動画視聴やテレワークが快適になるかどうかは、自分にぴったりのWi-Fiルーターを選ぶことがとても重要です。
この記事では、Wi-Fiルーターの基本的な役割から最新のWi-Fi規格(Wi-Fi 6など)、失敗しないための選び方の7つのポイント、おすすめのメーカーまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

専門用語が多くて、結局どれを選べば失敗しないの?

この記事を読めば、あなたの環境に最適な一台が見つかりますよ
- Wi-Fiルーター選びの基本と失敗しない7つのポイント
- Wi-Fi 6など最新規格や便利な機能
- 自宅の環境(広さ、接続台数、使い方)に合ったルーターの見つけ方
- 主要メーカーの特徴と比較
最適なWi-Fiルーター発見の第一歩
インターネットを快適に使うために、Wi-Fiルーター選びは非常に重要です。
自分に合った一台を見つけることが、ストレスのないインターネット環境への第一歩となります。
このセクションでは、まずWi-Fiルーターがどのような機器なのか、なぜスペック選びが大切なのか、そして現在主流のWi-Fi 6や、たくさんの機器を安定して繋ぐ技術、知っておくと便利な基本用語について解説していきます。
これらの基本を押さえることで、後のルーター選びがぐっと楽になります。
さあ、一緒に最適なルーター探しの旅を始めましょう。
インターネット環境の快適さを左右する機器
Wi-Fiルーターとは、ご家庭に引き込まれたインターネット回線を、スマートフォンやパソコン、タブレット、ゲーム機など、複数の機器で同時に、無線(Wi-Fi)で利用できるようにするための「中継役」となる機器です。
これがなければ、基本的には1台の機器しか有線でインターネットに接続できません。
モデムやONU(光回線終端装置)がインターネット回線の信号を変換する役割なのに対し、Wi-Fiルーターはその信号を各機器に分配し、無線LAN環境を構築します。

Wi-Fiルーターって、ないとダメなの?

複数の機器を無線でネットにつなぐために必須ですよ!
Wi-Fiルーターの性能や設定が、動画視聴のスムーズさ、オンラインゲームの反応速度、Web会議の安定性など、日々のインターネット体験の質を大きく左右する、まさに縁の下の力持ちと言える存在なのです。
利用状況に合わせたスペック選びの重要性
ルーター選びでよく耳にする「スペック」とは、そのルーターが持つ性能や仕様のことを指します。
例えば、通信速度、電波の届く範囲、同時に接続できる機器の数などが含まれます。
ご自身の利用環境、例えば住んでいる家の広さや間取り、接続したい機器の数(スマートフォン、パソコン、スマートスピーカーなど)、主なインターネットの使い道(動画視聴、オンラインゲーム、在宅勤務など)に合っていないスペックのルーターを選ぶと、通信速度が遅くなったり、接続が不安定になったりする原因となります。
例えば、5台以上の機器を日常的につなぐご家庭では、推奨接続台数を確認することが大切です。

高いのを買っておけば間違いないってわけじゃないんだ…

ご自身の環境に合った「ちょうどいい」ものを選ぶのがコツです!
必要以上に高性能なモデルを選んでしまう(オーバースペック)と無駄な出費になりますし、逆に性能が足りないモデル(アンダースペック)では快適な通信は望めません。
利用状況に合った適切なスペックの製品を選ぶことが、失敗しないルーター選びの鍵となります。
現在のおすすめ「Wi-Fi 6」対応モデル
Wi-Fi 6(ワイファイ シックス)とは、無線LANの規格の一つで、正式には「IEEE 802.11ax」と呼ばれます。
一つ前の規格であるWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)と比べて、通信速度が向上しただけでなく、特に多くの機器を同時に接続した際の通信効率と安定性が大幅に改善されているのが大きな特徴です。
理論上の最大通信速度はWi-Fi 5の約1.4倍(6.9Gbps→9.6Gbps)に向上しました。
比較項目 | Wi-Fi 6 (IEEE 802.11ax) | Wi-Fi 5 (IEEE 802.11ac) |
---|---|---|
新呼称 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 5 |
最大通信速度(理論値) | 9.6Gbps | 6.9Gbps |
主な利用周波数帯 | 2.4GHz / 5GHz | 5GHz |
キー技術 | OFDMA, MU-MIMO(強化) | MU-MIMO(一部) |
セキュリティ | WPA3標準対応 | WPA2 |

Wi-Fi 6ってよく聞くけど、何がいいの?

たくさんの機器を同時につないでも、速度が落ちにくいのが一番のメリットです!
現在販売されているWi-Fiルーターの主流はこのWi-Fi 6対応モデルであり、対応するスマートフォン(iPhoneやAndroidスマートフォンなど)やパソコンも増えています。
価格も手頃なモデルが多く登場しており、性能とコストパフォーマンスのバランスから、今ルーターを選ぶならWi-Fi 6対応モデルが最もおすすめの選択肢となります。
たくさんの機器を安定して繋ぐ技術
Wi-Fi 6が多くの機器を同時に接続しても安定している理由は、MU-MIMO(マルチユーザーマイモ)とOFDMA(オーエフディーエムエー)という二つの重要な技術に対応しているからです。
これらの技術により、複数のスマートフォンやパソコン、スマート家電などが同時に通信を行っても、順番待ちによる遅延が起こりにくくなっています。
MU-MIMOは、ルーターが持つ複数のアンテナを使って、同時に最大8台の機器へデータを送信できる技術です(Wi-Fi 5では下り方向のみ最大4台でした)。
一方、OFDMAは、通信の車線(周波数帯)を細かく分割し、一度に複数の機器へ少量ずつのデータを効率よく届けられるようにする技術で、特にスマートスピーカーやセンサー類など、通信量が少ない多数のIoT機器が接続される場合に効果を発揮します。

スマホもPCもスピーカーも…って繋ぐと遅くなるのは仕方ないと思ってた…

Wi-Fi 6のこれらの技術で、かなり改善されますよ!
家族みんなが同時にインターネットを使ったり、スマートホーム化で接続機器が増えたりしている現代の利用環境において、これらの技術は快適なWi-Fi環境を維持するために欠かせない存在となっています。
初心者向け基本用語の解説
Wi-Fiルーターの製品情報を見ていると、様々な専門用語が登場します。
すべてを完璧に理解する必要はありませんが、いくつかの基本的な用語の意味を知っておくだけでも、製品の比較検討がしやすくなります。
ここでは、特に押さえておきたい用語を簡単に説明します。
用語 | 読み方/意味 | 選び方のポイント例 |
---|---|---|
周波数帯 | しゅうはすうたい / Wi-Fiの電波が使う道の種類 (2.4GHz, 5GHz, 6GHz) | 2.4GHzは障害物に強く遠くまで届く、5GHz/6GHzは速度が速く電波干渉に強い |
Mbps/Gbps | メガビーピーエス/ギガビーピーエス / 通信速度の単位、数字が大きいほど速い | 契約回線速度に見合ったものを選ぶ |
SSID | エスエスアイディー / 接続するWi-Fiネットワークの名前 | ルーターごとに設定されている(自分で変更も可能) |
暗号化方式 (WPA3) | あんごうかほうしき / 通信を保護する仕組み、WPA3がより安全 | WPA3対応ルーターを選ぶとセキュリティ面で安心 |
Wi-Fi規格 | ワイファイきかく / Wi-Fiの世代 (Wi-Fi 5, Wi-Fi 6, Wi-Fi 7など) | 現在はWi-Fi 6が主流でコスパが良い |
MU-MIMO/OFDMA | エムユーマイモ/オーエフディーエムエー / 複数機器の同時通信を効率化する技術 | Wi-Fi 6対応モデルなら基本的に搭載 |
ビームフォーミング | びーむふぉーみんぐ / 特定の機器に電波を集中させる技術 | 対応していれば、少し離れた場所でも繋がりやすくなる |

カタカナやアルファベットが多くてよくわからない…

ポイントだけ押さえれば大丈夫!比較しやすくなりますよ
これらの基本的な用語の意味を把握しておけば、製品説明を読んだり、レビューを比較したりする際に戸惑うことが少なくなり、より自信を持ってご自身のニーズに合ったルーターを選べるようになるでしょう。
失敗しないWi-Fiルーター選び7つのポイント
- 住まいの広さや間取りとの適合性
- 接続するスマートフォンやPCの台数
- 契約中インターネット回線速度の確認
- 主なインターネットの使い道(動画視聴、ゲーム、在宅勤務など)
- 通信安定性と速度を決めるWi-Fi規格(Wi-Fi 6など)
- セキュリティ対策(WPA3対応)の確認
- 有線接続用LANポート数と速度
Wi-Fiルーターを選ぶ際に失敗しないためには、ご自身の利用環境を正しく把握することが何よりも大切です。
具体的には、住まいの広さや接続する機器の数、契約回線速度、主な使い方、Wi-Fi規格、セキュリティ、有線LANポートといった7つのポイントを確認することが、最適なルーターを見つける鍵となります。
これから紹介する7つのポイントを一つずつチェックして、あなたの環境にぴったりのWi-Fiルーターを見つけましょう。
住まいの広さや間取りとの適合性
Wi-Fiルーターの電波が届く範囲は、製品によって異なります。
お住まいの広さや間取りに合った電波強度を持つルーターを選ぶことが重要です。
例えば、鉄筋コンクリートのマンションや壁が多い家では電波が遮られやすいため、木造の家よりも電波出力が強いモデルや、後述するメッシュWi-Fiシステムの導入を検討する必要があります。
製品パッケージや公式サイトには、「3階建て」「4LDK」「150㎡対応」といった推奨利用環境が記載されていることが多いので、必ず確認しましょう。
間取りタイプ | 推奨されるルーター性能(目安) |
---|---|
ワンルーム/1LDK | 標準的な性能(例: アンテナ2本内蔵など) |
マンション(2LDK~) | アンテナ数が多め(例: 3本以上)、またはメッシュWi-Fi |
一戸建て(複数階) | 高出力モデル、外付けアンテナ調整可能モデル、またはメッシュWi-Fi |

2LDKマンションだけど、どのくらいの性能が必要なんだろう?

まずは製品に記載されている「推奨利用環境」が、ご自宅の間取り(2LDK)以上をカバーしているか確認するのが基本です
推奨環境はあくまで目安ですが、少し余裕のあるスペックを選ぶと、より安定した通信が期待できます。
接続するスマートフォンやPCの台数
スマートフォン、パソコン、タブレット、スマート家電、ゲーム機など、Wi-Fiに接続する機器の合計台数も、ルーター選びの大切なポイントです。
Wi-Fiルーターには同時に接続できる推奨台数が設定されており、この数を超えると通信速度が大幅に低下したり、接続が不安定になったりします。
特に、Wi-Fi 6以降の規格は、「MU-MIMO」や「OFDMA」といった技術により、多くの機器を同時に接続しても速度が落ちにくくなっています。
想定される接続台数 | 推奨されるルーター機能・規格 |
---|---|
~10台 | Wi-Fi 5以上、標準的な接続台数対応モデル |
10~20台 | Wi-Fi 6対応、MU-MIMO/OFDMA対応モデル |
20台以上 | Wi-Fi 6対応、高性能CPU搭載、推奨接続台数が多いモデル |

今は7台くらいだけど、将来増えるかも…どれくらい余裕を見ればいい?

実際に接続する台数より、5台から10台程度は余裕のある推奨接続台数のモデルを選ぶと安心です
家族の人数や利用状況、将来増える可能性のあるスマート家電なども考慮して、余裕を持った接続台数に対応するルーターを選びましょう。
契約中インターネット回線速度の確認
自宅で契約しているインターネット回線(光回線など)の最大通信速度を把握しておくことも忘れてはいけません。
せっかく高速な光回線を契約していても、Wi-Fiルーターの性能が低いと、ルーターがボトルネック(速度の障壁)となり、本来の速度が出せません。
例えば、最大1Gbpsの光回線プランを契約している場合、ルーターのWANポート(インターネット回線をつなぐポート)も1Gbps以上に対応している必要があります。
最近では10Gbpsの高速プランも登場していますが、その速度を活かすにはルーターも10Gbps対応の高性能なモデルが必要です。
契約回線速度 | ルーター選びのポイント |
---|---|
~100Mbps | ほとんどのWi-Fiルーターで対応可能 |
1Gbps | WANポートが1Gbps以上対応、Wi-Fi 5以上のルーター推奨 |
10Gbps | WAN/LANポートが10Gbps対応、Wi-Fi 6E/7などの高性能ルーター推奨 |

確か1Gbpsプランだと思うけど、どうやって確認すればいい?

インターネット回線の契約書や、プロバイダの会員ページなどで確認できますよ
契約している回線速度に見合った性能を持つルーターを選ぶことで、インターネット回線のポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
主なインターネットの使い道(動画視聴、ゲーム、在宅勤務など)
インターネットを何に主に使うかによっても、求められるWi-Fiルーターの性能は変わってきます。
例えば、Webサイトの閲覧やSNSが中心であれば標準的なモデルで十分ですが、高画質な4K動画のストリーミング視聴や、応答速度が重要なオンラインゲーム、途切れると困る在宅勤務でのWeb会議などでは、より高速で安定した通信が可能なルーターが必要です。
特にオンラインゲームでは、通信の遅延を抑える「QoS機能」が付いたモデルが役立ちます。
主な用途 | 推奨されるルーター性能・機能 |
---|---|
Web閲覧・SNS・メール | エントリークラスのWi-Fi 5/6ルーター |
HD/4K動画視聴 | 安定した速度が出るWi-Fi 6ミドルレンジ以上のルーター |
オンラインゲーム | 低遅延、Wi-Fi 6以上、QoS機能付きモデル(ゲーミングルーターも検討) |
在宅勤務(Web会議など) | 安定性重視、Wi-Fi 6対応、QoS機能付きモデルが望ましい |
大容量ファイル送受信 | Wi-Fi 6以上の高速規格対応ルーター |

動画視聴とWeb会議がメイン。たまにゲームもするけど…

安定性が重要なので、Wi-Fi 6対応で、可能であればQoS機能があるルーターを選ぶとより快適になります
自分の使い方に合った性能や機能を持つルーターを選ぶことで、ストレスのない快適なインターネット利用が実現します。
通信安定性と速度を決めるWi-Fi規格(Wi-Fi 6など)
Wi-Fiルーターの性能を左右する最も重要な要素の一つが、Wi-Fiの通信規格です。
規格は世代ごとに進化しており、新しいものほど高速で高機能になります。
現在主流となっているのは「Wi-Fi 6(ワイファイ シックス)」という規格で、一つ前のWi-Fi 5と比べて、最大通信速度が約1.4倍高速化されただけでなく、複数の機器を同時に接続した際の通信効率と安定性が大幅に向上しています。
さらに新しい規格として「Wi-Fi 6E」や「Wi-Fi 7」もありますが、まだ対応機器が少なく価格も高いため、現時点では多くの方にとってWi-Fi 6が最もバランスの取れた選択肢と言えます。
Wi-Fi規格 | 新呼称 | 最大通信速度(理論値) | 主な特徴 | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|
802.11ac | Wi-Fi 5 | 6.9 Gbps | 5GHz帯のみ対応、基本的な性能 | △ |
802.11ax | Wi-Fi 6 | 9.6 Gbps | 高速化、多台数接続強化(OFDMA, MU-MIMO)、省電力(TWT)、WPA3対応 | ◎ |
802.11ax | Wi-Fi 6E | 9.6 Gbps | Wi-Fi 6に加え、空いている6GHz帯が利用可能 | ◯ |
802.11be | Wi-Fi 7 | 46 Gbps | 超高速化(320MHz幅, MLO)、低遅延、最新技術 | △ |

やっぱりWi-Fi 6がいいのかな?6Eとか7はまだ早い?

はい、現在の普及状況や価格、性能を考えると、ほとんどの方にはWi-Fi 6対応ルーターがおすすめです
最新のWi-Fi 6対応ルーターを選ぶことで、スマートフォンやパソコンなどの対応機器の性能を最大限に活かし、快適な通信環境を手に入れることができます。
セキュリティ対策(WPA3対応)の確認
Wi-Fiは無線で通信を行うため、セキュリティ対策が非常に重要です。
不正アクセスや通信内容の盗み見を防ぐために、より安全な暗号化方式に対応したルーターを選びましょう。
現在、最も新しく安全性が高い暗号化方式は「WPA3(ダブリューピーエースリー)」です。
従来のWPA2よりもパスワード解読に対する耐性が強化されており、より安心してWi-Fiを利用できます。
Wi-Fi 6対応ルーターの多くは、このWPA3に対応しています。
セキュリティ規格 | 特徴 | 安全性 |
---|---|---|
WEP | 旧式で脆弱性が多く、現在非推奨 | × |
WPA | WEPの改良版だが、脆弱性が存在する | △ |
WPA2 | 現在広く普及しているが、脆弱性も報告されている | ◯ |
WPA3 | 最新規格、WPA2よりさらに安全性が向上 | ◎ |

セキュリティって難しそう…WPA3なら安心?

はい、WPA3対応のルーターを選び、複雑なパスワードを設定すれば、セキュリティは大幅に向上します
安全なインターネット利用のために、これからWi-Fiルーターを購入する際は、必ずWPA3に対応しているかを確認することをおすすめします。
有線接続用LANポート数と速度
パソコンやゲーム機、テレビなど、より安定した接続を求める機器のために、有線LANポートの数と速度も確認しておきましょう。
多くのWi-Fiルーターには、有線接続用のLANポートが3つから4つ搭載されています。
自宅で有線接続したい機器の数を考えて、必要なポート数があるか確認します。
加えて、ポートの通信速度も重要で、現在は1Gbps(ギガビット)対応が標準です。
高速な光回線(1Gbps超)を利用している場合や、NAS(ネットワーク接続ストレージ)への高速アクセスが必要な場合は、2.5Gbpsや10Gbps対応のポートを持つルーターを選ぶと、その性能を活かせます。
LANポート速度 | 主な用途・メリット |
---|---|
Fast Ethernet (100Mbps) | 旧式の規格、現在はほとんど見られない |
Gigabit Ethernet (1Gbps) | 現在の標準、多くの機器やインターネット回線に対応 |
Multi-Gigabit (2.5Gbps~) | 1Gbps超の高速回線、NAS、高性能PCなどの性能を最大限に活かせる |

PCは有線でつなぎたいけど、ポート数はいくつ必要?

PC以外にもゲーム機などを有線接続する可能性があるなら、3つ以上ポートがあると安心ですね
有線接続は無線接続よりも通信が安定しやすいため、重要な機器の接続には、適切な数と速度のLANポートを持つルーターを選びましょう。
さらに快適にするための追加知識
- 標準・メッシュ・ゲーミング 各ルータータイプの違い
- 通信を安定させる便利な機能(ビームフォーミング、MU-MIMOなど)
- 主要メーカー(BUFFALO、NEC、TP-Linkなど)の特徴比較
- USBポート搭載モデルの活用法
- 電波が届きやすくなる設置場所のヒント
Wi-Fiルーターの基本的な選び方に加えて、知っておくとさらに快適なインターネット環境を整えるための知識があります。
ルーターの種類ごとの特徴や通信を安定させる機能を理解することが、より満足度の高い選択につながります。
ここでは、標準・メッシュ・ゲーミングといったルータータイプの違い、ビームフォーミングやMU-MIMOなどの通信安定化機能、BUFFALOやNEC、TP-Linkといった主要メーカーの特徴、あると便利なUSBポートの活用法、そして意外と見落としがちな電波が届きやすくなる設置場所のヒントについて、具体的に解説していきます。
これらの知識を身につけることで、単に「繋がる」だけでなく、「より快適に、安定して繋がる」ための工夫や、ご自身の使い方に最適な選択肢を見つけやすくなります。
標準・メッシュ・ゲーミング 各ルータータイプの違い
Wi-Fiルーターには、主に3つのタイプがあり、それぞれ適した環境や用途が異なります。
ご自身の住環境や使い方に合わせて選ぶことが大切です。
各タイプの特徴と、どのような方におすすめかをまとめました。
タイプ | 特徴 | メリット | デメリット | こんな方におすすめ |
---|---|---|---|---|
標準ルーター | 最も一般的。1台でWi-Fi環境を構築 | ラインナップ豊富、価格帯が広い、多くの家庭や環境に対応 | 1台でカバーできる範囲に限界あり、広い家や複雑な間取りだと死角ができやすい | ワンルーム〜標準的なマンション・戸建て、一般的な用途の方 |
メッシュWi-Fi | 親機と複数台の子機で網目状にネットワークを構築 | 広範囲をカバー、死角をなくせる、シームレスな接続、設定が比較的簡単 | コスト高め、設置スペースが必要、子機経由で速度低下の可能性あり | 広い家、階層がある家、複雑な間取りで電波の届きにくい場所がある方 |
ゲーミングルーター | オンラインゲーム向けに特化 | 高性能CPU/メモリ搭載、低遅延、ゲーム通信優先機能(QoS)、最新規格対応多 | 高価、ゲーム以外の用途ではオーバースペック気味、本体サイズが大きい傾向 | 無線接続でオンラインゲームを少しでも快適にプレイしたい方 |

広い家じゃないけど、メッシュって必要?

2LDKでも壁が多い、あるいは鉄筋コンクリート造などで電波が届きにくい場所があれば、メッシュWi-Fiシステムが有効な場合がありますよ
お住まいの広さや間取り、そしてインターネットの主な使い方を考慮して、最適なルータータイプを選ぶことが、快適なWi-Fi環境への第一歩となります。
通信を安定させる便利な機能(ビームフォーミング、MU-MIMOなど)
最近のWi-Fiルーターには、通信速度だけでなく、接続の安定性や効率を高めるための便利な機能が搭載されています。
特に注目したい機能をいくつか紹介します。
これらの機能は、特に複数の機器を同時に使用する環境で効果を発揮します。
機能名 | 概要 | 主な効果 |
---|---|---|
ビームフォーミング | 接続しているスマートフォンやPCの位置を検知し、電波を集中して送信する技術 | 特定のデバイスへの電波強度が向上、通信の安定性や速度が改善 |
MU-MIMO | 複数のアンテナを使い、同時に複数のデバイスへデータを送信する技術 | 複数デバイス接続時の通信待ち時間を短縮、速度低下を抑制 |
OFDMA | 周波数帯を細かく分割し、一度に複数デバイスへデータを効率的に送信する技術 | 特にデータ量の少ない多数のデバイス接続時に効果大、通信効率向上、遅延削減 |
QoS | 特定の通信(ゲーム、Web会議など)の優先度を高く設定する機能 | 他の通信の影響を受けにくくなり、優先した通信の安定性が向上(ラグや途切れ防止) |

専門用語が多くてよく分からない…全部必要?

Wi-Fi 6対応ルーターならビームフォーミングやMU-MIMO、OFDMAは標準的に搭載されていることが多いです。QoSはオンラインゲームや在宅勤務でのWeb会議が多い場合に注目すると良い機能ですよ
これらの機能、特にWi-Fi 6で強化されたMU-MIMOやOFDMAは、多くのデバイスが接続される現代の利用環境において、快適さを大きく左右するポイントです。
ルーターを選ぶ際には、これらの機能に対応しているかどうかも確認すると良いでしょう。
主要メーカー(BUFFALO、NEC、TP-Linkなど)の特徴比較
Wi-Fiルーターは国内外の様々なメーカーから販売されています。
ここでは、日本市場で人気のある主要メーカーの特徴を比較します。
メーカーごとに強みや特色がありますので、選ぶ際の参考にしてください。
メーカー | 主な特徴・強み | 代表的なシリーズ例 | 価格帯(傾向) | サポート・保証(傾向) |
---|---|---|---|---|
BUFFALO | 国内シェアNo.1、日本の住環境向け機能(引っ越し機能など)、使いやすさ、ラインナップ豊富 | AirStation(標準/ゲーミング)、EasyMesh(メッシュ) | 手頃なモデルが多い | 国内サポート充実、通常1年保証 |
NEC | 安定性・信頼性に定評のある国内メーカー、堅実な性能 | Aterm(標準/メッシュ) | 標準的 | 国内サポートしっかり、通常1年保証 |
TP-Link | 世界シェアNo.1、コストパフォーマンスに優れる、最新技術の導入が早い | Archer(標準/ゲーミング)、Deco(メッシュ) | 高性能でも比較的安価 | 3年保証モデルが多い、日本法人サポートあり |
ASUS | ゲーミングルーター(ROGシリーズ)に強み、高性能・多機能、独自機能(AiMesh、AiProtection) | ROG(ゲーミング)、TUF Gaming(ゲーミング)、ZenWiFi(メッシュ)、RTシリーズ(標準) | 高価 | 長期保証の場合あり(モデルによる) |
NETGEAR | 高性能モデル中心、プロシューマー向けも、最新技術に積極的 | Nighthawk(高性能/ゲーミング)、Orbi(メッシュ) | 高価 | 3年保証など長期保証多、サポート充実 |
I-O DATA | 国内メーカー、安定性・信頼性重視、IPv6 IPoE対応製品に注力 | WN-DAXシリーズ(標準) | 標準的 | 国内サポート |
ELECOM | 国内メーカー、IPv6 IPoE対応やセキュリティ機能に注力、デザイン性のあるモデルも | WRCシリーズ(標準/メッシュ) | 手頃なモデルが多い | 国内サポート |

初心者だと、どのメーカーが安心かな?

設定の簡単さや日本語でのサポートを重視するなら、国内メーカーのBUFFALOやNECが選択肢になります。コストパフォーマンスや保証期間の長さを重視するなら、TP-Linkも非常に有力な候補ですよ
メーカーのブランドイメージだけでなく、製品ごとのスペックやレビュー、そしてご自身が重視するポイント(価格、性能、サポート体制、保証期間など)を総合的に比較して、納得のいくメーカーを選びましょう。
USBポート搭載モデルの活用法
一部のWi-Fiルーターには、本体にUSBポートが搭載されているモデルがあります。
必須の機能ではありませんが、使い方によってはネットワーク環境をより便利にできます。
USBポートに接続できる機器や主な活用方法は以下の通りです。
- 簡易NAS(ファイルサーバー)として
- USBメモリや外付けハードディスクドライブ(HDD)を接続する
- ネットワーク内のパソコンやスマートフォンからファイルにアクセス・共有が可能
- ネットワークプリンターとして
- USB接続タイプのプリンターを接続する
- ネットワーク内の複数のパソコンからワイヤレスで印刷が可能
- メディアサーバーとして
- 接続したUSBストレージ内の音楽や動画ファイルを保存する
- DLNA対応のテレビやネットワークオーディオプレーヤーなどで再生が可能

USBポートって絶対あった方がいい?

必ずしも必要な機能ではありませんが、例えば「家族で写真を共有したい」「古いUSBプリンターを無線で使いたい」といった目的がある場合には、手軽に実現できる便利な機能ですよ
ただし、接続できるUSB機器の種類(フォーマット形式など)や設定方法はルーターの機種によって異なります。
また、専用のNAS(ネットワーク接続ストレージ)ほど高機能ではありません。
利用したい目的がある場合は、購入前にメーカーのWebサイトなどで対応状況を確認することをおすすめします。
電波が届きやすくなる設置場所のヒント
高性能なWi-Fiルーターを選んでも、設置場所が悪ければその性能を十分に発揮できません。
Wi-Fiの電波は、距離や障害物の影響を受けやすいため、置き場所を工夫するだけで通信状況が改善することがよくあります。
電波が届きやすくなる設置場所の基本的なポイントは以下の通りです。
- 家の中心に近い場所: できるだけ家全体に電波が届くように、壁際や部屋の隅は避ける
- 床から1〜2m程度の高さ: 電波は球状に広がるため、床に直接置くより、少し高い位置が良い
- 周りに障害物が少ない場所: 壁、家具(特に金属製や木製の厚いもの)、本棚などは電波を遮りやすい
- 電波を発する家電から離す: 電子レンジやコードレス電話機、Bluetooth機器などは電波干渉の原因になる
- 水槽や花瓶などを避ける: 水は電波を吸収・減衰させやすい性質がある
- 見通しの良い開けた場所: ルーター本体を棚の中や箱の中に入れるのは避ける

見た目が気になるから、棚の中に隠しても大丈夫?

できれば避けた方が良いですね。電波が遮られたり、熱がこもって性能が低下したりする可能性があります。どうしても隠したい場合は、メッシュ素材やガラス扉など、電波を通しやすい素材の棚を選び、ルーターの周りに空間を確保して熱がこもらないように注意してくださいね
ルーターを設置する際には、これらのポイントを意識して、できるだけ電波にとって良い環境を選んでみてください。
少し場所を変えるだけで、今まで繋がりにくかった部屋での速度や安定性が向上する可能性があります。
Wi-Fiルーター基礎知識
- Wi-Fiルーターの基本的な役割
- モデムやONU(光回線終端装置)との違い
- 通信速度を示すMbps・Gbpsの意味
- 電波の種類「2.4GHz」「5GHz」「6GHz」各周波数帯の特徴
- Wi-Fi規格の進化(Wi-Fi 5から7まで)
Wi-Fiルーターを選ぶ上で、まず基本となるいくつかの知識を押さえておくことがとても大切です。
用語の意味や仕組みを知ることで、たくさんの製品の中からご自身に合ったものを見つけやすくなりますよ。
ここでは、Wi-Fiルーターが持つ基本的な役割から、よく似た機器であるモデムやONUとの違い、カタログなどで目にする通信速度の単位、性能に影響する電波の種類(周波数帯)、そして技術の進歩を示すWi-Fi規格の移り変わりについて、一つずつ解説していきます。
これらの基礎知識が、後悔しないルーター選びの第一歩となります。
Wi-Fiルーターの基本的な役割
Wi-Fiルーターとは、ご家庭やオフィスに引き込まれたインターネット回線を、スマートフォンやパソコン、ゲーム機といった複数の機器で、ケーブルを使わずに無線(Wi-Fi)で利用できるようにするための「中継役」となる機器です。
このルーターがあることで、1本のインターネット回線を複数のデバイスで同時に共有し、インターネットに接続できるようになります。
具体的には、データの通り道を整理したり(ルーティング)、接続される機器に一時的なインターネット上の住所を割り当てたり(DHCP機能)、無線で通信するための基地局になったり(アクセスポイント機能)といった働きをしています。
Wi-Fiルーターの主な働き | 説明 |
---|---|
ルーティング | データの宛先を見て最適な経路を選び、目的の機器へ届ける |
DHCPサーバー機能 | 接続された機器にIPアドレス(ネットワーク上の住所)を自動で割り当てる |
無線アクセスポイント機能 | スマートフォンなどを無線(Wi-Fi)で接続するための基地局となる |
有線LANポートによる接続(一部) | パソコンなどをLANケーブルで直接接続する機能 |

ルーターって、ただ電波を飛ばすだけじゃないんですね?

はい、インターネットへの入口を作り、各機器への交通整理もしてくれる、ネットワークの中心となる重要な役割があるんですよ
つまり、Wi-Fiルーターは、私たちが無線で快適にインターネットを利用するために不可欠な存在なのです。
モデムやONU(光回線終端装置)との違い
Wi-Fiルーターとよく混同されやすい機器に、「モデム」や「ONU(オーエヌユー、光回線終端装置)」があります。
これらは、壁の回線差込口から来たインターネット回線の信号を、パソコンなどが理解できるデジタル信号に変換する装置です。
具体的には、電話回線(ADSLなど)を使う場合はモデム、光回線を使う場合はONUが使用されます。
これらは信号を「変換」するのが主な役割であり、変換された信号を受け取って複数の機器に「分配・整理」するのがWi-Fiルーターの役割です。
多くの場合、接続する順番は「壁の差込口 → モデム/ONU → Wi-Fiルーター → パソコンやスマートフォンなど」となります。
製品によっては、ONUとルーターの機能が一つになった「ホームゲートウェイ」と呼ばれる機器もあります。

うちにある箱、どっちがモデム/ONUでどっちがルーターなんだろう?

ランプの表示や接続されているケーブルで見分けられますよ。多くの場合、インターネット回線業者からレンタルされている機器がモデムやONUです
このように、モデムやONUとWi-Fiルーターは、インターネット接続に必要な点は共通していますが、それぞれ異なる役割を担っており、連携して機能しています。
通信速度を示すMbps・Gbpsの意味
Wi-Fiルーターの性能を示す際によく目にするのが、「Mbps(メガビーピーエス)」や「Gbps(ギガビーピーエス)」という単位です。
これらは、1秒間にどれくらいのデータ量を送受信できるかを示す通信速度の単位です。
1Gbpsは1000Mbpsと同じ速度を表し、数値が大きいほど通信速度が速いことを意味します。
例えば、Webサイトの表示、動画の読み込み、ファイルのダウンロードなどがより短時間で完了します。
ただし、ルーターの製品パッケージや説明書に記載されている「最大〇〇Mbps/Gbps」という速度は、あくまで理論上の最大値です。
実際の通信速度(実効速度)は、お使いのインターネット回線の種類、プロバイダー、ご自宅の環境、接続する機器の性能、回線の混雑状況など、様々な要因によって変動します。

数字が大きい方が速いのは分かるけど、どれくらいあればいいの?

高画質の動画をスムーズに見たいなら数百Mbps、オンラインゲームなら速度だけでなく応答の速さ(Ping値)も重要になります。まずご契約中の回線速度を確認しましょう
MbpsやGbpsはルーターの基本性能を知る上で重要な指標です。
この数値の意味を理解しておくことで、ご自身の使い方に合った性能のルーターを選びやすくなります。
電波の種類「2.4GHz」「5GHz」「6GHz」各周波数帯の特徴
Wi-Fiの無線通信では、主に「2.4GHz(ギガヘルツ)帯」「5GHz帯」「6GHz帯」という3つの周波数帯の電波が利用されています。
それぞれに異なる特徴があり、メリットとデメリットが存在します。
具体的には、2.4GHz帯は壁や床などの障害物に強く、電波が遠くまで届きやすいというメリットがありますが、電子レンジやBluetoothなど他の機器も利用する周波数帯のため、電波干渉を受けやすく通信が不安定になったり速度が低下したりしやすいデメリットがあります。
一方、5GHz帯はWi-Fi専用に近い周波数帯で電波干渉が少なく、通信速度が速く安定していますが、障害物に弱く、ルーターからの距離が離れると電波が弱くなりやすいです。
そして、6GHz帯は最も新しく利用が始まった周波数帯で、非常に空いていて高速通信が期待できますが、5GHz帯よりもさらに障害物に弱く、電波の届く範囲が狭い上に、対応するルーターやスマートフォンなどもまだ限られています。
周波数帯 | メリット | デメリット | 主な利用規格例 |
---|---|---|---|
2.4GHz | 障害物に強く遠くまで届く、対応機器が多い | 電波干渉を受けやすく不安定、速度が遅め | Wi-Fi 4, 6, 7 |
5GHz | 速度が速く安定、電波干渉が少ない | 障害物に弱く距離で減衰、古い機器は非対応の場合あり | Wi-Fi 4, 5, 6, 6E, 7 |
6GHz | 非常に高速で空いている、電波干渉を最も受けにくい | 障害物に非常に弱く範囲が狭い、対応機器・ルーターが少ない | Wi-Fi 6E, 7 |

じゃあ、どの周波数帯を使えばいいの?

ルーターの近くで速度を重視するなら5GHzや6GHz(対応機器があれば)、壁を挟んだ部屋やルーターから離れた場所では2.4GHz、というように場所や状況に応じて使い分けるのがおすすめです
最近のWi-Fiルーターの多くは、2.4GHz帯と5GHz帯の両方(デュアルバンド対応)が利用でき、高性能なモデルではさらに5GHz帯や6GHz帯を追加した3つの帯域(トライバンド対応)が使えるものもあります。
利用環境に合わせてこれらの周波数帯を上手に使い分けることが、快適なWi-Fi環境を整えるための鍵となります。
Wi-Fi規格の進化(Wi-Fi 5から7まで)
Wi-Fiの通信技術は、「IEEE(アイトリプルイー) 802.11」という国際標準規格に基づいており、技術の進歩とともに新しい世代の規格が登場してきました。
世代が進むごとに、通信速度や効率性、安定性などが向上しています。
近年では、世代をより分かりやすく示すために「Wi-Fi + 数字」(例: Wi-Fi 6)という呼び方(新呼称)も広く使われています。
ここでは、最近の主要な規格であるWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)、Wi-Fi 6E(IEEE 802.11axの6GHz帯対応版)、そして最新のWi-Fi 7(IEEE 802.11be)について、その進化を見てみましょう。
基本的に、新しい規格ほど理論上の最大通信速度が速く、複数の機器を同時に接続した場合の通信効率も改善されています。
世代 | 規格名 (IEEE) | 新呼称 | 最大通信速度 (理論値) | 利用周波数帯 | 主な特徴 |
---|---|---|---|---|---|
第5世代 | 802.11ac | Wi-Fi 5 | 6.9 Gbps | 5 GHz | Wi-Fi 6登場前の主流規格 |
第6世代 | 802.11ax | Wi-Fi 6 | 9.6 Gbps | 2.4 / 5 GHz | 速度向上、多台数接続時の安定性向上 (OFDMA, MU-MIMO強化)、省電力 (TWT)、セキュリティ強化 (WPA3標準対応) |
第6世代 | 802.11ax | Wi-Fi 6E | 9.6 Gbps | 2.4 / 5 / 6 GHz | Wi-Fi 6に6GHz帯を追加、電波干渉に非常に強い |
第7世代 | 802.11be | Wi-Fi 7 | 46 Gbps | 2.4 / 5 / 6 GHz | 超高速化 (320MHz幅, 4096QAM)、低遅延 (MLO)、さらなる安定性向上 |

最新のWi-Fi 7じゃなきゃダメなの?

いいえ、そんなことはありません。現時点(2024年)では、性能と価格のバランスからWi-Fi 6対応ルーターが最もおすすめです。Wi-Fi 6の性能を活かすには、接続するスマートフォンやパソコンもWi-Fi 6に対応している必要がありますよ
新しい規格のルーターを選ぶことで、より高速で安定した通信環境が期待できます。
ただし、Wi-Fiルーターだけでなく、接続するスマートフォンやパソコンなどの機器側も同じ規格に対応している必要があります(下位互換性はあるため接続自体は可能ですが、性能は古い方の規格に制限されます)。
現在、多くのスマートフォンやパソコンがWi-Fi 6に対応しており、ルーターの価格も手頃になってきているため、Wi-Fi 6は非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。
よくある質問(FAQ)
- Q古いWi-Fi 5ルーター、まだ使えますか? 買い替えるべきか迷っています
- A
Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)対応のルーターも、もちろんまだ利用することは可能です。
しかし、数年前に購入されたモデルの場合、最近のインターネットの使い方、特にスマートフォンやパソコン、スマート家電など接続台数が増えた環境では、性能不足を感じることが多くなっているかもしれません。
動画視聴やテレワークでのWeb会議などが頻繁にあるなら、たくさんの機器を同時につないでも速度が落ちにくいWi-Fi 6対応ルーターへの買い替えがおすすめです。
新しいwi fi ルーターは、通信速度や安定性が向上しているだけでなく、セキュリティ面でも強化(WPA3対応など)されているため、より安心・快適にご利用いただけますよ。
- Q電波が届きにくい部屋には、メッシュWi-Fiと中継機のどちらを選べば良いですか?
- A
Wi-Fiの電波が届きにくい部屋がある場合、メッシュWi-Fiシステムと中継機のどちらも電波強度を高めるための選択肢になります。
中継機は、既存のルーターの電波を受け取り、それを増幅して届く範囲を広げる手軽な方法です。
一方、メッシュWi-Fiは、親機と子機が連携して家全体を網目状にカバーするシステムで、家の中を移動しても最適な電波に自動で切り替わり、より広範囲で途切れにくい安定性の高い通信環境を構築できます。
一般的に、1〜2部屋程度の範囲をカバーしたい場合は中継機でも十分な場合がありますが、マンションや戸建てで複数の部屋や階層にわたって安定した通信を確保したい場合は、メッシュWi-Fiの方が効果的です。
wi fi ルーター 選び方の一つとして検討してください。
- Qルーター本体が見えると生活感が出るので、棚の中に隠して設置しても大丈夫でしょうか?
- A
お気持ちはよく分かります。
ですが、wi fi ルーターを棚の中など、完全に囲まれた場所に設置するのは、あまりおすすめできません。
Wi-Fiの電波は、壁や扉などの障害物によって弱まってしまい、通信速度や安定性が低下する原因となります。
特に、金属製や木製の厚い棚は電波を遮りやすいです。
また、ルーターは動作中に熱を持つため、密閉された空間では熱がこもり、性能低下や故障、最悪の場合は寿命を縮める可能性もあります。
どうしても隠したい場合は、電波を通しやすいメッシュ素材のラックを使用したり、前面が開いている棚を選んだりするなど、通気性と電波の通り道を確保するように工夫してくださいね。
- QWi-Fiルーターに寿命はありますか?どれくらいの期間で買い替えるのがおすすめですか?
- A
Wi-Fiルーターは精密な電子機器ですので、物理的な寿命があります。
一般的に、3年から5年程度が買い替えの目安と言われることもありますが、使用環境や製品によって異なります。
「繋がらない」ことが増えたり、通信速度が明らかに遅くなったり、接続が頻繁に途切れるようになったりしたら、それは買い替えを検討するサインです。
また、新しいWi-Fi規格(例えばWi-Fi 6など)が登場し、ご自宅のスマートフォンやパソコンがその規格に対応した場合も、ルーターの性能を最大限に活かすために買い替えが有効です。
セキュリティ規格(WPA3など)の観点からも、古すぎるルーターはリスクが高まるため、定期的な見直しをおすすめします。
- Qインターネット回線の契約で「IPv6 IPoE」対応が良いと聞きました。これに対応したルーターだと速くなりますか?
- A
はい、IPv6 IPoEという接続方式に対応したwi fi ルーターを利用することで、通信速度が改善される可能性があります。
従来の接続方式(IPv4 PPPoE)は、特に夜間など利用者が多い時間帯にネットワークが混雑し、速度が低下しやすい傾向がありました。
IPv6 IPoEは、この混雑しやすい部分を避けて通信できる新しい方式なので、光回線などの安定性や速度が向上しやすくなります。
ただし、この効果を得るためには、ご契約のインターネット回線とプロバイダ自身がIPv6 IPoEに対応している必要があります。
これからwi fi ルーターを購入する場合は、IPv6 IPoE対応のものを選ぶと、将来的に回線が対応した場合にもスムーズに高速通信を利用できます。
- QWi-Fiルーターの初期設定は、パソコンに詳しくない初心者でも簡単にできますか?
- A
最近のwi fi ルーターは、初心者の方でも簡単設定ができるように工夫されているモデルが多いので、ご安心ください。
多くのメーカー(例えばBUFFALO、NEC、TP-Linkなど)では、スマートフォン用の専用アプリが用意されており、画面の指示に従って進めるだけで初期設定が完了するようになっています。
また、古いルーターからの設定情報を引き継ぐ「引っ越し機能」が付いている製品もあります。
もし設定中に分からないことがあっても、各メーカーのウェブサイトには詳しい手順やQ&Aが掲載されていますし、電話サポートなどが利用できる場合もあります。
説明書をよく読み、アプリなどを活用すれば、ご自身での設定は十分可能です。
まとめ
この記事では、初心者の方がWi-Fiルーター選びで失敗しないための基本的な知識から具体的なポイントまでを解説しました。
最も重要なのは、ご自宅の広さや接続する機器の数、使い方に合ったスペックの製品、特に現在は「Wi-Fi 6」対応のモデルを選ぶことです。
- 家の広さや間取り、接続台数、主な用途の確認
- 現在主流で多台数接続に強い「Wi-Fi 6」規格の選択
- 安全な通信のための「WPA3」対応のチェック
これらのポイントを押さえて、ご自身のインターネット環境をもう一度見直してみましょう。
この記事を参考に、動画視聴や在宅勤務がより快適になる、あなたにぴったりの一台を見つけてくださいね。
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