリを開く | 「設定」アプリを開く |
2. eSIM追加へ | 「モバイル通信」を選び「eSIMを追加」をタップ | 「ネットワークとインターネット」>「SIM」を選び「+」をタップ |
3. 方法選択 | 「QRコードを使用」をタップ | 「QRコードをスキャン」または同様の項目をタップ |
4. 実行 | スマートフォンのカメラでQRコードを画面に映す | スマートフォンのカメラでQRコードを画面に映す |
5. 手動入力の場合 | QRコード画面下の「詳細情報を手動で入力」から情報を入力 | 「ヘルプ」や「手動で入力」などの項目から情報を入力 |

もしQRコードがうまく読み取れない時はどうすればいいですか?

スマートフォンの画面の明るさを調整したり、QRコードとの距離を少し変えてみたりしてください。それでも認識しない場合は、手動入力の方法を試してみましょう
QRコードが利用できない状況や、プロバイダーからSM-DP+アドレスとアクティベーションコードが指定されている場合は、設定画面でこれらの情報を手入力してインストールを進めます。
ステップ5:【現地到着後】eSIM回線の有効化(切り替え)
無事に渡航先に到着したら、いよいよインストールしたeSIMを使えるように設定します。
回線の有効化とは、スマートフォンに登録されている複数のSIMの中から、データ通信に利用するSIMとして、今回インストールした海外用eSIMを選択し、使える状態にすることを意味します。
スマートフォンの設定メニュー(モバイル通信やSIMカード管理など)を開き、データ通信に使用する回線を、日本で使っていたSIM(物理SIMや国内用eSIM)から、今回インストールした海外旅行用eSIMへと切り替えてください。
手順 | iPhoneの例 | Androidの例 (機種によりメニュー名は異なります) |
---|---|---|
1. 設定を開く | 「設定」>「モバイル通信」をタップ | 「設定」>「ネットワークとインターネット」>「SIM」をタップ |
2. 回線選択 | 「モバイルデータ通信」の項目で、使用する海外用eSIMを選択 | データ通信に使用するSIMとして、海外用eSIMを選択 |
3. 元回線設定 | 日本で使用していたSIMは「オフにする」かデータ通信対象外に設定 | 日本で使用していたSIMは「オフにする」かデータ通信に使用しない設定に |
4. eSIM有効化 | 選択した海外用eSIMの「この回線をオンにする」をオン状態にする | 選択した海外用eSIMを「有効」または「オン」状態にする |

日本の電話番号にかかってくる電話は受けられますか?

多くのスマートフォン(デュアルSIM対応機種)では、日本のSIMカードの設定を「オン」のまま(ただしデータ通信はオフに設定)にしておけば、電話の着信は通常通り受けられます
この回線の切り替え設定を行わない限り、海外用eSIMを使ったデータ通信は始まりませんので、忘れずに行いましょう。
ステップ6:【現地到着後】データローミングの有効化(オンにする)
ステップ5で海外用eSIM回線を有効化したら、次に行うのがデータローミングの設定です。
データローミングとは、契約している通信会社のサービス提供エリア外(つまり海外)で、現地の提携している通信会社のネットワークを利用して、インターネットなどのデータ通信を行うための機能です。
海外用eSIMを使って現地のインターネットに接続するためには、原則として、このデータローミング設定を「オン」にする必要があります。
これを忘れてしまうと、せっかくeSIM回線を有効にしても、電波を掴めずインターネットに接続できません。
機種タイプ | 設定場所の例 (ステップ5で選択したeSIMの設定内) |
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iPhone | 「設定」>「モバイル通信」> (海外用eSIM名) >「データローミング」をオン |
Android | 「設定」>「ネットワークとインターネット」>「SIM」> (海外用eSIM名) >「ローミング」をオン (項目名は機種により異なる場合あり) |

データローミングって、高額な請求が来そうで怖いイメージがあります…

ご安心ください。海外旅行向けのeSIMプランは、ほとんどがプリペイド(前払い)式です。そのため、購入したデータ容量や有効期間を超えて、勝手に高額な料金が発生することはありません。ただし、誤って日本で契約しているSIMカードのデータローミングをオンにしてしまうと高額請求の原因になるため、必ず海外用eSIMに対して設定しているか確認してください
ステップ5でデータ通信用に選択した海外用eSIMの詳細設定画面を開き、「データローミング」または「ローミング」と書かれた項目のスイッチを「オン」の状態にします。
ステップ7:【必要な場合】APN設定の確認・入力
最後のステップは、APN(アクセスポイント名)の設定確認です。
APNとは、スマートフォンがモバイルデータ通信を行う際に、どのネットワークに接続すればよいかを示す、いわばインターネットへの接続窓口情報のようなものです。
ただし、最近のeSIMサービスの多くは、回線を有効化(ステップ5)してデータローミングをオン(ステップ6)にすれば、自動的に正しいAPN情報が設定されるようになっています。
そのため、利用者が手動でAPN設定を行う必要がないケースがほとんどです。
設定項目 | 入力内容の例 (プロバイダーから案内があった場合に、その通りに入力) |
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APN名 | 例: internet, plus.4g など、プロバイダー指定の名称 |
ユーザー名 | 指定があれば入力 (空欄の場合も多い) |
パスワード | 指定があれば入力 (空欄の場合も多い) |
認証タイプ | 指定があれば選択 (例: PAP または CHAP) |

APN設定が必要かどうか、どうすればわかりますか?

通常は、eSIM購入後に送られてくる設定案内のメールや、プロバイダーのウェブサイトに記載があります。もしステップ6まで完了してもインターネットに接続できない場合は、APN設定が必要なプランでないか、案内を再確認してみましょう
もしプロバイダーからAPN情報の指定があり、自動で設定されなかった場合(インターネットに繋がらない場合)は、スマートフォンのモバイルネットワーク設定画面からAPN設定の項目を探し、指示された情報を正確に入力してください。
知っておくと安心!eSIM利用時の注意点と困ったときの対処法
- テザリング(インターネット共有)の可否と注意点
- データ容量が足りない場合の追加購入(トップアップ)方法
- インターネットに接続できない場合のチェック項目
- 通信速度が遅いと感じたときの対処法
- プロバイダーのサポート連絡先と活用法
eSIMは非常に便利ですが、海外で使う上での注意点や、万が一トラブルが起きたときの対処法を知っておくことが安心して旅行を楽しむための鍵となります。
ここでは、スマートフォンをWi-Fiルーター代わりに使うテザリングの注意点、データ容量が足りなくなった場合の追加購入(トップアップ)、インターネットに接続できない場合や速度が遅いと感じたときのチェックポイント、そして困ったときのサポート活用法について解説します。
事前にこれらのポイントを把握しておけば、予期せぬ事態にも落ち着いて対応でき、快適なeSIM利用につながります。
テザリング(インターネット共有)の可否と注意点
テザリングとは、eSIMを利用しているスマートフォンをモバイルWi-Fiルーターのように使い、パソコンやタブレットなど他のデバイスをインターネットに接続する機能のことです。
多くの海外eSIMプランでテザリングは可能ですが、プランによって利用可否や条件(データ容量制限、追加料金など)が異なります。
例えば、NTTドコモのahamoは海外データ通信(20GBまで)でも追加料金なしでテザリングを利用できますが、一部のeSIMプロバイダーではテザリングが全くできなかったり、テザリング専用のデータ容量が別途設定されていたりします。
購入前にプランの詳細をしっかり確認しましょう。

パソコンも繋ぎたいけど、eSIMでテザリングってできる?

はい、多くのプランで可能ですが、必ず事前に利用条件を確認してくださいね。
確認・注意すべき点 | 詳細 |
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プランの対応状況 | 購入前にテザリングが許可されているか、制限(容量・速度など)はないか確認 |
データ消費量の増加 | PCなどを接続するとOSアップデート等で想定以上にデータを消費する場合あり |
バッテリー消費の激化 | テザリング中はスマートフォンの電池消耗が早くなるため、モバイルバッテリー推奨 |
通信速度の低下可能性 | 接続を共有するため、単独利用時より速度が遅くなることがある |
設定方法(参考:iPhone) | 「設定」 > 「インターネット共有」 > 「ほかの人の接続を許可」をオン |
設定方法(参考:Android) | 「設定」 > 「ネットワークとインターネット」 > 「テザリング」などをオン |
テザリングは複数のデバイスを使いたい場合に便利ですが、データとバッテリーの消費には注意が必要です。
利用条件を確認した上で、上手に活用してください。
データ容量が足りない場合の追加購入(トップアップ)方法
トップアップとは、購入したeSIMプランのデータ容量を使い切ってしまったり、有効期間が足りなくなったりした場合に、追加でデータ容量や利用期間を購入することです。
多くのeSIMプロバイダーでは、専用のスマートフォンアプリやウェブサイトのマイページから、クレジットカード決済などで簡単に追加購入できます。
ただし、プロバイダーやプランによってはトップアップに対応していない場合や、元のプランの有効期限が切れる前でないと追加できない場合もあります。
例えば、Ubigiのようにデータ残量がゼロになっても、UbigiのeSIM回線を使ってアプリから追加プランを購入できる便利なサービスもありますが、これは全てのプロバイダーに共通ではありません。

もしデータ容量がなくなったらどうすればいい?

大丈夫です。多くのサービスで追加購入(トップアップ)できますが、ルールがあるので事前に確認しておきましょう。
確認・注意すべき点 | 詳細 |
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トップアップの可否 | そもそも追加購入に対応しているプランか確認 |
購入方法 | アプリ経由か、Webサイト経由か、購入手順を確認 |
購入タイミング | 有効期限内のみ可能か、期限切れ後でも新規購入扱いで可能か確認 |
追加される内容 | データ容量のみ追加か、有効期間も延長されるか確認 |
料金 | 追加購入時の料金体系を確認 |
プロバイダー例(Ubigi) | データ残量ゼロでもアプリから追加購入可能(プロバイダーにより異なる) |
旅行中にデータ容量が不足すると非常に不便です。
最初に余裕を持ったプランを選ぶことが基本ですが、万が一に備えて、利用するプロバイダーのトップアップに関するルール(可否、方法、タイミング、料金)を事前に確認しておきましょう。
インターネットに接続できない場合のチェック項目
海外に到着してeSIMを有効化したのに、インターネットに接続できないというトラブルは、特に初心者の方には焦る状況です。
しかし、多くの場合、いくつかの基本的な設定を確認することで解決します。
最もよくある原因は、利用する海外eSIM回線の「データローミング」設定がオフになっていることです。
スマートフォンの設定メニュー(iPhoneなら「設定」>「モバイル通信」>該当のeSIMを選択)を開き、データローミングがオンになっているか必ず確認してください。
また、まれにAPN(アクセスポイント名)設定が必要な場合もあるため、プロバイダーからの案内にAPN設定に関する記述がないかも確認しましょう。

現地に着いたのにネットが繋がらない!どうしよう?

落ち着いてください。まずはデータローミングがオンになっているか確認しましょう。
チェック項目 | 確認内容・対処法 |
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① データローミング設定 | 利用する海外eSIMの設定で「データローミング」がオンになっているか確認(最重要チェックポイント) |
② 機内モードのオン/オフ | 一度機内モードをオンにし、数秒待ってからオフにして電波の再掴みを試す |
③ スマートフォンの再起動 | 単純な不具合の場合、再起動で解決することが多い |
④ APN設定 | プロバイダーから指定があれば、指示通りにAPNが設定されているか確認・修正 |
⑤ ネットワーク選択 | 「自動」で繋がらない場合、「手動」に切り替えてプロバイダー指定の現地キャリアを選択してみる |
⑥ 電波状況 | 地下や建物内など電波が届きにくい場所にいないか確認し、場所を移動してみる |
⑦ プランの有効状況 | 購入したプランが有効期間内か、データ容量を使い切っていないか、プロバイダーのアプリやWebサイトで確認 |
これらの項目を順番に確認してみてください。
多くの場合、①のデータローミング設定の見直しや②③の再起動・機内モード切り替えで接続できるようになります。
それでも解決しない場合は、プロバイダーのサポートに連絡しましょう。
通信速度が遅いと感じたときの対処法
eSIMを利用していて、通信速度が遅いと感じることもあります。
その原因はいくつか考えられます。
最も多いのは、利用している場所の電波状況が悪い、または現地のネットワーク回線が混雑していることです。
特に多くの人が集まる観光地や時間帯(夕方など)は遅くなりやすい傾向があります。
また、購入したプランの高速データ容量を使い切ってしまい、速度制限がかかっている可能性も考えられます。
テザリングで複数デバイスを接続している場合も速度は低下します。

なんだかネットがすごく遅いんだけど…

場所や時間帯、データ残量を確認してみましょう。原因に応じた対処法がありますよ。
主な原因 | 対処法 |
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電波の受信状況が悪い | 電波の良い場所(窓際や屋外など)へ移動する |
現地ネットワークの混雑 | 時間帯を変えてアクセスしてみる、他の利用可能なネットワーク(手動選択)を試す |
高速データ容量の超過 | プロバイダーのアプリ等でデータ残量を確認し、必要なら追加購入(トップアップ)する |
テザリング(インターネット共有) | 接続しているデバイス数を減らすか、テザリングを停止してみる |
スマートフォンの処理能力 | バックグラウンドで動作しているアプリを終了させる、端末を再起動する |
まずは電波状況を確認し、場所を移動してみるのが基本的な対処法です。
データ残量も確認し、速度制限がかかっていないか見てみましょう。
これらの対処法を試しても改善しない場合は、ネットワーク自体の問題や、利用しているeSIMプロバイダー側の要因も考えられます。
プロバイダーのサポート連絡先と活用法
基本的なチェック項目を確認しても問題が解決しない場合は、最終手段として契約しているeSIMプロバイダーのカスタマーサポートに連絡しましょう。
そのためにも、日本語でのサポートが受けられるか、サポートの対応時間(日本時間か現地時間か)、連絡手段(チャット、メール、電話など)を事前に確認しておくことが非常に重要です。
例えば、AiraloやHolaflyは24時間体制のチャットサポート(一部日本語対応)を提供していることが多く、時差のある海外では心強い存在です。
一方、メールのみの対応で返信に時間がかかるプロバイダーもあります。

どうしても繋がらない…どこに聞けばいいの?

購入したeSIMプロバイダーのサポートに連絡しましょう。事前に連絡先や対応時間を確認しておくとスムーズです。
主要プロバイダー例 | サポートの特徴(一般的な傾向、要最新情報確認) |
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Airalo | アプリ内チャットサポート(24時間、英語メインだが日本語対応も進展)、応答は比較的早い傾向 |
Holafly | チャット・メールサポート(24時間、日本語対応あり)、データ無制限プランに強み |
Ubigi | メールサポート中心(日本語対応ありだが返信に時間かかる場合も)、アプリからデータ追加購入が容易 |
Nomad SIM | メールサポート中心(日本語対応あり) |
VOYAGEESIM | メール・フォームサポート(日本語対応)、日本企業運営の安心感 |
Soracom Mobile | アプリ内フォームサポート(日本語対応、平日中心) |
サポートに連絡する際は、具体的な状況(いつから、どの場所で、試した対処法など)を明確に伝えると、スムーズな問題解決につながります。
旅行前に、利用するプロバイダーのサポート情報(連絡先、対応時間、対応言語)をメモしておくか、オフラインでも確認できるように準備しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
- Q自分のスマートフォンがeSIMに対応しているか、どうやって確認できますか?
- A
お使いのスマートフォンが海外でeSIMを利用できる対応機種かどうかは、いくつかの方法で確認できます。
スマートフォンの「設定」メニュー内に「モバイル通信」や「ネットワークとインターネット」といった項目を探し、「eSIMを追加」や「SIM」のような選択肢があれば対応しています。
また、電話アプリで「*#06#」とダイヤルし、表示される情報の中に「EID」という32桁の番号があれば、eSIMに対応している証拠です。
- QeSIM設定用のQRコードは、一度読み取ったらもう使えませんか?
- A
はい、通常eSIMのQRコードは、一度スマートフォンにプロファイルをインストールするために使用すると、その役目を終えます。
同じQRコードを使って別の端末に設定したり、誤って削除したeSIMプロファイルを再インストールしたりすることはできません。
もし再設定が必要になった場合は、eSIMプロバイダーに連絡して新しいQRコードの再発行を依頼する必要がありますが、再発行が有料の場合や、対応していない場合もありますので注意が必要です。
- Q海外旅行でeSIMを使うメリットは分かりましたが、デメリットはありますか?
- A
eSIMには多くのメリットがありますが、いくつか注意点や潜在的なデメリットも存在します。
まず、eSIMを利用するには対応したスマートフォンが必須です。
また、プランによっては料金が物理SIMより少し割高な場合もあります。
機種変更の際に、物理SIMのように差し替えるだけでは移行できず、再設定が必要になる点も手間と感じるかもしれません。
さらに、電話番号が付与されないデータ通信専用プランが多い点も留意する必要があります。
- Q海外旅行用のeSIMは、いつ購入するのが一番良いですか?
- A
eSIMの購入タイミングは、出発の数日前から1週間前くらいがおすすめです。
多くのeSIMは購入後すぐに設定情報(QRコードなど)がメールで届きます。
日本国内の安定したWi-Fi環境下で事前にeSIMをスマートフォンにインストールしておくことで、現地到着後すぐに利用を開始できます。
ただし、有効期間がインストール完了時からカウントされるプランもあるため、プラン詳細を確認し、早すぎる購入は避けるのが賢明です。
- Q海外用eSIMを利用する場合、現地の電話番号は使えますか?日本の電話番号は?
- A
海外旅行向けeSIMプランの多くはデータ通信専用で、現地の電話番号は付与されない場合が多いです。
通話やSMSが必要な場合は、LINE OutのようなIP電話アプリを利用するか、通話機能付きのeSIMプランを探す必要があります。
日本の電話番号については、スマートフォンのデュアルSIM機能を使えば維持できます。
日本のSIM(物理SIMまたはeSIM)を有効にしたまま、データ通信のみ海外用eSIMに切り替えることで、日本の番号での着信やSMS受信は可能です。
- Q旅行中にどのくらいデータ通信を使うか分かりません。データ容量はどれくらい選べばよいですか?
- A
必要なデータ容量は、旅行先でのスマートフォンの使い方によって大きく変わります。
地図アプリでのナビゲーションや、LINEなどのメッセージアプリ、簡単なWeb検索が中心であれば、1日あたり500MB〜1GB程度が目安です。
SNSで写真や動画を頻繁にアップロードしたり、動画ストリーミングを視聴したりする場合は、1日1GB以上の容量があると安心でしょう。
多くの料金プランでは、期間と容量を選べますので、ご自身の使い方を想像し、少し余裕を持ったプランを選ぶことをお勧めします。
まとめ
この記事では、海外旅行でのインターネット接続を快適にするeSIMについて、基本的な仕組みから使い方、プランの選び方、設定手順、注意点まで詳しく解説しました。
特に、オンラインで手続きが完結する手軽さは、忙しい旅行準備の中で大きな魅力です。
- eSIMの主なメリット:オンライン完結の手軽さ、比較的安価な料金、日本の電話番号を維持できるデュアルSIM活用
- 利用前の必須確認:スマートフォン本体のeSIM対応とSIMロック解除の状況
- スムーズな利用開始のための手順:日本国内での事前インストールと、現地到着後の回線有効化・データローミング設定
- 最適なプラン選択:渡航先、滞在期間、必要なデータ容量、料金、サポート体制の比較検討
この記事を参考に、ご自身の旅行スタイルやスマートフォンに合ったeSIMプランを見つけ、設定手順を確認して、ストレスのない快適な海外旅行を実現してください。
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